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【はなのうた】ひらひらとニセアカシアの影法師むかし話の中の父やも

大木をしならせるほどに咲くニセアカシアの花。
甘く薫る風に揺れる木漏れ日が
ひらひらと舞う蝶のように見えた昼下がり。

この蝶はもしかしたら亡き父なのではないだろうか。
いつもは通り過ぎてしまうのに
車を停めて木の下で心を澄ませる。

『ニセ』などと誰が名付けたか。
美しく香り確かにここに在るのに。

母のむかし話は寓話ではないのだ。


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