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自転車屋さんはカメラマン

(2018.09.06 FBの記事の転載です)

「無名の人々がコツコツ創って来た何かがあると思う・・・。」
 
そう言う澤井さんは、Tetugakuyaの隣で自転車屋さんをやっているが、実はカメラマンでもある。


知人や友人のカメラマンが撮影した写真を澤井さんの視点でセレクトし、ギャラリーで展示している。
撮影者本人のセレクトではなく、あえて澤井さんが選択する写真がギャラリーに並ぶというところに、ユニークな作意が生まれる。
ギャラリーは、自転車屋の一角にある。
 
団塊の世代の一番下の年代にあたるらしい澤井さんは、学生時代から、自分より少し上の先輩たちの血気盛んに理論武装した姿を、ちょっと斜めから冷静に見ていた。
そういう時代背景もあってか、当時の先輩世代の体系立った「写真とは何か」という既成の写真論に対しても、どこか冷ややかだったらしい。
だけど、私から見れば、澤井さんも十分に、写真について、そして私達が「撮る」とはどういうことなのかを、歴史や思想、文化を背景にして、体系立てて考え、疑問にし、話をすることのできる人だ。
私はそれはすごく価値のあることだと思う。
マクロな視点で語ることのできるのも・・・。
そして、ある種突きつめて、考え、疑問にし、説明する言葉を持っていることも・・・。
目立たず、派手でもないかもしれない所で、無名の人々(私たち一人一人)の内側に、確かに、文化の輝きはある。
澤井さんのギャラリーではそう想わされるものがある。

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