2024ファジアーノ岡山にフォーカス17『 ≫≫神業の左足に問われた戦い方≪≪ 』J2 第8節(H)vs 横浜FC



1、問われた雨の戦い方~数的不利~


 雨にしっかり対応できる選手とそうでない選手との差が出た試合と言えるかもしれない。もちろん、不向き不得意はある。そういった戦い方ができなかったのだから、キヤマアイの目測に誤算があった試合とも言えるでしょう。

2024ファジ造語No.12
『 ≫≫キヤマアイ≪≪ 』

 木山 隆之 監督の勝利に逆算した勝負勘が優れた決断力に裏打ちされた本質を見極める「着眼大局」の眼を例えたファジ造語。木山 隆之 監督は、勝利のために必要なことを見極めて、情に左右されることなく、冷静に決断を下すことができる。無謀ではなく、挑戦であり続ける勝負師木山 隆之 監督の勝負術に優れる監督でもあることも示す。

 前節との違いとしては、15本山 遥 選手がリザーブに回り、左CBに18番 田上 大地 選手が回り、真ん中のCBに5番 柳 育崇 選手が入った。リザーブメンバーには、11番 太田 龍之介 選手が新たに入った。

 横浜FCの方は、右WBと右のシャドーの選手が変更点があったこととそれに伴ってリザーブメンバーを調整したに留めたという選手交代であった。

 結果的には、右サイドを主体とした攻撃の中で、左サイドでフィニッシャーに成れず、雨のピッチに苦しんだ10番 田中 雄大 選手と技巧派MFでキープが得意な44番 仙波 大志 選手が持ち味を発揮できず、横浜FCに流れを渡す形となった。

 とはいえ、3失点ともほぼ同じ位置からのFK2本とCK1本でのセットプレーの3アシストの技ありのプレースキックを放った24番 福森 晃斗 選手の左足を褒めるべきであるだろう。

 どちらかと言えば、その位置で、ファールすることはそんなにないので、濡れたピッチでの相手陣地でプレーする術を確立できなかった影響を強く感じた。

 岡山のサッカーにおいて「繋ぐ」という選択がどれだけ大きな意味を持っていたのかを改めて感じた試合となったが、前半の岡山が攻める方向での右サイドのピッチを狙ったことで、ボールの主導権が行ったり来たりする結果となった。

 結果論から言えば、後半の攻勢を考えると、そこに固執せず左サイドも上手く活用すべき試合となってしまった。いつもであれば、前半にもっと時間を割くが、岡山の戦い方を採用した結果、44番 仙波 大志 選手と10番 田中 雄大 選手が消える結果になってしまったことと、プレースキッカーの差が出てしまったという「やっぱり24番 福森 晃斗 選手が凄すぎた」という結論に至ってしまう。

 ここは、素直に認めるべき所である。それでも、後半にPKではあったが、1点は返せたので、結論が出ている前半は置いといて、後半から見える悪かった点と良かった点を整理することで課題と収穫を発見していきたい。

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2、虹と龍が示した可能性~天変地異~


 ここまで負けていなかった事で、チームデザインを大きく変更するという事はなかった。そう考えると、次節は大きく変更するという可能性もあるのではないかと感じる。連戦の最後ではあるので、大胆に動くことに障壁は全くないと言える。

 木山ファジの歴史を遡ってもおよそ10試合周期で、チームモデルをチェンジしてきた歴史がある。今季は、雨によるピッチコンディションの影響があったとはいえ、敗れはしたことと主軸に離脱者が出てきていることと、復帰してきた選手やパフォーマンスの良かった選手もいて、序列を再構築することに適した試合と言えるのではないでしょうか。

 序列が上がりそうと感じた選手の中で、個人的に良かったのが、25番 吉尾 虹樹 選手。右WBだけではなく、離脱選手の多い左WBができる器用さは岡山の救世主的存在に感じる。運動量もある選手ですし、何より右足の精度のキック精度も高く、判断も早く、守備に不安こそあるものの可能性を示すことができたパフォーマンスであったので、出場が続いている17番 末吉 塁 選手を休ませるというのも面白い選択に感じる。

 17番 末吉 塁 選手のように速さに関係したフィジカルでの突破こそできないものの、43番 鈴木 喜丈 選手のようにパス交換で中に入っていくという事が期待できますし、クロスでのチャンスメークも期待できる選手に感じました。43番 鈴木 喜丈 選手や41番 田部井 涼 選手、19番 岩渕 弘人 選手の開幕メンバーのように、流れで形を作れる選手と組むことで真価を発揮してくれるんじゃないかと思います。

