見出し画像

【ネタバレ有】『トイ・ストーリー4』から学んだ3つのこと


映画「トイ・ストーリー4」を見ました。

期待した以上に感動の連続で、今までの3作よりも大人向けのメッセージを感じる良作でした。

と思っていたのですが…
実は賛否両論らしく、別の場所で見たディズニー大好きの親友も納得できなかった様子でびっくり!

せっかくなので「自分が何を学んだか」をまとめてみようと思います。

どうしてもネタバレになってしまうので、まだ見ていない方・結末を知りたくない方は回避して下さいね。



1. 「大切にする」とは?

今作では「フォーキー」という手作りおもちゃが登場。

プラスチックのフォークとモールなどでボニーに作られたそれは、工場で作られた正規のおもちゃではありません。

本人は自分がゴミだと思い込んでいるため、隙あらばゴミ箱に飛び込んでしまいます。それを何とか止めたいウッディは、夜道を歩きながらフォーキーを説得。

フォーキーはゴミ箱の中にいると安心すると言い、ウッディは
「それと同じさ!ボニーも君と一緒にいると安心するし、君がとても大切なんだよ」
と訴えかけるのです。(正確なセリフではありませんが…)


この一連の会話を聞き、「大切にするとは一体何だろう?」と考えました。

画像1

長く手元に残すこと、一緒にいることだけが「大切にする」ことではありません。

たとえ1日や数日という短い間であっても、大切にすることは可能。一瞬が永遠のように感じられることだってあるのですから。

肝心なのは気持ちの持ち方。その対象のことを沢山考えて心の拠り所としているなら、それも1つの「大切にする」方法なのかもしれません。

気持ちがないまま手元に置いておいても、残念ながら特に意味はないのではないでしょうか?



2. 変化は悪くない

ラストで、ウッディは以前の3作で頑として譲らなかった
「おもちゃは、特定の子どもの家で遊んでもらってこそ幸せなのだ」
という価値観を手放します。

おそらくこれが、今作を否定する方達に大きな影響を与えているのでは?と思います。


もちろん、特定の子どもと遊んでもらうことは、おもちゃにとって本来の幸せでしょう。

ただ、児童センターに置かれたおもちゃ・売場でいつまでも売れ残るおもちゃなど、世の中には特定の子どもに遊んでもらえないおもちゃも当然あるわけで。

それを否定するのはどうなのかと、以前から少し感じていたのです。


また、誰もがアンディのようにおもちゃを大切にする訳ではありません。

周りを見渡す限り、残念ながらあれほど大切に扱える子はいない様子。

現代はモノや刺激に溢れていて、おもちゃ以外にもテレビ・ゲーム・漫画・お出かけ・遊園地・ペットなど、子どもを喜ばせるモノが沢山あります。

それなのにアンディとウッディの絆ばかり描かれてしまうと、罪悪感を持ってしまう大人や子どもがいるのでは…と懸念していました。


案の定、「トイストーリーを見るとおもちゃを捨てられなくなる」と言っている友人も数人いました。

ただ本気でそうしたいなら、大事にできるおもちゃだけを手元に置くようにし、何世代にも渡って譲るサイクルを作るべきなのです。

それができず結局次々と買ってしまうのなら、おもちゃを手放すのは仕方のないこと。

「手放した後も子どもと遊ばれない時も、おもちゃとしての幸せがあるかもしれない」という描き方は、救いがあると感じました。



また私には、別の意味でウッディの変化が好ましく映りました。

「人はいつでも変われるし、どんどん変わっていいんだ」
という強いメッセージに感じられたからです。

人は変わります。立場が変わり、仕事が変わり、子どもができ、歳を取り、…と過ごしていくうちに、その人を形作っていた根本的な価値観すら変わってしまうこともあります。

でも、それでいいのではないでしょうか?


誰しも「現状維持が楽」という気持ちを持っているので、変化を怖がったり億劫になったりすることもあります。

けれど変化は決して悪いものではなく、人を違う場所へ連れて行ってくれたり成長させてくれたりもします。

この結末で「変化は悪くないよね」と思えたのでした。


3. おもちゃやモノとの関わり方

トイ・ストーリーはおもちゃにスポットを当てていますが、基本的におもちゃは社会に「こども」という概念が作られた時代以降に生み出されたもの。

それ以前はほとんどなかったものでしょうし、現代でもおもちゃではないモノを拠り所にする子どもも。

うちの娘はピンクのバスタオルを3年以上も大切にしていますが、時々似たような子を見かけます。
私自身は好きなおもちゃはありませんでしたが、とにかく昔から活字が大好き。

持っていると安心できるモノがあるって、素敵なことですよね。そして、その対象はモノではなくコトだったり人だったりすることも。

整理収納サポートに行くと、ほとんどの方には「どうしてもこれらは捨てたくありません」というモノがあります。

そんな風に、大人でもどうしても手放したくないモノはあるわけで。

今作のフォーキーの誕生の仕方を見ていると何に命が芽生えてもおかしくない気がして、「モノもおもちゃも変わりなく大切にすべきなのではないか」と思ったのです。



逆説的かもしれませんが、モノを大切にするためには、まずモノの全体量を減らす必要があります。

管理不能な量のモノを溜め込んでいても、残念ながら「モノを大切にすること」にはならないのです。

大量生産大量消費の現代であっても、できるだけモノと誠実に関わっていきたいと思ったのでした。



(オマケ)世界一幸せなおもちゃ、ウッディ

私が「トイ・ストーリー」を最初に見たのは子ども時代。父と妹と3人で映画館に行ったことを覚えています。

その時は、まさかこれがシリーズになり、ここまで感動させられるとは夢にも思っていませんでした。

今作は賛否両論あるようですが、それだけ人々のシリーズへの愛が大きいということ。

多くの人に愛されるウッディは、世界一幸せなおもちゃなのかもしれませんね。

沢山の気づきを与えてくれた「トイ・ストーリー4」、どうもありがとう!


※この記事は2019年8月に自分のブログに掲載した文章を修正したものです。ブログ閉鎖準備の為、この度noteに移しました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?