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十余年の恋が実る夏”みなと商事コインランドリー“

形容しがたいほど愛おしく、甘酸っぱく、見守りたくなるような恋愛に出会ってしまった。

人はこんなにも真っ直ぐに、純粋に、狂う程、人を愛することができるだろうか。
人は愛する人を思うあまり、愛する思いさえも覆い隠すことができるだろうか。

10年。叶うとも分からない恋心を、たった1人の相手に抱き続けるにはとてつもなく長い時間だ。

彼らの恋愛に触れてからは、夏が待ち遠しく、過ぎ行く夏がいつも以上に切なく感じる。

「みなと商事コインランドリー」
私はこの作品が大好きだ。ただそれだけを語る記事です。

どうぞ、ごひいきに。

※本記事はシーズン2の8話時点で書いております。

何に魅かれたのか?考えてみる

演じていない時さえ可愛いのか
引用元:みなと商事コインランドリー公式Twitter

冒頭で「この作品が大好きだ」と述べたが、どこが好きなんだろうか?と考えてみる。

正直なところ「フィーリング」というのが絶対的な答えだと考えてはいるが、理由として語るにはナンセンスだ。
フィーリングとは、所謂「感覚的」な部分であり「グッと来た」とか「キュンとした」というのも、大きく言えばフィーリングである。

…とすると、フィーリングであることは間違いないが、私が感じたものは「胸が締め付けられる感覚」だ。

この感覚はきっと「恋」に近いのだと思う。
私は妻にしか「恋」をしたことが無く、生涯愛し続けるのはこの人だけだが、妻を想う時の感覚に似ている。

愛おしく、狂おしく、考えるだけで笑みがこぼれる。
この作品に感じるものはこれだ。

しかし、結局のところ「何が好きか?」の核心に触れてはいない。
「なんとなく好きに勝るものはない」と「美しい彼」でそんなセリフを見た覚えがあるが、やはり具体的な感覚を共有したい。

私が感じた「胸が締め付けられる」部分を紐解いて行こうと思う。

“純粋で強欲な愛”と徐々に応える“揺れ動く愛”

ちょっとそこの隙間いいですか?
引用元:みなと商事コインランドリー公式Twitter

この作品の魅力は、2つの”愛”が徐々に交じり合う様子がもどかしくも美しく描かれるストーリー、そしてその愛を体現するキャラクターではないだろうか。

ド直球で重みのあるシンの愛、揺れ動きながらも徐々に徐々に呼応していく湊さんの愛。
時には近付き、時には離れ、ゆっくりと溶け合う様がとても愛おしい。

電話中だってお構い無し
引用元:みなと商事コインランドリー公式Twitter

シンは常に真っ直ぐだ。湊晃以外は見えていない。
「好きだ」という気持ちや言葉を、1ミリの躊躇もなく表現出来る。その人さえ、湊晃さえいれば他に何もいらない。そんな子だ。

チューしちゃえよ…
引用元:みなと商事コインランドリー公式Twitter

しかし、湊晃は正直ではない。
年の差や世間体、恋愛への恐怖、色々なものを考えるあまりシンへの感情に素直になれない。

「タイプ…だな」
間違いなく一目惚れである。

崩れ掛けの感情の中に躊躇無く入り込んでくるシンの恋心。
愛を込めた言葉達が湊晃の心を貫いていく。

「アイツは高校生、俺はアラサー」
「俺にアイツは眩しすぎる」

なけなしの理性をもって抗うも、徐々に剝がされていく。湊晃の中でシンの存在が大きくなっていく。

届きそうで届かない様な、掴めそうで追いつけないような。そんなもどかしい、歯痒い彼らの恋愛模様。

この甘酸っぱさがたまらなく好きだ。
胸がぎゅっと締め付けられる感覚が心地良い。

言葉を並べている間も観たくなってくる、そんな作品だ。

花火や浴衣以上に“夏”の代名詞に

みなしょーの夏
引用元:みなと商事コインランドリー公式Twitter

あなたは“夏”と言えば何が思い浮かぶだろうか?
海、スイカ、お祭り、花火、浴衣、蝉の声、入道雲…人によってイメージは多種多様だが、なんとなく“夏”のイメージは限定される。

しかし、この作品を観てからは海、花火、浴衣よりも“夏”を代表する言葉が“みなしょー”に置き換わることだろう。

「夏といえば?」
と聞かれたら、被せ気味で「みなしょー!」と早口で答える準備は出来ている。

夏は暑苦しく鬱陶しい、でも過ぎ去って行く時は何故だか切なく、寂しい気持ちになる。
こんな感覚を待ち遠しくなった。
そして、過ぎ去る時の哀愁は……考えたくもない。

夏には独特の感慨深さ、エモさがある様に感じる。
先程述べた“哀愁”もその一部だろう。

この作品にはそれがある。
観ているだけで、作品に身を委ねるだけで夏を感じる。

田舎の実家に帰った様な安心感とも似ている。

来年の夏も“彼ら”に会いたい。
毎年、夏にはこんなことを思っているのだろうか。

結ばれた後も酸味の抜けない甘ったるさが尊い

私にもギュッと…させてくれません?
引用元:みなと商事コインランドリー公式Twitter

ドラマ“みなと商事コインランドリー2”は前作(みなと商事コインランドリー)の続編を描いたものだ。

原作(ノベルが原点ではあるが、ここでは連載化しているコミックを原作とする)ではまだ描かれていない“湊晃”と“香月慎太郎”が結ばれた後のオリジナルストーリーを観ることができる。

