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プロってすごい

自分が作れる料理はパスタのみ。といってもまかないレベル以上のものではないし、それでいいと思ってます。

YouTubeではペペロンチーノの乳化について、こだわり素人が、激しいバトルが繰り広げられている(乳化厨乙)けど、そういう無駄なこだわりが強い、というかエゴとして固執するのが好きな人はいつの時代もいるよね、みたいに、それらについては冷ややかにまったく気にしていなかったのです。

そんな数多くのYouTube動画の中のひとつで、あるイタリアンのシェフが、「乳化とはつまりドレッシング状態のことだから、簡単に言えばボウルでかき混ぜればいい、それだけのことです」というのをやっていました。

面白いな〜と思って、プロがそういうのなら試しに乳化っていうものを正面からやってみようかなと思ったのです。

そのレシピ解説でシェフは、まずはガーリックオイルをきっちりつくることが大事ということで、にんにくのオリーブオイルへのなじませ方について解説していました。

まず包丁で潰したにんにくをオリーブオイルで弱火でいためる。
だんだんと高温になると、潰したにんにくが柔らかくなってくるので、フォークを使って、潰したにんにくを鍋の中でほぐして、繊維状にほどいていくということをやるそうです。
すると、にんにく自体がオイルと同化していくらしいのです。

これを不器用ながらも自分でもやってみました。

動画のようにはうまくほぐせずに、なんだかとてもがちゃがちゃしたものになり、にんにくが少し焦げてさらにぼろぼろになって、このままだと見栄えも悪いので、鍋からどけて捨てようかなと思ったのです。でももったいないので、そのままにしていたらなんだかだんだんと馴染んできました。

そして麺の茹で汁をあわせながら、ドレッシングつくる要領で鍋の上でオイルと茹で汁をくまなくしつこく混ぜ合わせていきました。

するとどうでしょう。

今までにはみたことのないような美味しそうなソースがだんだんとできていったのでした!
にんにくの少し焦げた部分の小麦色がソースに同化し、まるでグレイビーソースのような濃厚なものがそこに現れたのです!

ペペロンチーノなんて何億回も作ってきたのに、こんなソースが鍋の中にできたことに自分でも大いに驚きました。
そして、ゆであがった麺を混ぜ合わせる頃には、見栄えの悪かったにんにくのかけらは不思議なことに、あとかたもなく消えていて!ソースと完全に同化していたのです!
乳化なんてもはやどうでもよくなってしまい、素材を最大限に活かすとはこういうことなんだと知ることになりました。

そして試食。

…驚きです

驚き以上の言葉が出ません。圧倒的なコクと深みと旨味、、
食材はまったく同じなのに、調理方法でこうも味の世界が広がることに本当に驚いてしまいました。
こうやって文字にすると当たり前のような言葉がならびますが、このときの自分の驚きはかなりのもので、自分でつくったものなのに逆に自分がショックを受けてしまいました。
食材も作る人も設備もまったく同じ、でも仕上がりがこうも違うということが本当にあるんだなと。。

プロはすごい。素人とは違う。

なんか当たり前の話ですし、僕の驚きが誰にも伝わらないかも知れませんが、世界が変わったくらいのような衝撃をうけたので、どうしてもnoteに書いておきたくなりました。

最後まで読んでいただきましてありがとうございます。

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