サービスデザイナーによるテキストコミュニケーションのススメ
はじめに
この記事は、パーソルプロセス&テクノロジー(以後PPT)のサービスデザインGでマネージャーをやっている筆者(鈴木照人、あだ名はすーじー)が、普段のテキストコミュニケーションで気をつけていることをまとめたものです。これを読まれた読者の中には「こいつめちゃくちゃ細かいこと考えてんな!?」とか「この人神経質なの!?」とか、思われる人もいらっしゃるかと思いますが、本人はとてもざっくり&大雑把な性格です。あらためてまとめるとこんな感じか?って勢いで書いた感じですので、おおらかな気持ちで読んでもらえるとうれしいです&共感いただけるところが1つでも2つでもあるとうれしいなぁ!
パーソルプロセス&テクノロジーのサービスデザインGについて
わたしたちPPTサービスデザインGは、2023年10月に発足した生まれたてほやほやのグループ(課)です。ぼくを含め、デザイナー職能を持つメンバーで構成されていて、新規事業の創出や既存サービスの改善などに取り組んでいます。表層のデザインなどクリエイティブ制作もやるんですが、可能な限り企画の上流工程から参加して、フロントステージだけでなくバックステージも理解しながら企画の方向性を作ることに取り組んでいます。
サービスデザインについての説明はここでは割愛しますが、以下経済産業省のページに詳しく記載されていますので、興味のある人は見てみてください!(リンク先の資料はとても読みやすいです。)
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/service_design/20200420_report.html
なんでそんなにテキストコミュニケーションのことを考えているの?
企画序盤の言語化が共通認識を作るためにとても重要だからです。新規企画ではプロジェクトとして決まっていないことだらけ、みんなわからないことだらけ、という状態からスタートします。「まずなにをしなきゃいけないんだっけ?」みたいなときに、やることを言葉に起こす、それを構造化して段取りを組む、そして検討した結果を他者に伝えてもう一段深く議論する、といった「言語化」がとても大事になります。特にデザイナーにとってはビジネスのこともエンジニアリングのこともわからないことだらけですので「すいません、ちょっと僕がわからなくてごめんなさいなんですが」という枕詞を付けて恥ずかしがらずにわからないことを聞きまくって頭の整理をすることがとても大事です。
もちろん、デザイナー特有のスキルである「絵を描く(具現化する)」のも効果的な場面もあるんですが、絵を描くことはそれなりの労力が必要になり、労力をかけたアウトプットは捨てづらい、というデメリットがあります。企画序盤では、どんどん方針変更が発生するので「手間をかけずにアウトプットを作りながらコミュニケーションをとり、捨てる時に惜しまず捨てれるぐらいのものを扱うことが大事」になります。なのでだれでも簡単に起こせるテキストによるコミュニケーションが、ぼくらサービスデザイナーにとって使い勝手のいい手法である、と考えています。※すーじーのスーパー持論!
テキストコミュニケーションスキルの鍛え方は?
テキストコミュニケーションはこのようにとても大事なものなんですが、あらためて自分がそのスキルを鍛えるためになにをやっているかなと振り返ってみると、実はたいしたことをやっていないっていうのが本音です。がしかし、TeamsとかSlackとか、普段のチャットでのコミュニケーションでは、細かいことを意識しながら仕事してるなぁと思い、今回の記事を書くに至りました。
テキストコミュニケーション上手になるために
普段のチャットの業務連絡でも何気ない雑談でも、言葉を使って自分の意図を伝える、そして相手の想いを理解する、というのはコミュニケーションの基本動作です。自分がチャットを書くときに意識してることってなんだろうなと思いながら、以下につらつら書いてみます。ちょっとでも参考になればうれしいです。
注)これはすーじーが勝手に意識していることで、他者>すーじーのチャットでこれらが施されていないからといってイラっとしているとかではないです。いや、厳密にいうと「ちょっとは気になっちゃったりすることも無きにしも非ずだけど、いや、これって他の人に強制できるような話でもねぇな」って思っています。笑
①あいさつをする
これはコミュニケーションの基本。用件に入る前に、ひとこと挨拶をしたほうがいいと思います。オフィスとかで会って話し始めるときは挨拶するじゃんね。ぼくはですが、用件だけチャットでポンって言われると、あんまりいい気分しないんですけどどうなんですかね。こう思うのは細かいのかな。
そして自分が忙しいときに思わず用件だけ書き始めちゃって「あーあいさつを書くの忘れてたわ。自分いまなんか余裕ないな。落ち着こうか。」と「自分の状態を測るためのあいさつ有無チェック」っていうのがある気がしています。
②まず受け止める
相手から来た内容に対して、とりあえず自分は受け止めましたよ、っていうのを伝えるのが大事だと思います。理解できたのか、わからないことがあるのか、とりあえず教えてくれてありがとうなのか、まずは受け取り側としてどういう状態なのかを伝えるとよいのかなと思っています。
そのうえで「でもやっぱり納得できないんですけどいいすか?」みたいに反論を入れたりすると、反論された相手側も話を聞いてくれやすくなったりします。こっちも受け止めたからそっちも一回聞いてよ、って感じのキャッチボールが大事。
③リアクションはしつつ、一瞬考えて返信する
届いたチャットにはなるべく早く回答してあげたほうがいいってあると思うんですが、あんまり焦って回答するとミスるみたいなのもありますよね。そんなときのために、とりあえずリアクションボタンで反応だけしておいて「見てますー」という意思だけ相手に伝えて、ちょっと考えてから返信する、っていうのをよくやります。「すーじー、リアクション早すぎじゃね?」とか言われますが、反射的に押しているだけなので、リアクション押下時点では内容を読み込んだりはしてないです。体が勝手に反応して押しているだけ&内容はざっとしか理解していないです笑
