短編:【ストレス大国の行末】
いい歳をした男性が、上司だろうか、低い声の女性からの電話をスピーカーにして会話をしていた。スマホ全盛のいま、スピーカーを使うのはよく見かける光景となったが、場所や周囲の環境を配慮すべきである。そこは地下鉄に向かう下り階段。のんびり歩きながら喋っている。女性の声のトーンが明らかに、仕事の失敗に対してアドバイスをするような、こうしたら良い、ああすれば良かった、と言う内容を語っている。
いや、そんな内容をスピーカーで?と思いつつ、男性は「ああ」「はい」しか喋らない。昔ならば少なくと