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大学院の学費っていくらぐらい?国立理系大学院卒の筆者が経験談を紹介!

主に理系の大学生で大学院への進学を考えている人は多くいるでしょう。
大学院に進学するとより深い知識を学び専門性の高い人材になれることに加え、研究活動を通じて社会で活躍するための多くのスキルを身につけられます。
企業の研究職を志望する学生にとっては、大学院生であることは就職活動においてもアドバンテージになるでしょう。
しかし、大学院への進学には多くの費用がかかることも事実です。
「進学にどれくらいお金がかかるか分からない」
「金銭面から親に認めてもらえるか不安」
「奨学金を借りるのは少し怖い」
こういった学生も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、大学院の学費など必要なお金についてとその準備方法を伝えます。
また大学院に通っていた筆者の体験談も紹介しますので、ぜひ最後までお読み下さい。


大学院の学費は100万円以上!生活費もあわせるといくら必要なの?


ここでは、大学院に通うのにどれくらいのお金が必要なのかを紹介します。
結論からいうと、大学院の修士課程2年間では国立の大学院で最低350万円程度、私立の大学院への進学を考えているのであればそれ以上の費用がかかります。
大学院でかかるお金のほとんどは学費と生活費です。
逆にそれ以外の費用はほとんどかかりません。大学に入るときのようにPCなどを買うこともなく、内部進学の場合は引越しもないため生活スタイルは基本的に同じです。
そのため、まずは学費と生活費をどうやって準備するかを考えましょう。
それぞれの詳細について以下で説明します。

学費(入学金・授業料)について

・国立大学院の場合
国立の場合、どの大学院に進学しても学費は同じです。入学金と授業料は以下の通りです。

修士課程2年間で135万3,600万円かかるということが分かります。

・私立大学院の場合
私立では大学院ごとに学費が変わるため、志望する大学院が公表している募集要項などをよく確認しましょう。文部科学省の調査によると一年でかかる費用の平均は以下のようになっています。

引用 文部科学省「令和3年度 私立大学大学院入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果について

生活費も大きな支出項目

学費と並んで大きな費用となるのが生活費です。
日本学生支援機構の調査によると一人暮らしの大学生の年間生活費の平均は110万8,400円とされています。これは1ヶ月で約9万2,400円という計算です。ちなみに私は都内で一人暮らしをしており、平均程度の生活費でした。
参考:独立行政法人日本学生支援機構「令和2年度 学生生活調査報告」

大学院の費用(学費・生活費)の準備方法5選


大学院に通うための費用が分かったところで、ここではその費用をどうやって準備するかについて5つ紹介します。
1.大学の制度を活用
2.日本学生支援機構の奨学金を借りる
3.民間の奨学金制度を活用する
4.良いアルバイト先を見つける
5.学部生のときから少しずつ貯金する
この5つは筆者や周りの友人・先輩が実際に利用していた方法です。学費など学生にとっては大きな金額に感じてしまいますが、きちんと情報をもって着実に準備をすれば問題はありません。

1.大学院ごとの学費免除制度を活用しよう

まずは大学の制度を確認しましょう。大学では成績や一定条件を満たせば入学金や学費の全額または一部が免除されることがあります。こうした情報は学内で定期的に発信されているためチェックしておきましょう。
ただし、学費の免除は学業の成績や家庭の所得などの一定条件をクリアしていなければいけない場合が多いです。そのため誰でも利用できる制度ではないということは理解しておきましょう。

2.奨学金なら日本学生支援機構の第一種奨学金!

