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注文住宅を建ててみた。

一年前、私は注文住宅を建てた。元々、新築には懐疑的かつ反対派ではあったのだが、縁があり、そういった流れとなった。更の土地を購入したので、必然的に注文住宅を建てることとなり、設備、間取り等々、妻と一生懸命、理想の自宅について考えた。その結果、自分たちにとって快適な家に仕上がったと自負しており、一年経った今でもそう感じている。これから家を購入する人にとって参考になれば良いと思う。

3階建てじゃなくてよかった。移動、掃除が辛い。

我が家は2階建て、延べ面積約87㎡だ。3階建ても建てられる地域だったのだが、実のところ予算が足りず、2階建てとしたのだが、今となってはそれでよかったとおもっている。なぜなら3階建てとなったら、掃除がつらすぎるからだ。

私の実家はマンションだったので、自宅内の移動は平面移動のみで、垂直移動はなかった。実家ぐらしのときは戸建てへの憧れはあったのだが、今となっては当時の平面移動がいかに楽だったかと痛感している。正直現在の2階建てでも、上下の移動が面倒くさい。特に掃除が面倒だ。2階のリビング、洗面所、トイレを掃除した後、階段を下って、1階を掃除しないとなのだが、ひと休憩いれたくなる。これが3階建てだったら・・・・掃除しなくなっていたかもしれない。

玄関を広くすると豊かな気持ちになる。

我が家は延べ面積87㎡くらいなので、一戸建てとしては、平均より少し小さいくらいだと思う。にもかかわらず、玄関はおよそ1坪(1.8m×1.8m)ほどの大きさを確保し、シューズインクローゼットを設けた。玄関が広いと、帰ってきたときに豊かな気持ちになれるのと、実際の自宅より少し立派な自宅なのかと錯覚を起こすことがある。しかしこれは良い錯覚だと思う。また、お客さんが来たときに、玄関が広く、すっきりしていると印象もよい。仕事で疲れて、帰ってきて一番最初に自宅に入った玄関が狭く、靴がごちゃごちゃしていたら、ほっと一息つけないとおもう。玄関というのは家族みんながほぼ毎日つかう空間だからこそ贅沢にしたいと思っていた。

延べ面積87㎡くらいが生活する上での適正面積。

新居に住んで1年たち、ここ最近思うのだが、自宅が今以上に広くなったら、掃除が間に合わない、と思った。夫婦二人、子供一人の3人家族の生活において、掃除を滞りなく出来て、生活できる最大の自宅の大きさがこれくらいなのではないかと感じている。私の1歳の息子が手づかみで食べ物を食べる練習をしているのだが、ポロポロこぼしたり、お米をつかんではぶんなげたりするのである。それはそれでしょうがないことなので、毎日掃除をするのだが、それがなかなか大変なのである。床に落ちたこめつぶをだれかが踏んでしまうことも多々あり、こめの汚れが周りにひろがってしまうので、それを雑巾で毎日拭き取るのだ。夕食後、17帖のリビングを這いずりまわって潰れたこめつぶを掃除するのだが、これが30帖だとしたら、掃除するモチベーションを保てないと思った。広い家に住むのはそれはそれで快適なのだが、そのためには日々のメンテナンスがそこそこに必要となる。

便所は窓なし。

これは人それぞれかもしれない。窓がないと換気ができないじゃないかという人もいるが、換気扇があるので問題ない。トイレという極めてプライベートな空間は閉鎖的な方が安心できると個人的には思う。

ハウスメーカーにおまかせにしていたら、絶対に良いプランは出来上がらない。

これは決してハウスメーカーが力不足だとか、そういう意味ではない。
「住みやすく快適な家」というのは人それぞれ、異なるからだ。ハウスメーカーの営業や設計はプロなので、住宅については建主より熟知しているが、建主にとってどういうプランが住みやすく快適な家なのかどうかまでは、知らない。一般的に住みやすく快適な家、というのがその建主にとって住みやすく快適な家とは限らないからだ。建主にとってどういった間取りが住みやすいのかは、しっかりと建主自身が考えぬき、それをハウスメーカーに伝え、図面に反映させるべきである。最終的に失敗だと感じる間取りがあったとしてもそれは自分自身の責任として受け止めるべきである。そしてそういう気持ちで事前にプランを考えれば、住み始めて後悔するような事柄というのは少ないはずである。結果として、我が家のプランは、私と妻で考えた間取りそのまんまとなった。この考え方というのは、ハウスメーカーがローコストメーカーだとしても、大手高級ハウスメーカーだとしても同じだと思う。
夫婦で考え抜いて、頭に描いた住みやすい理想の家。それを図面に落とし込み、いざ工事が始まり、形となって出来上がっていく様子はとてもワクワクしたし、完成し、外観を眺め、中にはいったときにはそこそこに感動した。

しかしながら、もう一度同じ経験、つまりは注文住宅を建てることをもう一度したいか、と聞かれれば、もう二度とやりたくないと思う。時間も食うし、最終的な支払い金額もなかなか確定しないのでヒヤヒヤするし、とにかく疲れる。本当に理想的な家ができあがるのだろうか、と心配しっぱなしだった。前は建売住宅を買う人の気持がわからなかったが、今となってはわかる。

良い設備や建材を選択すればコストはあがるが、よりよい間取りやプランを追求すること自体がコスト増と直結するわけではない。また、その当人にとって不要なものを削ぎ落とすことでコストカットできる場合もある。これから建てようとする自宅のことを考え抜くことで、建主にとっての価値が高まっていく。そこは注文住宅ならではの面白みだと思った。



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