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情報収集で「偏食」していませんか?

リサーチって効率的にやりたいですよね。

そのためにはいわゆる仮説思考が大切です。

リサーチによって「何を証明したいのか」の仮説をはっきりさせ、どんな情報があれば証明できるかアタリをつけてから、リサーチに取り掛かる。

そうすれば「たくさん情報を集めたけど、けっきょく何が言いたいんだっけ?」みたいなことも防げます。

でも、ちょっと待ってください。

そもそも「いい仮説」をつくるにはどうすればいいのか。

そのための情報は「効率的なリサーチ」からはなかなか得られません。効率を追求していると、仮説の精度はむしろ下がったりします。

リサーチには2種類ある

私はリサーチの目的は2種類あると考えています。

①仮説を「検証」する
②仮説を「構築」する

①は効率的にリサーチをしたほうがいいパターン。どんどん検証して、ダメなら次の仮説にいく。そのスピードが大切です。

いっぽうで②は、あまり効率を求めないほうがいいです。

仮説とは、頭の中のさまざまな情報を組み合わせてひらめくもの。『アイデアのつくり方』という本では、アイデアを思いつく仕組みについて次のように説明されています。

「アイデアをひらめくためには『ひたすら情報を集める』しかない」

「その情報を整理・蓄積し、嫌になるほど考えた後に、天から降ってくるようにアイデアが生まれる」

情報の蓄積や整理の方法は紹介されているのですが、集め方については「ひたすら」としか説明がありません。

仮説「構築」のリサーチでは、効率的な近道はないと考えたほうがいいでしょう。

仮説検証 → 効率的なリサーチ
仮説構築 → ひたすらリサーチ

目的によって、リサーチの性質は大きく変わることを意識しておいたほうがいいです。

シャワーのように情報を浴びる

コンサルティングプロジェクトでも、仮説を作る段階ではシャワーのように情報を浴びます。

書籍や業界誌を片っ端から読むのはもちろん、小売のプロジェクトであればお店に張り込んでお客さんを観察したり、食品のプロジェクトならまずはひたすら食べたり(太ります笑)。

顧客インタビューも、仮説構築の段階では一問一答にはしません。

「この商品のどこが好きですか?」みたいな質問じゃなくて、その人の生活スタイルや嗜好を知るための投げかけをしていく。マーケティングで顧客インサイトを導くとき、アンケートではなくインタビューを用いるのも仮説構築のためですね。

こういう「ひたすら系」のリサーチは、すごく愚直です。でも、その中で仮説が生まれて、はじめて効率的なリサーチに入ることができます。

さらに、効率的なリサーチの中で出できた「一見ムダな情報」も取っておくと後で別の仮説をつくるときに役に立ったりします。

効率性を追求する場面と、あえて愚直にやる場面をきちんと使いわけることが大切です。

毎日触れる情報があなたの頭をつくる

「ひたすらリサーチ」を仕事の時間だけでやろうとするのは、どうしても限界があります。

やはり、普段からの情報の蓄積が大切です。

必ずしも「ニュースを見る」ということだけではありません。

話題のスポットに行ってみたり、映画やドラマを観たり。そのすべてがインプットになります。

これは賛否あるかもしれませんが、私は興味のないものを無理にインプットしなくてもいいと思います。

なぜなら、興味がないと「問い」や「発見」が生まれないから。興味のないものをがんばってインプットしても、頭に残らずに流れてしまうものです。

純粋な興味でインプットするほうが、自分のセンサーにいろんなことが引っかかって、思考が進むと思います。

そして、SNSはちょっとだけ注意したほうがいいと思います。

SNSの「誰かの意見」も大事な情報です。でも盲目的に取り入れるのではなく「それ、本当?」の精神を持って接するのがいいと思います。そして、できれば一次情報も積極的に取りに行きましょう。

そうすることで、極端に偏ることのない情報収集ができていくと思います。

体づくりで普段の食事のバランスが重要なのと同じように「頭づくり」でも普段から触れる情報のバランスがモノを言います。

蓄積された情報すべてが、人生のどこかであなたを助けてくれる可能性がある。だから、楽しくバランスよく、いろんな情報に触れるのがおすすめです。

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