1作品目は、2人が結ばれるまでの甘酸っぱい青春のような日々が描かれており、胸が緩く締め付けられるようなキュンとする感覚を常に与えてくれる。

それに比べ2作品目は、酸味の薄れた甘ったるい時間が流れる。
観ている人間の大部分が感じたであろう「こんなに幸せでいいのか?」と。

いいんだ、これがみなしょーだ。

みなしょーを味で例えるならば、レモネードが丁度良い。
1作品目は、レモンの割合多めで酸味を効かせ、その酸っぱさが後から来る淡い甘さを引きたててくれる。
2作品目は、ハチミツや砂糖を多めに入れることで甘さが際立つが、時折舌に訪れる酸味が心地良い。

みなしょー2の2人を見ていると、こちらも幸せな気持ちになる。
私は、幸せすぎて涙があふれた。
(2人とも良かったなぁ…)と親でも友達でもないのに感じてしまう。

自分事ではないにしろ、切望していた夢が叶う瞬間、その世界線に共存できると考えると、その感覚をなんとなくでも理解していただけるだろうか?

例えば、親友がずっと憧れていたプロ野球選手になった。
自分の子供が受験に合格した。

自分自身ではなくとも喜びを共有できる。一緒になって飛び跳ねて笑いあうことが出来る。
少し大げさなのかもしれないが、それ程幸せな時間を楽しめる作品である。

人を愛する尊さを再認識できる

湊家に伝わる“元気の出るおまじない”(お前のせいだろ)
引用元:みなと商事コインランドリー公式Twitter

私は妻の影響で複数のBL作品を観てきた。
小説、漫画、ドラマ。日本に限らず、タイの作品にも触れた。

そのどれにも共通して言えることは「愛が純粋」であることだ。

型にはまらないからこそ、多くの人間とは違うからこそ、真っすぐで純粋で、深い愛情があるんだと強く感じる。
BL作品は、キャラクターもストーリーも本当に魅力的なものが多く存在するのだが、私はそれ以上にメッセージ性を強く意識してしまう。

昨今“LGBTQ”といった性に関する自由が叫ばれる世の中であるが、全体から見れば少数派であることは否めない。
いくら認めていく風潮ではあっても、やはり心の底ではよく思わない人間も少なからず存在する。

そんな環境であるからこそ、大手を振って歩くことが難しい状況だからこそ、今持てる全てを賭して人を愛せるんだと考える。

みなしょーを含めBL作品に触れた後は、妻のことがいつも以上に愛しくなる。
愛せるという環境が、そばにいられるという状況がどんなに幸せなんだろうかと再認識させられる。

こんなにも尊い作品に出合えたこともまた幸せなんだと思う。

“シンみな”が可愛すぎる

いつまでも眺めていたい寝顔と2人
引用元:みなと商事コインランドリー公式Twitter

※ここからは少し文体と情緒が乱れることを断っておこう。

シンみなの尊さ。まず、これを語らずして“みなしょー”を語れまい。
この作品を観ている方なら経験があるだろうが、視聴中は口角が上がるわ、ため息が出るわ、終始「可愛い…」と呟いている気がしている(自覚は無い)。

当作品の主人公である湊晃(役:草川拓弥)と香月慎太郎(役:西垣匠)が、まぁとにかく可愛い。
俳優が好きだからという偏見を取り去っても、キャラクターとしてのポテンシャルが非常に高い。

単品での破壊力も凄まじいのに、セットになると相乗効果が著しい。画面越しでなければ命がいくつあっても足りなかったであろう。

それでは、1人ずつ魅力に迫る。

湊晃(湊さん)

全生物一可愛いアラサー
引用元:みなと商事コインランドリー公式Twitter、pixiv

“かわいいアラサー・オブ・ザ・イヤー”が催されていたら、全生物でぶっちぎりの優勝だったであろう、この男は。
その辺の乙女、いや全乙女を含めたとしてもTOP10入りは間違いない(誰だお前は)。

それほど可愛い可愛い可愛すぎな湊晃の魅力は、ズバリ「ツンデレ」である。

(うわぁ…ありきたり…)と思ったそこの君、まぁそこに座りたまえ。

湊晃のツンデレはその辺に落っこちているような「べ、別にアンタのためじゃないんだからね!」なんて生ぬるいもんじゃない。
視聴者の何人が何回「正直になれよ」と思ったことだろうか。