2つ目は日本学生支援機構の奨学金制度です。これは筆者が実際に利用していた奨学金であり、大学院への進学を考えている人にはおすすめしたい制度です。この奨学金制度をおすすめする理由は以下の3つがあります。
1.他の奨学金と比較して借りやすい
2.第一種奨学金は無利子で借りれる
3.業績しだいで全額または半額の返済免除がうけられる
それぞれ解説していきます。

1.民間の奨学金と比較して借りやすい
一般的に奨学金は借りるために一定の条件を設けており、日本学生支援機構の奨学金にもあてはまります。しかし、日本学生支援機構は奨学金は希望すれば高確率で借りれる制度です。
筆者も決してお金に困っているという家庭環境ではありませんでしたが、それっぽい理由を書いて申請をしたら問題なく通過しました(申請が落ちた人は筆者が知る限りではいません)。
借りやすいので、学費を準備する手段として計算しやすいのが大きなメリットですね。

2.第一種奨学金は無利子で借りれる
これが日本学生支援機構の奨学金をおすすめする最大の理由です。一般的にお金を無利子で借りることなどできません。それは貸す側になんのメリットもないからです。ぜひ活用しましょう。
筆者もこの第一種奨学金で満額の8万8,000円を毎月借りていました。
筆者は貯金があったので満額を借りるつもりはなかったです。しかし、親に相談したところ「無利子なんだから満額借りればいい。使わなかったらその分を貯めておいてそのまま返せばいいんだから」と言われました。
返済については最低額である1万数千円を毎月返しているところです。無利子だと返済を急ぐこともないため、返済期間でも手元にお金を残しておけます。

3.業績しだいで全額または半額の返済免除がうけられる
こちらもこの奨学金の大きな特徴です。在籍期間で優秀な業績を残すことができれば返済免除をうけられます。ここでいう業績というのは以下のようなものです。
・学術誌への論文の投稿(国際誌や筆頭著者だと評価大)
・学会発表
・授業の成績
・学外での社会貢献活動
特に論文投稿はインパクトが大きいです。これだけで全額免除を狙えます。
筆者はこの制度を利用して全額返済免除になった知り合いが2人おり、それぞれ以下の業績が大きかったと語っています。
例① 国際学会での発表、専門知識を生かした社会貢献活動に多数参加
例② 国際誌に掲載された論文に共著者として参加、多くの学会で研究発表

また返済免除を研究活動のモチベーションにすることもできます。大学院に進学を考えているということは研究活動にそれなりの興味・関心をもっているのでしょう。
せっかく大学院に進学するのであれば学会発表など積極的に参加した方が大きな経験になります。返済免除に至らなかったとしても、その過程で培ったものは自身の大きな財産になるはずです。
返済免除については大学院ごとに設けた基準の中で順位付けがされるため、内容についてはしっかりと確認しておきましょう。

3.給付型もある!民間の奨学金制度もチェックしよう

大学では定期的に民間の奨学金の案内がされています。民間の奨学金には給付型の奨学金(返済不要)も多くあります。条件がマッチする奨学金の募集があれば積極的に応募してみましょう。
そのために日頃から大学の広報が発信する情報に気を配ることが大切です。
また余談になりますが、奨学金に応募する際の申請書の書き方などは、社会人になってからも役に立つことがあります。
今後のための練習だと思って応募してみるのも良い経験になりますよ。(博士課程に進学した先輩は一時期ひたすら申請書を書いてました(笑))

4.良いアルバイト先を見つけて学業とのバランスを保つ!

ここからは少し毛色の変わった話になります。
奨学金はあくまでお金を借りる行為なので返済が伴います。奨学金だけで大学院での全ての費用をまかなうのはリスクが大きいでしょう。そのため、アルバイトでお金を稼ぐことも重要です。
しかし、大学院生になると研究が忙しくアルバイトにあまり時間を割けないのが多くの人の悩みかと思います。この解決策としてアルバイト先をしっかりと選定しましょう。
おすすめの条件は以下のようなものがあります。
・時給が高い→短時間で効率よく稼げる
・シフトの融通が利く→研究の進捗に応じてシフトを選びやすい
・職場が楽しい、居心地が良い→アルバイトが研究活動の息抜きなる
人それぞれ求めることは違うので、自分にあったアルバイト先を見つけましょう。

