1、クラブ名鑑2024(いわきFC)
2、フィジカルと成績の検証
シーズンを四期に分けて成績を比較することで、フィジカルがどう試合に左右したか検証する。
『 4分割比較考察 』
前半の1巡目よりも後半の2巡目の方が、得点力が高くなっている。フィジカルが整う後半戦の方が高い得点力が発揮できるようだ。
一方で、守備の方は、上位に対して大敗する傾向が強く、特に対清水では、2試合で16失点。10試合分の失点を2試合だけで記録してしまっている。
これは、メディアから入って来るチームスタイルから推測すると、フィジカルトレーニングに時間を割いている分、戦術的な練習に割いている時間が限られている部分が影響しているのではないかと思う。
主軸が引き抜かれた影響もあるとはいえ、J3で守れていた守備もJ2だと守れない。フィジカルだけではなかなか守り切れないという厳しさを痛感するシーズンなったかもしれないが、2年目の今季に、守備の部分をどこまで安定させることができているか。
開幕戦で、栃木に完勝した岡山の試合で、その守備面が特に問われる事となりそう。
3、Jリーグで高まるいわきFCブランド
J2昇格元年の2022~2023のストーブリーグで移籍した選手で主に活躍した選手は、日高 大 選手。移籍先の千葉でも超攻撃的SBとして、千葉のプレーオフ進出に大きく貢献した。同時に、いわき選手の凄さを内外に証明した。
それもあってか、今季は、23シーズンに18位でありながら、多くの主軸選手の流出に繋がってしまった。
J1の東京Vに永井 颯太 選手と河村 匠 選手。J1の札幌にも家長 玲衣 選手。更にJ1の新潟に宮本 英治 選手が移籍。J2でも山形に有田 稜 選手、そして、岡山に19岩渕 弘人 選手が加入した。
順位以上に、クラブの価値を上げたいわきFC。クラブとして、主軸の流出を避けたいと思うだろうが、そんないわきFCに夢と浪漫を求めて加入してきた新人選手は多数いる。ネクスト19岩渕 弘人 選手のように、活躍が評価されて他クラブへというサイクルを作って行く中で、チームとしても大きくなっていく。いわきの2024シーズンの躍進があるのかは、注目と言える。
4、いわきFCに夢と浪漫を求めて
J3とJ2で残したいわきFCのインパクトは、凄かった。それは、今季の新加入選手にしっかりでている。
実に4名もJ1のクラブからいわきFCへと期限付き移籍で加入している。所属元へ戻る事を前提としている可能性の高い期限付き移籍だが、主軸選手が引き抜かれる一方で、五輪にも出場できる可能性のある選手を含めて、今後もいわきFCへ期限付き移籍するという流れができていくのではないかと感じる。
それだけ、現代サッカーでは、フィジカルが、評価されるようになっている。各クラブもできれば、J2でという意向が強いかもしれませんが、クラブとしても経験値を積んで行く中で、どういった編成で、今後のJ2を戦って行くのか注目したいクラブである。
完全移籍した選手は、流石に期限付き移籍してきた選手と比べると、実績や知名度という点では、そこまでかもしれないが、オファーを受けた段階で、筋トレで、自身を鍛え抜くという覚悟で、いわきFCへの加入を決めた筈だ。
今回は、詳しくは経歴を調べないが、ここからネクスト岩渕 弘人 選手や日高 大 選手が出てくるだろうか?
5、ミラーゲーム
前節のいわきは、3-4-2-1で、並び上は岡山と同じシステム。
田村 雄三 監督
ーーーーーー10有馬ーーーーーー
ーーー14山口ーーー17谷村ーーー
8嵯峨ー24山下ーー40下田ー15加瀬
ー22生駒ーー3照山ーー19大西ーー
ーーーーーー31鹿野ーーーーーーー
GK:1田中
DF:5速水
MF:6坂岸、7西川、13鏑木
FW:11ブワニカ、18白輪地
今節は、どうか分かりませんが、DFラインに新加入の選手だけのDFラインです。チームの始動日が早かったとしてもフィジカル的にも戦術的にもまだまだ隙があるんじゃないかと感じます。
一方で、中盤より前の選手は、既存選手で組まれている。水戸戦では、水戸のほぼ2倍の14本のシュートを放ち、ポゼッションでも上回った。
そう考えると、前からのスピード感のある仕掛けやハイプレスというのは、岡山にとって脅威になるだろうし、そこでどれだけ繋ぐ、もしくは前に蹴るかの判断を的確にできるかが、問われることとなる。
昨年の対戦でも足下の安定していなかったが、アバウトなボールに岡山の選手が競り負けて、押し込まれるシーンというのが、何度かあった。開幕戦に完封できた岡山のDF陣とはいえでも安心できない部分はある。
いわき対策で、20井川 空 選手の起用も考えられるし、その辺り、どういった決断して、11人+7人を選ぶのか。そこが、開幕戦以上に問われる事となるかもしれない。
6、いわき戦へ向けて
ミラーゲームがどう左右するか。DFラインの隙を突けるか。いわきの鍛え抜かれたフィジカルの攻撃を抑えられるか。この辺りがポイントとなりそうだ。
岡山のハイプレス、9グレイソン選手のポストプレー、サイドの主導権争い、中盤の攻防、DFラインの対人守備。こういった岡山の良さを第2節いわき戦でどれだけ出し切れるか。
シンプルに楽しみですし、期待も大きい分、不安も大きい。そこを勇気と自信に変えるプレー、勝利に期待したい。ただ、楽しみでしかない。
文章=杉野 雅昭
text=Masaaki Sugino
7、アディショナルタイム(ファジ造語24)