 そして、もっと見てみたいと感じたのが、11番 太田 龍之介 選手。9番 グレイソン 選手と空中戦で競るプレーやポジショニングで被るのなら理解できますが、99番 ルカオ 選手が被るのには、少し違和感を感じる。個人的な不満として、99番 ルカオ 選手には、23シーズンのようにシンプルにスペースに走る役割を徹底させて欲しいところである。

 個人的には、9番 グレイソン 選手と11番 太田 龍之介 選手に競ることを任して、他の選手は、裏に抜けるか近くで受けるかというのを徹底するだけでも全然違ってくるのではないかと思う。そうした共通認識の下での戦い方ができるのであれば、課題である得点力が劇的に改善する可能性はある。

 屈強な横浜FCに対してもしっかり競り勝つことができていたので、この辺りの役割をもう一度整理する必要がある。改めて、19番 岩淵 弘人 選手の(チームの中での求められているプレーへの)戦術理解度の高さを改めて認識できた数試合となっている。

 これは提言ではあるが、1トップ2シャドーであれば、どうしても1トップの近くで無意識にプレーしてしまう側面があるので、2トップとトップ下のような関係にすることも面白いかもしれない。この試合では、8番 ガブリエル・シャビエル 選手が、右サイドではなく、左サイドでプレーすることも多かったので、25番 吉尾 虹樹 選手と入れ替わる形などを想定しても面白いのではないかと感じます。

 2トップを推すケース理由として、中央での重複が多かったので、左と右をプレーエリアを分担して高さで勝負できる9番 グレイソン 選手と11番 太田 龍之介 選手の役割を明確にすることが一番の狙いです。左に浮き球のクロスやロングパスが繰れば9番 グレイソン 選手が競って、右の11番 太田 龍之介 選手が裏抜けや受けるプレーを選択する。右にクロスや浮き球のロングパスがくれば、関係性を逆にする。

 その下で、8番 ガブリエル・シャビエル 選手が、9番 グレイソン 選手のように中央へのパスコースを消すポジショニングで行う事で、中央を締めるという事で最適化できるのではないかと感じる。

 3-4-3の関係性の攻撃時のバランスの悪さが目立ってきているので、あくまでの提案ではあるが、3-4-3のままでこのアンバランスな面が解消するのであればベストだが、99番 ルカオ 選手の活かしきれていないように、ここ数試合でそういった矛盾が目立ってきているんドので、次節に私が掲示した案を含めて、修正して欲しいと感じる。


3、横浜FCのサッカー~情報不足~


 ピッチコンディションと前半で0-3というスコア通り、横浜FCのサッカーの強い所と弱い所を肌で感じるということができなかった。24番 福森 晃斗 選手の凄さが、ただ強く印象に残った試合であったように感じる。

 この試合では岡山視点で、横浜FCのサッカーは語れないだろうし、両チームのサッカーが見えてこなかった。是非アウェイでは、もっと良いピッチコンディションの中で、お互いに強くなった中で、どこまで戦えるか楽しみである。

 ルヴァンカップですぐに戦うことになると思いますが、そこでの連敗を避けたいので、選手層の厚さを活かして、リーグ戦に勢いをつける試合にして欲しい。

 チームとして、後半は岡山のサッカーをある程度できましたし、この敗戦を糧により強い岡山をみせて欲しい。

 前半で雨の戦い方を誤り、「数的不利」のような状況に陥った。後半には多くの選手を投入したことで、スタメンに近い選手に動きがあるぐらいアピールできた選手がいたり、課題も見つかったことで、チーム内の立ち位置が大きく変わる「天変地異」のような地殻変動が起きても不思議ではない。横浜FCから得た「情報不足」とも言える試合の収穫であったが、そこを逆手にルヴァンカップ、アウェイの横浜FC戦で、この悔しさを勝利に変えて欲しい。

 今回は、短いですが、ここまで最後まで読んで下さり有難うございました。

『 24番 藤田 息吹 選手 』
「前半に3失点してしまい、後半はチームとして勢いを増して盛り返したが、やはり前半が全てだった。
この敗戦からよりチームが強くなっていかないといけないし、まだまだ自分たちが成長や改善できる余地もあるので、もっと良い練習をして次の試合に向かいたい。
対戦相手がどの相手であっても、自分たちは挑戦者として立ち向かうメンタリティがあるので、相手に関してはあまり気にしていない。
今後の戦い方については、まだシーズンは長いので、まずは次の目の前の試合に向かってチームとして取り組みたい。」

ファジアーノ岡山公式HP
J2第8節 横浜FC戦 監督・選手コメント
より一部引用
URL:https://www.fagiano-okayama.com/news/202404032230/

文章=杉野 雅昭
text=Masaaki Sugino

データでフォーカス8もよろしくお願いします。

横浜FC戦のMIPは?