筆者の場合は夜勤のアルバイトを月4~5回の出勤で6~8万円稼ぐという生活をしていました。夜勤と聞くと大変なイメージがありますがそんなことはなく、非常に効率よく稼げたと感じています。
ちなみにこのバイトは所属していたサークルの先輩から紹介されたものでした。みなさんも周りの人に相談してみると理想のバイト先が見つかるかもしれないですよ。

5.学部生のときから少しずつ貯金していこう

最後は貯金についてです。もしまだ学部生でこれから大学院に進学したいと考えている人は少しづつでもよいのでお金を貯めていきましょう。
どれくらい貯めればよいかは人それぞれです。自身が必要な金額とここまで紹介した内容を踏まえて計画的に進めましょう。
筆者は大学に入学した時から大学院へ進学するつもりでした。両親からは学部生の間まではお金を出すが、大学院に必要なお金は自分で払いなさいと伝えられていたため、大学1年生のころからコツコツとお金を貯めていました。

【筆者の実例】国立理系大学院生がどのようにして学費を準備したのか


参考までに筆者の大学院生時代の経済状況について紹介します
・支出
入学金 28万2,000円
授業料 53万5,800円/年 × 2年=107万1,600円
生活費 9万円/月 × 24ヶ月=216万円
合計 351万3,600円

・収入
奨学金 8万8,000円/月 × 24ヶ月=211万2,000円
アルバイト収入 90万円/年 × 2年=180万円
合計 391万2,000円

・参考
入学時の貯金 約100万円

筆者の場合は奨学金とアルバイト収入で必要な費用をまかなえていました。
ただし、収入に関しては個人差が大きいため自分の生活スタイルに合った方法をしっかりと考えて準備するようにしましょう。

【まとめ】大学院の学費・生活費を準備するために今からするべきこと


大学院へ進学するのに必要な費用とその準備方法を説明してきました。
ここまでの内容を踏まえて、これから大学院への進学を考えているみなさんが準備するべきことは以下の4つです。

  1. 情報を集める

  2. 生活費を把握する

  3. 学業にしっかりと取り組む

  4. 学業・アルバイト・プライベートのバランスを考える

1つずつ解説していきます。

1.情報を集める
どの大学院に進学するかによって学費は変動します。また、大学院によって授業料免除のための条件も違うでしょう。そのため、まずは自分が志望する大学院の情報を集めることが大切です。

2.生活費を把握する
生活にはいくら必要なのかを知っておくことも重要です。生活費は個人のライフスタイルや居住地によっても変わります。それによって準備する金額も異なるため、おおよその金額は把握しておきましょう。
もし生活費が多くかかっていると感じたら、節約も少しずつ始めることをすすめます。

3.学業にしっかり取り組む
当たり前かもしれませんが大切なことです。大学院では研究活動がメインなので、学部生の頃から学業にはしっかり取り組むようにしましょう。
また学業成績が優秀だと大学からの報奨金が得られたり、学費免除などの制度も活用しやすくなります。

4.学業・アルバイト・プライベートのバランスを考える
自分の時間の使い方を考えることも必要なことです。
・学業に集中したいからアルバイトにはなるべく時間を使いたくない
・奨学金は利用したくないので、アルバイトでお金を準備したい
・しっかりとプライベートの時間も確保したい
このようにそれぞれの考え方があります。個人の生活スタイルによってどのようにお金を準備するかも変わってきます。大学院に進学したらどのように時間を使いたいか、今のうちに考えておくと良いでしょう

大学院へ進学したいけど学費について不安を抱えている学生は多いでしょう。筆者もその一人でした。しかし、情報を集めて計画的に準備をすれば解決できます。
大学院での活動は研究活動です。大学院までいきたいということはもっと専門的な知識を学びたいと考えているからでしょう。
研究活動に集中するためには金銭面の不安をなくすことは必須です。そのためにこの記事が少しでもお役に立てば幸いです。


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