2021ファジアーノ岡山にフォーカス51「シーズン総括(FW編)」

 全文無料公開。選手の表記は、見易さの観点から省略させていただいく場合もありますが、○○(選手)の意識で、全ての選手や監督、読者の方々に最大限のリスペクトをもって、文章にさせていただいています。そして、目標としているスタイルは、客観的視点で発信していくこと、前向きになれる批評。少しでも良いクオリティを目指していますが、まだまだ未熟ゆえに、おかしな点などあるかもしれませんが、最後までお付き合い頂けると幸いです。そして、よろしければスキやフォロー、購読などもして頂けるとより励みとなります。

1、2021シーズン出場記録(FW登録選手)

シーズン終了時点に公式HPに掲載されている選手のFW登録の選手
+期限付き移籍選手(岡山での出場有り選手のみ)

FW登録選手(出場記録)
9イ・ヨンジェ(CF:10試合2得点)
15山本 大貴(CF:26試合2得点)
18齊藤 和樹(WG・CF・右SH:19試合0得点)
19ミッチェル・デューク(CF・WG:14試合3得点)
20川本 梨誉(CF・SH:30試合2得点)
38ブレネー・マルロス(CF:2試合0得点)
(23松木 駿之介)(SH・SB:2試合0得点)
(25野口 竜彦)(SH・CF:6試合0得点)
(32福元 友哉)(CF:4試合0得点)

2、各選手個別評価(FW登録選手)

背番号・選手名(ポジション):貢献度(高:A~E:低)
出場記録(出場試合数・得点数)

9イ・ヨンジェ(CF):C
出場記録(10試合2得点)

 出場試合数と得点的には物足りない部分こそあるが、磐田や京都を含めた上位との対戦では、圧倒的な存在感のあるプレーをみせて、試合の主導権を握る時間も作る事ができた。開幕から万全の状態で試合にでることができていれば、違った景色をみることができたかもしれない。しかし、2得点の内の1得点は、最終節。4点の重みと価値のある得点を決めてエースとしての仕事をした。

15山本 大貴(CF):C
出場記録(26試合2得点)

 1.5列目適性が高いながらCFの役割に近いプレーを任されたが、なかなか得点という結果に繋げる事ができなかった。前からの献身的な守備やサイドのスペースを走り込む事で、ピッチの幅を使った攻撃を牽引したが、中で仕事できるストライカーが不在であったことからなかなか得点に繋げる事ができなかったが、終盤戦に役者が揃った時には、本来の武器での攻撃に繋げる事ができた。

18齊藤 和樹(WG・CF・右SH):C
出場記録(19試合0得点)

 有馬監督の下で、持ち味を存分に発揮したが、今季はFWとして無得点という苦しいシーズンとなった。スピードと緩急を屈指した駆け引きの巧さでのサイドからのチャンスメークや、ペルルティエリア内に侵入してのシュートもあったが、頂点の選手としてマークも厳しく、結果に繋げることができなかったことで、改めてWG適性の高い選手と感じたシーズンともなった。

19ミッチェル・デューク(CF・WG):A
出場記録(14試合3得点)

 待望のCFタイプの頂点の選手の適性の高い選手で、途中加入でチームを劇的に変えた選手の1人。空中戦に強く、スピードと運動量もあり、高い献身性を持っており、更に意表を突く創造性や高度なテクニックを必要するプレーができ、豪州代表としての総合力の高さは、J2では異次元であった。WG適性も高く、中からサイドに切り込む形も効果的であり、得点力不足を解消し、9イ・ヨンジェの復帰を含めて、他の選手と共に輝きを放った。

20川本 梨誉(CF・SH):C
出場記録(30試合2得点)

 出場機会を掴み、規格外のゴールを決めた事で、ここから得点を量産し、二桁得点も視野に入る勢いさえ感じたが、マークが厳しくなって行く中で、ボールロストが増えて、なかなか思う様なプレーができなかった。チームが噛み合った終盤では、持ち味の攻撃よりは、運動量や守備を求められる中で、得点から遠ざかったが、やるべきことをしっかりやった事は、今後に繋がる。安定感や持ち味を発揮の仕方を見つければ、より光る才能の片鱗がみえた21シーズン。

38ブレネー・マルロス(CF):E
出場記録(2試合0得点)

 岡山の前から守備をしっかりする。この基本スタイルに最後までフィットできなかった。僅かな出場試合では、強さと巧さを兼ね備えたものを感じたが、チームと連動した守備ができていたとは言い難く、攻撃から守備、守備から攻撃に移るという時の連動性というのは、確かに見られなかった。チームスタイルにこそ適さなかったが、プレーに可能性を感じたのも事実だっただけに、残念な内容と結果に終わった。

(23松木 駿之介)(SH・SB):E
出場記録(2試合0得点)

 度重なる怪我で、なかなかチームに必要なピースに成り得なかった中で、シーズン途中での期限付き移籍の流れとなった。期限付き移籍先では、4ゴールという結果を残した。JFLとは言え、得点力を証明した中で、SBなのかSH、もしくはWGとなるのか。そういったポジションの可能性を広げたシーズンとなり、運動量や積極性の武器を発揮する未来への道が見えてきた。

(25野口 竜彦)(SH・CF):E
出場記録(6試合0得点)

 狭い局面での創造性が武器の選手だが、そこをどう活かしていくのかという点で評価が難しい選手であり、運動量とスピードといった部分ではなく、技術とアイデアを発揮するというのもまた難しく、JFLでは出場機会こそ掴んだが、得点では物足りなかった。アシストやゴールという結果を攻撃的なポジションで如何に残せるかが、問われ続けている課題である。

(32福元 友哉)(CF):E
出場記録(4試合0得点)

