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読書日記~「ミュージック・ステディ1983年10月号」編


 昨日、出てきた音楽雑誌袋の中から「ミュージック・ステディ」が月刊化された号が久しぶりに出てきた感じがしたので、読んでみることにしました。
色々と思い出がつまっている号なので、ちょっと次回がかかってしまうかもしれません。
じゃ、行ってゆよー。

・「ミュージック・ステディ 1983年10月号」(ステディ出版)

 この号の表紙は徹底研究・MUSICIAN FILEで取り上げられている大貫妙子さんですね。
写真は最初アルバム『SINIFIE』のジャケットで使用料されたアーティスト写真です。
ちなみにこの号から月刊化されたわけでして、定価はなんと480円(!)。1983年当時としてもかなりリーズナブルに感じましたね。

 カラーグラビアは甲斐バンドのTHE BIG GIGの模様が。
これはまだ田中一郎さん加入前のライヴですね。ちなみにこのライヴを水道橋博士が観ているというのは博士のツイキャスを熱心に見ていた人なら知っているはずです。

 巻頭インタビューはアルバム『あの頃、マリー・ローランサン』についてのことを中心に語る加藤和彦さん。
しかも、インタビュアーはZELDAの小嶋さちほさん。
取材日に撮影されたらしき写真とレコーディング風景などかなり興味深い内容になってますね。
高橋幸宏さん、矢野顕子さん、高中正義さんにウィリー・ウィークスの写真はかなり貴重だと思います。
加藤さんと小嶋さんのやりとげも興味深い内容で、映画「だいじょうぶ、マイフレンド」や「探偵物語」などについて語るのは珍しいかと。
他にも加藤さんのアート観やワーカー時代あとの違いなど、加藤さんの中でも屈指のインタビューですね。
これは加藤さんファンなら必読で、日本海のロック・ポップスファンならなんとかして読んでほしい内容です。

 続いてはアルバム『SALVAGE(浚渫)』についてのPANTAさんインタビュー。
アルバム『唇にスパーク』については(「ミュージック・ステディ」では)インタビューされなかったわけですから、PANTAさんがまたハード路線に戻っていくきっかけでのアルバムという意味もありましたから、かなり重要ですね。
ただ、PANTAさんはPANTA&HALの後すぐにこれをやったら、「後退だった」と話しているのが非常にらしいです。

 引き続きの中原めいこさん、秋本奈緒美さんに麻生小百合さんインタビューはシティ・ポップスやライトめのジャズ・ブームを取り上げたということなのでしょうね。
中原めいこさんはともかく、秋本奈緒美さんや麻生さん辺りがグラビア展開もしつつ、軽めのジャズでそこそこ盛り上がっていたのはリアルタイムで体験しないとわからないですよね。
私もそれにのっかる形でレコード買ってたりしていたのはお恥ずかしい限りです。。すみません。

 更に引き続いて、「ドキュメント・ロック・フォト」という形で山下久美子さん、浜田省吾さん、高橋幸宏さん、EPOさんにARBといった顔ぶれと、EDPS、オートモッド、アレルギーに戸川純さんというインディーズ寄りの顔ぶれを取り上げています。
この辺は近い将来のステディの方向性をしめしてますね。

・「ミュージック・ステディ 1983年10月号」の裏表紙~大貫妙子『SINIFIE』の広告

 MUSICIAN FILE・徹底研究は大貫妙子さん。 
実は「ミュージック・ステディ」で一番徹底研究されているのは大貫さんかもしれませんね。
最初に徹底研究されてから追加取材を重ねたり、情報を追加し続けたというので精度が毎回向上していったのです。

 「ミュージック・ステディ」初代編集長の市川清師さんがJICC出版というか雑誌「宝島」周辺で仕事をするようになって、大貫妙子さんの単行本を出す企画があったものの実現はしませんでした(ムーンライダーズの「フライトレコーダー」と同様もしくは近い形だったと推測しております)。

 まだまだ近田春夫さんのゲートボールや泉谷しげるさん、遠藤賢司さんのインタビューがありますから、その濃厚さは圧巻です。

 この号が発売されてから40年。リアルタイムの読者だった私は読み返すと非常に感慨深いものがありますねー。
こうして振り返る意味はちゃんとありました。そんな感じです。

 ではまたー。


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