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なぜ日本の組織では手段と目的が転倒するのか?

日本の組織では、気をつけないと目的と
手段の転倒が本当によく起こる。


皆さんにも経験がありませんか?

「この仕事って何のためにやっているんだろう?」

と思うこと。

そう思った時、目的と手段の転倒が起きて
います。

「何のため」「Why」が分からないという
ことは、その「仕事自体」が目的になって
いるということ。


例えば、

以前からやっているというだけで続けて
いる報告や手続きや打合せなど。

元々は目的があって始めたはず。
しかし、いつからかそれ自体が目的化
してしまう。


例えば、

短期の売上・利益が最優先になる。

ビジネスの目的は、誰かの役に立つ価値を
継続的に生み出すこと。
短期の売上・利益は一時的な指標でしか
ないはず。


例えば、

組織の存続そのものが目的になる。

その組織は、何らかの価値を生み出すため
に存在しているはず。



なぜ私たち日本人は、目的を見失いがち
なのでしょうか?

実はそれは、私たちの「強み」に関係
しています。


欧米の組織では、そもそも「目的」が
ないと人が動きません。

だから、組織として体をなすためには、
目的の明確化が不可欠。

元々個人主義的な文化なので、目的に
納得してはじめて、人が動きます。

だから、上下関係を超えて、「何のために
やるのか?」という質問が飛び交うし、
トップはそれに応える責任を果たします。


しかし、日本人は、「目的」がなくても
動けてしまいます。

集団主義的なカルチャーがあるので、
上司が言うからとか、目の前のお客さんが
言うから期待に応えようという動機だけで
動けてしまう。


日本企業は「弱い本社、強い現場」が特徴
とも言われます。

本社の「考える」機能が弱い。
目的も戦略も明確にする力が弱い。

しかし、本社が目的も戦略も明確にして
いないにも関わらず、現場は頑張る。

周りの同僚のために、目の前のお客さんの
ために頑張れてしまう。


これはよく考えるとかなり凄いことです。

圧倒的な現場力。

これによって、一時期は日本企業が世界を
席巻したわけです。


しかし、目的がなくても動けてしまうこの
強みは、逆に弱みにもなってしまいます。

目的を明確にしなくても現場が動いて
くれるので、マネジメント層は目的や
戦略を明確にする必要がない。

ただ、本社側からの方針を伝える。
現場の状況を管理する。
それだけで、マネジメントを仕事をして
いる「風」でいられる。

だから、マネジメントが本来果たすべき
目的や戦略の明確化の力が磨かれない。

現場という「体」は強いが、マネジメント
という「頭」が弱い。



以前は目的が明確でなくても日本企業は
成功できました。

それは、製造業が中心であり、「高品質」
であることが価値だったから。

日本人が得意な「熟練」、現場の
「すり合わせ」力で、圧倒的な品質を
実現する事ができました。


しかし、今はただ高品質であれば売れる
という時代ではなくなりました。

顧客の本質的なニーズを把握して応えて
いく必要がある。

あらゆる製品やサービスがひしめく中で、
自分達の強み、存在意義を見出し、独自の
価値を生み出さなければならない。

そんな中では、ただ現場の熟練にだけ
頼っていては価値を生み出せません。

「何のためにやるのか?」

目的と戦略を明確にする必要があります。



今、日本企業の中では、各現場がバラバラ
に頑張っている状態です。

各現場をつなぐ、共通の目的や戦略がない
ので、目的や戦略を持って総合力を発揮
する外資系企業に競争力で劣ってしまう。

今こそ、日本企業でも、目的と戦略を
明確にするカルチャーを育んでいく時に
きていると思います。

そうすれば、元々強い現場力が、共通の
目的の元に統合され、戦略により各現場が
つながって、全体として最大の力を発揮
する事ができます。

「弱い本社、強い現場」から、
「強い本社、強い現場」へ。

「弱い頭、強い体」から、
「強い頭、強い体」へ。



では、どうすればその変化が起こせるで
しょうか?

全体としての目的や戦略を持ち、元々の
強い現場力を活かす組織になれるでしょうか?



その答えは「対話」です。

「対話」が、日本の組織の進化の鍵です。

もう対話するしかないのです。

対話は、徹底的に「目的」「Why」について
話すコミュニケーション。


私たちの仕事の打合せは、すぐに「How」の
話になってしまう。

課題を見つけたら、「どう解決するか?」
の話ばかり。


Howの話は「目的」「Why」が明確になる
まで、我慢しましょう。

どんなに凄いソリューションであれ、過去
に成功したやり方・ノウハウであれ、
目的が明確でないまま使っても、意味は
ありません。



もし、あなたが「何のためにやるんだろう?」
と少しでも思うことがあったら、それを
問いかけましょう。

「そもそも」論をどんどんやりましょう。

相手が上司であれ、役員であれ、社長で
あれ、「Why」を問いかけましょう。

打合せをやるときは、なぜその打合せを
やるのかWhyについて話しましょう。

そして、課題の解決策を考える前に、
なぜそれが問題なのか、自分達の目的は
何なのか、全員が腹落ちするまで
話しましょう。

あなたが納得していないということは、
目的が明確でないということ。

あなたが納得していないことを続けたら、
手段が目的化しています。

それは、あなたの大切な力の無駄遣い。
会社にとっての損失です。



「対話」のカルチャーをつくっていく。
それが日本の組織の進化の鍵です。

このメルマガを読んでくれている皆さんが
その鍵を握っています。

「対話」のカルチャーを一緒につくって
いきましょう。

ぜひ、皆さんの周りで、「対話」の
カルチャーを広げていってください。

一人でやるのは心細いかもしれません。
つながりましょう。

そして、つながりから対話を広げていきましょう。

それが、日本全体が元気を取り戻すことに
つながっていきます。


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