それほど自分の気持ちに正直になれないのだ、湊晃という男は。
年齢故か、シンを想う故か、自分の気持ちを頑張って頑張って抑え込んでいるのである。

その仕草が、表情が、まぁ…可愛い
湊さんが恥ずかしそうにする度に心臓が悲鳴を上げる。

表情の一つ一つが愛おしい
引用元:みなと商事コインランドリー公式Twitter


本当はシンのことを好きなのに、シンへのファーストインプレッションが「タイプ…だな」なのに、自分の感情を無理矢理にでも隠しやがる。正直どこまでがツンでどこからがデレなのかも曖昧なほどのプロフェッショナルである。

人懐っこくて距離感近めなのに、いざそれっぽい雰囲気になると恥ずかしくなっちゃう。そんなアラサー男子。
「ふざけてんだろ、湊晃」

可愛すぎるあまりシン君が怒るのも無理はない。

シーズン2の8話は全人類の必須科目
引用元:みなと商事コインランドリー公式Twitter

余談ではあるが…
シーズン2の8話は永久保存版だ。
「晃って呼ばねぇの?…」からの「早く…ギュってしろよ…」の流れは何年後かに美術の教科書か何かに載ってるんだと思う。

8話は何度リピートしたか分からないが、毎回新鮮な強めの刺激を与えてくれる。

ホントに、ホントにありがとう。

香月慎太郎(シン)

湊晃大好きオバケ
引用元:みなと商事コインランドリー公式Twitter、pixiv

シンの魅力は圧倒的“犬感”だ。
もう、まさにワンコ。

好きな人には全力で愛想を振りまくり、構ってもらえれば尻尾をブンブン振って喜ぶ。
その表情といい仕草といい、可愛いしかない。

目の前で遺憾なく発揮される犬感に堪えうる湊さんのメンタルを尊敬するほどである。

可愛いだけかと思ったらそうでもない。
たまに魅せるSっ気、責め感、男。このギャップにやられる人も多いのではないだろうか。

急なタメ語と強気な態度は惚れる
引用元:みなと商事コインランドリー公式Twitter

男でもドキッとする程だ。

しかし、それらを差し置いても特に魅力的と言えるのは“愛の重さ”と“純粋さ”。これらもまたシンの魅力であるが、ストーリー、みなしょー自体の魅力にも繋がる部分である。

ただただ真っ直ぐに、純粋に、強く想い続ける“愛情”。
時に微笑ましく、時に息苦しくなるほどの愛が私の胸を締め付けてやまない。

本当に素敵な作品(まとめ)

どうか幸せであってくれ
引用元:みなと商事コインランドリー公式Twitter

結論として「みなと商事コインランドリー」は本当に素晴らしい作品だ。
この作品に対して心の底から「好きだ」と感じ、観ている際には笑みも涙もこぼれた。いや、今もそうだろう。

こんなドラマに出会ったことはない。
本当に本当に大好きな作品だ。

「キュンキュンしたい」「恋愛ものを観たい」「夏を感じたい」そんな方々には是が非でも勧めたい作品である。

先にも述べたが、本作品はBL作品だ。
性について多様性が認められつつある世の中ではあるが、本質的に本当の意味での理解には程遠いものだと考えている。

それ故に、本作品が少しでも埋もれてやしないか、見えないようになっていないかと心配になる。
あくまで個人の考えは自由だ。好き嫌いは否めないのは事実だが、毛嫌いで素晴らしいコンテンツへ出会う機会を失ってほしくもない。

BLを既に好きな人にも、BLというジャンルを知らない人にも触れてほしい。
この魅力がより多くの人に伝わってほしい。

本記事の目的はこれに尽きる。

シーズン1,2と続けてくれたことに海よりも深く感謝している。
イベントも開催し、ポップアップストアも出店し、数多くの雑誌でインタビュー記事を掲載してくれて本当に嬉しい。
我々は潤うばかりである。

ポップアップストアありがとうございました

しかし、やはりもっと見たくなるのが、強欲になってしまうのが人間である。

“映画化”…これを切に、切に望んでいる。
是非ともスクリーンで湊晃と香月慎太郎の幸せな時間を拝みたい。

なんなら舞台挨拶、グッズ、イベントなんて更なる欲も沸いてしまう。

シーズン2とは言わず…3でも4でも…

…と、こんな欲を吐き出したところで、この記事を終わりにしようと思う。

みなしょーの魅力よ、もっともっと広まってくれ
全人類にこの魅力よ、伝われ

ここまで読んでくれた方々がいるのであれば、深く感謝申し上げます。

「ありがとさん」

P.S.
9話以降はお通夜なので、この幸せを詰め込んだ記事には入れられませんでした。
そちらはまた別の機会に。

心が空っぽになった水曜日
引用元:みなと商事コインランドリー公式Twitter


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