1着買ったら3着捨てよう―②

6着の服を捨てることになった。

3着分の捨てる服はすぐに決まったのだが、あと3着分の捨てる服を決めるのには難航した。

障害になっていたのは何かというと、愛着心だ。

どう考えても、この冬に全然着なかったアイテムが3着あった。でもそれはすべて、好きなデザイナーの服だったり、あまり着ていないため、状態がよかったり、捨てるには忍びないものばかりだった。

そういう時の選択肢はいくつかある。たとえば私が思いつくかぎりでいえば、

1、フリマに出す

2、近所のリサイクルショップに持ち込む

3、ネットのリサイクルショップに送る

4、寄付

5、誰かに譲る

などである。

フリマに出すと、顔の見える人が喜んで買っていってくれるし、少ないながら対価ももらえる。しかし私には幼い息子がいるため、ここ数年は出店が厳しい状況だ。そして転売のリスクもある。

ネットやリアルのリサイクルショップも手軽だけれど、そこで目にする現実――買った時の何十分の1という衣類の値付けにはがっかりすることが多い。そしてやはり、それを買ってくれる人=それを実際に着る人 ではないというところに、今の私は魅力を感じなかった。

残るは寄付か誰かに譲るか――。

迷った末に、今回は「誰かに譲る」ことにした。自分にとって新鮮でなくなった服が、自分の好きな誰かに「使える」と思ってもらえるか、試してみたかった。

実はわたしも、年上の友人から、何着かお古をプレゼントしていただいたことがある。その友人はとてもセンスがよく、わたしの似合うものをわたしより理解していた。新しい着こなしの提案がとてもうれしかった。

そういう経験もあり、本当はわたしも、似合いそうな人、その服を着こなしてくれそうなセンスの知人に、自分から声掛けをしてみたかった。しかし残念ながら、そこまでのセンスも審美眼も持ち合わせていないのが現実である。

わたしは、3着のニットに加え、ついでに3着の使わなくなったスニーカーの写真を撮り、Facebookで使ってくれる人を募ることにした。

……3につづく。




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