34歳独身女性が不倫にハマった言い訳

※この小説は2016年に連載を開始したものであり、当時の世相を反映し、絶妙にダサく古臭いと思われるものも散見されます。
それに輪をかけて、百鳥ユウカは痛い女ですので、精読に耐えないものがあるかもしれません。

しかしながら、編集部および著者の見解として、当時の貴重な文化遺産的な側面を評価し、連載当時のまま掲載いたします。
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「モモちゃん、何してんの? それ不倫じゃん」

スポンジボブのTシャツ、もう暖かい季節なのにニット帽、穴だらけのデニム。大きめの伊達眼鏡。

手にはいつもの一眼レフ。どこからどう見ても、ソレっぽい女が言う。

カメラ女子なんて言葉も古びた感もあるが、彼女はそのブームがやってくる以前から、ファインダーを覗いていたとしきりに言う。

「私のカメラは◯◯◯だよ」

いつも聞いている言葉だが、私はまったく興味のないことなので、うまく聞き取れない

彼女の名前は、一ノ瀬しおり。高校時代からの友達だ。
女友達なんて、気を抜いて付き合っているから、私に女友達は少ない。しおりみたいに適当な人間じゃないと続かないからだ。たまに会って、お互い、自分のしたい話だけをして相手の話は聞き流し、美味しい食事とお酒を食べて飲む。

そして、話したことはすっかり忘れる。まったくもって、精神衛生上、健康な集まりだ。

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3,826字
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