リアクション、便利ですよね。すーじーはとりあえずサムズアップしまくる人で、既読の意味でめちゃくちゃリアクションしてます。でもこのリアクションがあるだけで「あーこの人とりあえず確認はしてるのね」ってのが伝わるので、いい機能だなと思って今日も元気にサムズアップしています。
④箇条書き、括弧書きを駆使して、文章の構造を見せる
テキストのコミュニケーションは、口語とは違って言い方や抑揚を変えて強弱をつけて内容をはっきり区切って伝えるとかがやりづらいものです。なので意識的に文章の構造を見える化する必要があります。強調したいところは括弧書きで際立たせる、並列の内容は箇条書きにする、などなど、見ただけで構造がわかるようにできると素敵ですよね。
「文章の構造化とか難しくてできないよぉ」っていう人もいると思うんですが、構造化されてなくてもとりあえず箇条書きにしておけば、文章が区切られてわかりやすくなりますので、それっぽく箇条書きにしておけばOKです。自信をもって箇条書きにしちゃいましょう。(すーじーはテキストで構造化してるように見えてで、めんどくさいからとりあえずそれっぽく箇条書きで書いている、みたいな場面がしょっちゅうあります。)
⑤文末に「・・・」表現は避ける
これは以前、当部メンバーが「すーじーさん、厳しいっすね、まじすか?」と物議を醸したものです。「文末を・・・で終わらす」は絶対やらないです。言い切らないことで結論を相手に考えさせちゃう感じがよくないなと思っています。なにかをしてほしいとか、自分はこう思うとか、堂々とはっきり書くことが大事。
この・・・で終わらせて相手に気づいてもらうみたいな姿勢を持つ、っていうのがよくないなと思っています。仕事をするうえで、なんか責任感がないなって感じちゃいます。むかしすーじーもこの「文末・・・」をやっていたんですが、当時の上司からやんわりと「やめたほうがいいよ。はっきり書いたほうがいいよ。仕事なんだから。」と言われ、これを心掛けるようになりました。あのときの部長、ありがとう。
⑥背景(なぜそれをお願いするのか?)を書く
冒頭にあった用件だけ伝えない、に通ずるんですが、なにかを依頼するときは簡単でいいので「なぜをそれをお願いするのか?」を書くとよいと思います。自分の意図を背景とセットで伝えることで、相手も「あー。じゃあこういうことですかね?これでもいい?」とか考えることができるようになります。用件だけだとそれを実行するだけになっちゃいますしね。仕事をしてるんで、お互いに考えて動けるようにならないといけないなとですよね。
⑦笑をたくさん使う
ここまでの文章を読んでお気づきの人もいるかもですが、すーじーはこんな感じの「長文」を書きがちで「固い表現」が多くなる人です。この書き方を仕事でやってしまうと「(あれ?すーじーさん、なんかキレてる?なんか怒らせちゃったかな?)」みたいな要らない誤解を招いてしまいます。リアルすーじーは「とてもテキトー&細かいことを気にしない性格」なんですが、テキスト上でのすーじーは「真面目で堅物で怖い」みたいになってしまうと、せっかく気を付けているテキストコミュニケーションが台無しです。なのでたっぷりの(笑)を添えてテキストをお届けします。チャット上でのすーじーさんは爆笑しまくりで、つねに笑っててそれはそれでなんかアブナイやつな気もしますが、怒っていないことを伝えるための、そう、ある意味必死の(笑)表現でございます。
⑧「あー、たしかに」とか口語を混ぜて柔らかくする
上記「すーじーさんは怒ってない」のためには、(笑)だけではありません。「あーなるほど。」とか「おおう、まじすか?」とか、口語表現も駆使して柔らかくすることを心掛けています。※どんだけ怒ってると誤解されやすいんだ。自分。
昔メールでコミュニケーションをとっていた時と、このチャットでのコミュニケーションって、ここが大きく違うのかもなと感じています。口語が混ざってその人らしさが表れるところ。ビジネスの現場ではこうすべし、っていうメールの書き方を説明している本とかありましたが、チャットになると個人のパーソナリティも駆使しつつコミュニケーションをとれるので、なんか面白い時代だなと思っています(感想)
⑨普段から雑談をたくさんしておく
ここまでいろいろな工夫を書いてきましたが、結局のところ「普段からちゃんと仲良くいることが大事」という、元も子もないことを言って、このTipsの最後とさせてもらいます。テキストの書き方で意識することとかもちろんありますが、人間同士のコミュニケーションの話です、要は仲がよくて意思疎通できている関係であればいいと思います。僕らの場合、デザインに関しての好みを共有し合ったり、他愛もないネタで盛り上がったり、普段から雑談をたくさんしておくのが大事だと思います。
ちなみにこれは自慢なんですが、ぼくらサービスデザインGおよび所属しているプロダクトデザイン部のTeamsは、たった13人のチームにもかかわらず、全社的にみてもトップクラスのオンラインコミュニケーション量があります。(分析機能を見てみると群を抜いている発言数とリアクション量!)ほぼフルリモート勤務のチームなんですが、Teamsでのやりとりはめちゃくちゃ盛ん、というか雑談しまくっててたまにうるさいぐらいでして、あらためて「いいチームだなぁ」としみじみしちゃいます。※チャット雑談で一番うるさいのは、そう、わたくしすーじーでございます。
さいごに
さいごまで読んでいただきありがとうございました!
つらつら書いちゃいましたが、いかがでしたでしょうか。書いた内容の中には「あーよくわかるわー」みたいなものもあれば「ええー意味わからん、まじかよ!?」みたいなものもあったと思います。ちょっとでも共感いただけたらうれしいです!
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