 怪我に苦しんでいるというのが、32福元 友哉のイメージとなってきている。今季もシーズン終盤に、登録から抹消されるなど、伸び悩むというよりは、サッカーができないという辛いシーズンが続いている。力強いシュートや献身性など、岡山らしさを持っており、怪我とどう付き合うかという点で、資本となる体をしっかり作り、成長曲線を確かなものとし、内容と結果に繋げて欲しいと21シーズンも強く感じたシーズンとなった。

4、FW総括(総合編)

総合評価:B

 開幕当初は、ボール奪取後に縦に付けるというテーマの下で、18齊藤 和樹のポリバレントなプレースタイルが光った。縦パスの受け手として、1タッチで捌くプレーでのポストプレーや、左右へのスペースへ走り込んで、そこを突いていくプレーを魅せたと思えば、ボックス内で、決定的な仕事をする。躍動感があり、観ていて面白かった。

 ただ、一方でしっかり攻めて行く中で、中央に入っていくプレーや、中央に入れていくという攻撃はできていなかった。縦に入れる。そこから繋ぐ、回すということは出来ていたが、最後のアイデアや、フィニッシュへの勇気という部分では満足できる内容ではなかった。主導権を握っているのに、得点できない。そういったじれったい内容の試合が続いた。

 その中で、18齊藤 和樹が離脱すると、前線での運動量やスピード感が著しく低下した。15山本 大貴のスペースへの動きだけでは厳しくなってきた中で、20川本 梨誉が、台頭し違いを出していくこととなる。この時期から14上門 知樹がCFに回り、得点力不足打破を図る。実際に一定の効果をあげたが、一方で、2選手とも体を張るタイプのストライカー出なかった事から、どうしても引いた相手を崩すのが難しかった。

 ミドルシュートや時折見せる奇麗な崩しもあったが、なかなか得点ができない。そういった苦しい時期が続いた。怪我人が多発して言った事も重なり、チームとしてのやり繰りが大変であった。後方からしっかりチームを立て直し行く中で、38ブレネー・マルロスを獲得したが、思う様にチームにフィットせずに、19ミッチェル・デュークを五輪後に緊急補強。

 すると、チームは激変する。待望のボックス内での仕事をできるストライカー。この時から、チームの攻撃面で徐々に良くなる。20川本 梨誉の出場機会こそ減っていたが、14上門 知樹も調子をあげ、48石毛 秀樹などの加入もあり、1試合1点以上取れるチームへと変貌した。19ミッチェル・デュークが豪州代表として離脱することもあったが、9イ・ヨンジェが出場できた試合もあった。

 磐田や京都にこそ勝つことができなかったが、9イ・ヨンジェと19ミッチェル・デュークの2トップで攻めた時間には、磐田や京都に対してもしっかり戦うことができた。エース級の選手が1人いるシーズンはあったが、この終盤戦はまさにWエースに加えて、14上門 知樹や48石毛 秀樹といったMFの選手との相乗効果のロンドは、観る者を魅了した。

 最終的には、100点満点とも言える攻撃ができたが、やはり序盤から中盤からの得点力不足が響き、攻撃陣としては悔しいシーズンとなった。18斎藤 和樹、15山本 大貴が序盤に、20川本 梨誉と14上門 知樹が中盤、終盤は19ミッチェル・デューク、9イ・ヨンジェの3人が攻撃を牽引した。そういった意味では、戦力を総動員して戦えたシーズンではあるが、序盤は得点が遠く、終盤は2位との勝ち点が遠かった21シーズンとなってしまった。

 何人かの選手が残り、スペシャルな選手が、1月15日現在で、発表されており、残った主軸選手を含めて、どう序盤から勝ち点で離さないためにも、得点をしっかり決めていくことで、勝ち点を積み重ねて、新体制発表会で発信されたJ1へのうねりをどう作れるかが、問われるシーズンとなる。FWの選手達には、壁を打破する部分での活躍に、期待したい。

文章=杉野 雅昭

text=Masaaki Sugino

自己紹介
 某ゲームから野球派からサッカー派へと移籍。当時チーム名が、ジェフユナイテッド市原であった現ジェフユナイテッド千葉に興味を持つ。オシム(監督)と阿部 勇樹(選手)を中心にJリーグと代表をチェックしてきた。2008年より地元クラブであるファジアーノ岡山のサポーターデビュー。そこから、多くのファジの試合を見てきた。忘れることのできないエピソードが年々増え、シーズンを重ねる毎に想いは強く深くなり、2021シーズンは、初めて号泣。心からサッカー好きで、戦術の奥深さや、プレーの凄さなど、サッカーの本質での攻防にフォーカスを当てて、客観性と冷静さを意識した文章を投稿している。そのレビューへと突き動かす原動力は、サッカーへの情熱。熱さと冷静さを兼ね備えたフォーカスを今後も目指して、投稿を目指していくことで、サッカーの魅力の発信と、サッカーを通じた交流による、感動の共有と縁の繋がりが、楽しみ。ただ、たまに調子に乗り過ぎて失敗する悪癖もあるので、治したいとは思っている。そんな私ですが、noteやSNS、スタジアム等で、交流できたら嬉しく思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。

読んで欲しい試合レビュー
2021ファジアーノ岡山にフォーカス46 J2:第42節:ファジアーノ岡山 vs ジェフユナイテッド千葉 「有難う有馬さん、有難う椎名さん、有難うファジ」
URL:https://note.com/suginote/n/n511a1b501907

読んで欲しいまとめ
2022ファジアーノ岡山 にフォーカス2
「木山隆之新監督についての情報まとめ」
URL:https://note.com/suginote/n/na7a6e0f1028c

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自分の感じた事を大事にしつつ、サッカーを中心に記事を投稿しています。今後とも、よろしくお願いいたします。