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獲物の分け前~「ミュージック・ステディ 1986年4月号」編。

 このところ忙しい中、ネット通販で色々と欲しいものを買い漁っていました。
不謹慎の極みだなと思いながら、そうしないとストレスに押し潰されかねなかったというわけです。
まだまだ落ち着かない日々は続く予定ですが、入手したものについて紹介する程度の時間はありそうです。
それでは行ってみよー。

・「ミュージック・ステディ 1986年4月号」(ステディ出版)

 この号が「ミュージック・ステディ」の創刊当初からのサイズは最後になるのでした。
この号から本来は版型が変わる予定だったことが誌面で触れられていますし、徹底研究・MUSICIAN FILEが載っていないことで明らかだったといえるでしょう。

 この号の表紙とロング・インタビューは甲斐よしひろさん。インタビュアーは萩原健太さんですね。
この時期のNHK-FM 「サウンド・ストリート」の水曜、甲斐さんが担当していた番組のスタッフが萩原さんだったのでした。
甲斐バンドのラスト・アルバム『リピート&フェイド』についての取材なんですけど、甲斐バンドについて冷静で適切な質問を続けている意味は大きいです。
バンドというよりプロジェクトに近くなっていたのではないか?や、エンジニアの選択についての部分はかなり胸に迫るものですね。

 続く浜田省吾さんと杉真理さんの対談は毎度毎度の興味深い内容です。
日本の音楽シーンの中での自分たちの位置について語り合うのは、お互いの今後を考えると意味があるということだと思います。
特に杉さんはミュージシャン同士のつながりを重視したかった時期でしたからこそ、「Key Station」や「I DON'T LIKE POPS」という楽曲を製作~発表したということなんでしょうね。
現在、それらの楽曲があまり評価されてないのはやっぱり残念ですね。

 そして、ラフィン・ノーズのインタビューやスタークラブのグラビアが掲載されているのは、やはりパンク・ロックが市民権を得るようになったことが大きいです。

 勿論、創刊当時からピックアップしていた大貫妙子さんやムーンライダーズのインタビューも興味深いですね。
偶然にも両者とも音楽以外の部分を含んだソフトを発表した時期でもあるので、インタビューでもその点に触れています。

 「ミュージック・ステディ」はプロモーション・ビデオやカセット・ブックなど、新しい作品の表現について模索していたから、その辺の作品を発表するミュージシャンと何かやりたいと目論んでいたのかと考えていた私です。
それと、ポータブル・ロックは化粧品のCMに新曲「春して、恋して、見つめて、キスして」が使われ、アルバム『QT』に同曲を追加した『QT PLUS ONE』が発売された時期なので、それに関するインタビューでした。

 締めは名物コーナー「日本音楽全史」ザ・ロッカーズで一区切りです。
「ミュージック・ステディ」の創刊号には陣内孝則さんがザ・ロッカーズのメンバーとしてインタビューされているのを思い出すと感慨深いですね。

 「ミュージック・ステディ」研究はまだまだ続きますが、さすがになかなか手に入らない号が多くなってきました。
それでも諦めず探し続けますので、お楽しみに。

 ではまたー。


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