筆者紹介
 冷静さと熱さを両立した上で、自分の感じた事を自分の言葉で表現することを大事にしている。ハイライトやテキスト速報をレビューを書くために確認するが、極力SNSは、情報を遮断して、レビューを執筆している。流石に通知なので、軽く目にすることこそあるが、綿密に分析するというよりは、サッカーというスポーツの魅力を発信することを一番大事にしており、ファジアーノ岡山だけではなく、対戦クラブにも最大限のリスペクトの気持ちで、サポーターとの交流や魅力を語り合うことが好きで、レビューを書き始めて、中断期間や書けなかった試合もあるが、10年以上、ファジアーノ岡山を中心にサッカーのある生活をエンジョイしつつ、応援してきた。


4、アディショナルタイム(ファジ造語24)


2024ファジ造語No.1
『 ≫≫力を出し切る三原則≪≪ 』

「決め切る・勝ち切る・逃げ切る」という課題と語ったGMの服部 健二 氏の言葉から想起した「力を出し切る三原則」という2024シーズン第一弾のファジ造語とさせていただいた。来季を観て行く上で、勝利するために、チームがどう強くなったのか、是非、結果から「力を出し切る三原則」をクリアできているか注目したいですね。

2024ファジ造語No.2
『 ≫≫虹色の右足≪≪ 』
24シーズンがルーキーイヤーとなる24番吉尾 虹樹 選手の右足から放たれるパスやクロス、シュート、プレースキックの全てが、高精度であることをより魅力的に伝えるファジ造語。24吉尾選手の名前の「虹樹」の「虹」があり、「虹色の右足」に相応しい選手であると思います。プロとして経験を積む中で、「虹色の右足」は、大樹のようにチームを支えることができる可能性を秘めていることも間違いないでしょう。

2024ファジ造語No.3
『 ≫≫木山マジック≪≪ 』

固定概念を作らない木山 隆之 監督の自由で大胆な決断により、チームを勝利に導くことができる試合采配や選手起用を指すファジ造語。誰にも思いつかない自由な発想と大体な一手で勝利を手繰り寄せてきた将棋で一時代を築いた羽生 善治先生の一手が「羽生マジック」と呼ばれていたが、そこに由来して、「木山マジック」と命名した。22シーズンは、サポーター間でも浸透した。24シーズンでも聞きたいワードですよね。

2024ファジ造語No.4
『 ≫≫剛よく剛を制す≪≪ 』

「サッカーにおいても剛強なものが、剛強な力によって、無慈悲にも剛強なものを押さえつけてしまうという弱肉強食の世界である」という意味の造語」本来は「柔よく剛を制す=柔軟性のあるものが、そのしなやかさによって、かえって剛強なものを押さえつけることができる」という意味の造語だが、99ルカオ選手のフィジカルが、あまりに凄すぎるので、諺(ことわざ)を弄ることでその強さを表現したファジ造語。

2024ファジ造語No.5
『 ≫≫木山曲線≪≪ 』

将棋の藤井八冠が、AI評価値で、一度リードしたらそのまま最後まで右肩上がりで完勝してしまう強さを表現して「藤井曲線」と言われていました。まさしく、開幕戦の木山ファジの勝ち方のようで、そこを可能にした選手起用やチーム作り、ゲームプランから木山マジックの進化系であり、90分間でほぼ圧倒して勝った時の勝利を表現するファジ造語。

2024ファジ造語No.6
『 ≫≫三本の矢24ver≪≪ 』
以前、ファジ造語として紹介していたが、24シーズンでの三本の矢は、11人で繰り出される隙が無い攻撃(途切れずらい攻撃)の事を指す。木山ファジの特色である選手の個性を引き出すサッカーの下で、3Dアタック×3=「縦×横×高さ」×「速さ・強さ・巧さ」×「パス×ドリブル×シュート」が、その方程式の下で、異次元の破壊力を生み出させる攻撃。まさしく、三本の矢に相応しい攻撃を表現したファジ造語。

2024ファジ造語No.7
『 ≫≫虹色の戦術(レインボータクティクス)≪≪ 』

 個性豊かな選手を適材適所で起用して、個性×個性の攻守のプレーの幅や深さで、対戦クラブの戦術の多くへの対応して戦えるだけでなく、試合毎に相性の良い選手が、持ち味を発揮して、攻守で安定した戦い方をすることができる。その個性の戦術の色の可能性はまさに虹そのもので、虹色のように個性が耀き、雨の後の晴れのような勝利に繋げることができるファジの戦術の事を指すファジ造語。

