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高木完/ダイヤルMをまわせ!~隠れ名曲、名演コレクション。

 昨日取り上げた「星くず兄弟の伝説」の主役、スターダスト・ブラザーズの一人高木完さん(当時は高木一裕名義)のシングル「ワンダー・ウォーク」のカップリング曲「ダイヤルM」を取り上げます。
この曲、実は高木さんがやっていたバンド、東京ブラボーの代表曲のセルフ・カヴァーです。

・高木完「ワンダー・ウォーク/ダイヤルM」(WPC6-8470/ワーナーミュージック)

 東京ブラボーとは高木さん、ギターの(その後マッスル・ビートに参加し、ピチカート・ファイヴのサポートをした)ブラボー小松さん、キーボードの(後にミュート・ビート、チャーディ・ボーイズに参加した)坂本みつわさんで結成され、当初はリズム・ボックスを使用していましたが、ドラムスに(現在ハルメンズ、ジョリッツで活動中の)泉水敏郎さん、ベースに(元スペース・サーカスで後にPINKの)岡野ハジメさんが参加するようになり、バンドへと変化していきました。
録音を重ねたのは1982~1983年頃で、カセット・ブック「TRA」に作品が収録され、知名度が上がった模様です。

 ちなみに東京ブラボーの名前を私が知ったのは、例によって「ミュージック・ステディ 7号」の特集、「ON THE ROAD AGAIN」で紹介されたのを見たからですね。そういえば「ミュージック・ステディ 6号」のカラー・ページにも載っていた記憶があります。
ちなみにその特集で並んでいるのは(スターダスト・ブラザーズのもう一人、久保田しんごさんの)サニィ久保田とクリスタル・バカンスというのは因縁というか、偶然というか。

 実は泉水敏郎さんのソロ・アルバム『Life Style』やネオGSのレコードをリリースしたミント・サウンドは東京ブラボーのレコードを出すために設立したらしいのですが、権利関係で結局は出すことができなかったのです。
結局、1990年にソリッド・レコードから『東京ブラボー』という形で発売されるまで幻のバンドだったというわけですね。

・『BEST OF SOLID VOL.2』(CDSOL-1029/ソリッド・レコード)
東京ブラボー「ダイヤルMを廻せ!」、「今宵ダンスミーティング」を収録。
画像をタップすると、東京ブラボー「エレキでスイム」のTV映像を見ることができます。

 1985年に映画「星くず兄弟の伝説」が公開された後、高木さんは藤原ヒロシさんとタイニー・パンクスで活動するようになります。
彼らは近田春夫さんのBPMレーベルから作品を発表していますね。
タイニー・パンクスは日本のヒップポップシーンの顔役であるだけではなく、雑誌「宝島」の連載ではサブカルチャーの牽引役でもありました。

 1991年、高木さんはアルバム『フルーツ・オブ・ザ・リズム』でソロ・デビューします。
そして、1999年5月12日にシングル「ワンダー・ウォーク/ダイヤルM」を発売しました。
「ダイヤルM」には東京ブラボーのほとんどのメンバーが参加しています(ドラムスの泉水敏郎さんは不参加、元PAPA~山下久美子さんや吉川晃司さんのバックバンドだった、花田裕之バンドの椎野恭一さんが代わりに参加しました)。
歌詞カードを見ると「ダイヤルMをまわせ!」と「リダイヤルM」が収録されているということで帯やジャケットには「ダイヤルM」と表記されたようですね。

・高木完「ワンダー・ウォーク/ダイヤルM」の歌詞と参加メンバーのクレジット

 東京ブラボーの「ダイヤルMを廻せ!」も素晴らしいんですが、高木さんのソロとしての「ダイヤルMをまわせ!」はそれに勝るとも劣らぬできで最高です。
東京ブラボーとしての「ダイヤルMを廻せ!」は『東京ブラボー』と『BEST OF SOLID VOL.2』収録曲で知られている割には、高木さんのソロ・ヴァージョンはあまり知られていないように思えるので、今回紹介することにしました。

 我ながらいい選曲ですね。明日も「星くず兄弟の伝説」関係にするかどうか考え中です。

 ではまたー。

 


 

 

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