2024ファジ造語No.8
『 ≫≫田段陣地≪≪ 』

 「多段構え」の防壁と、隙を少なくする戦術的な「防御陣形」に、18田上 大地 選手の名前から、「田上=田んぼの上」では水があることで、自由に動けない。そして、「大地=広大な土地」であることで、広範囲にその守備の連動が及びという意味、そして地に足が付いた意味を全て込めることで、18田上 大地 選手の守備が、複数の守備戦術と強固な壁を構築された上で、隙の少ない堅守で、統率された守備ができる事を示すファジ造語2024です。

2024ファジ造語No.9
『 ≫≫グレイZone≪≪ 』

 岡山の最前線のDFラインと中盤の間のエリアで、9グレイソン選手がプレーするエリア。ここで、攻撃で起点を作ることができて、守備では、対戦チームの前進を阻んだり遅らせることができる。9グレイソン 選手のこうしたプレースタイルとプレーエリアは唯一無二で、岡山の堅守を支えるだけではなく、岡山の流れの切れない攻撃を可能とする。まさにその様子は、難攻不落の前線基地のエリアで、本来は対戦チームが有利なエリアだが、五分五分に持ち込める本来の意味も含めた効果を比喩して創ったファジ造語。

2024ファジ造語No.10
『 ≫≫岡山式三段撃ち≪≪ 』

 GKの守る最後の砦である本陣の前を「DF:空中戦、クリア」・「MF:パスカット、セカンドボール回収、サイドの主導権」・「FW:プレス、プレスバック」の「三段撃ち」で陣地を押し返して、気が付いたら岡山が守備から攻撃まで陣地回復できる強靭な守備。また、仮に敗れてもゴールに体を投げ出して守る守備ブロックと某ゲームのゴーレムのように、ゴールに蓋をする守護神が備えている堅守である岡山の守り方の説明を一言で表現したファジ造語。

2024ファジ造語No.11
『 ≫≫動かざるごと岡山の如し≪≪ 』
 対戦相手やどういった状況でも、岡山は無理に攻めることなく、好機をじっくり待ち、やることを徹底して、最後まで可能性を信じて戦える自信と謙虚のバランスの取れたメンタルの強さ。そして、個の力や組織力のどちらでも向かってくる対戦クラブをしっかり受け止めるチームとしての体幹の強さで、横綱相撲のように攻守で着実に前進して、そのまま押し切れるチームの総合力の高さ。ここを戦国大名の武田 信玄の「風林火山」の「山」の「不動如岡山」の「動かざるごと山の如し」の「山」に「岡」を加えて「動かざるごと岡山の如し」に変えて、岡山の攻守の安定感を強調したファジ造語。

2024ファジ造語No.12
『 ≫≫キヤマアイ≪≪ 』

 木山 隆之 監督の勝利に逆算した勝負勘が優れた決断力に裏打ちされた本質を見極める「着眼大局」の眼を例えたファジ造語。木山 隆之 監督は、勝利のために必要なことを見極めて、情に左右されることなく、冷静に決断を下すことができる。無謀ではなく、挑戦であり続ける勝負師木山 隆之 監督の勝負術に優れる監督でもあることも示す。

2024ファジ造語No.13
『 ≫≫仙波クルゴール≪≪ 』

 他のファジサポさんが命名された仙波クルクルにインスパイアを受けて、そこを少し加えて、仙波クルゴールと表現しました。これは、バイシクルみたいな響きの良さを仙波クルクルから残して、そこにシンプルにゴールを加えた。イメージ的には、仙波クルクルのように相手のベクトルを利用して、守備を無効として、決めるシュートのことを指したファジ造語です。

2024ファジ造語No.14
『 ≫≫∞GX FIELD∞≪≪ 』

 ハーフウェーラインより前の何処からでも決定的な仕事ができる8番 ガブリエル・シャビエル 選手の得意なプレー範囲の広さを表現したファジ造語。クロスでのチャンスメークやスルーパスでの決定機を作り出せる。そして、自身もゴール前でパスを受けることで、得点を決めることもできる。

2024ファジ造語No.15
『≫≫守備一冠(首尾一貫)≪≪』

今季の岡山スタイルを表現したファジ造語。守備でタイトルが取れるだけの堅守こそ岡山の武器であり、岡山が、どういった状況でも守備への考え方や高い守備意識はぶれることなく、ファジアーノ岡山クラブは、献身性とハードワークで構築してきた「堅守」。これこそがまさしく「首尾一貫」してきたスタイルであり、一冠を取ることで「守備一冠」のファジスタイルとして、内外に示せるシーズンとなって欲しいという願いも込めたファジ造語。


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