見出し画像

日本の組織の戦略性の低さ 〜いかに克服するか?〜

こんにちは。

対話による組織変革の会社Co-Evolutionの
末広信太郎です。


今日は、

「日本の組織の戦略性の低さ 〜いかに克服するか?〜」

です。

前回は日本の組織の戦略性の低さが、
どういう背景から来ているのかの
考察でした。

今回はいよいよ、戦略性の低さという
課題を、日本の組織がどのようにして
克服できるのか、について考えていきます。


戦略とは目的を実現するための明確なストーリー。

良いストーリーのベースにあるのは大局観。

全体が見えてみるから、個別の要素が
どのように連なって、目的が実現される
のかを描くことができる。

大局観をベースに組み立てられた
ストーリーは、組織のメンバー全員で
大局観を共有することにつながります。

個人や個別チームだけで実現できる目的
なら、全体のストーリーはいりません。

しかしより大きな目的を実現するためには、
全体のストーリーは不可欠です。

組織のメンバーがそのストーリーを
共有しているから、組織や役割の壁を
超えて、組織全体で協力できる。

その組織全体が連動することで、
目的を実現することができます。



しかし、前回見たように、日本の私たちは、
察する力はあるけれど、言語化をあまりしない。

言語化しなければ、共に目的を実現する
ためのストーリーは、共有できません。

自分から見えている風景、感じていること
を共有し合い、共にストーリーをつくる。

日本の組織にはそれが求められています。



しかし現実は、目の前の仕事でいっぱい
いっぱいの状況。

「お互いの感じていることを共有しあう
時間もないんです」なんて声が聞こえて
きます。


そして、本音を伝え合える関係性がない。

自分が感じていることを伝えたら、今の
方針を異を唱えることにもなる。
衝突したくないし、それは避けたい。

心理的安全性がない。


日本の組織が、戦略性の低さという
課題を克服するためには、2つの大きな
ハードルを越える必要があります。


ひとつ目のハードルは、「実行」と「学習」
のバランス。

私たちの組織には、「考える時間」や
「対話する時間」が圧倒的に不足しています。

仕事=実行すること(体を動かすここと)
というイメージはないでしょうか?

考えたり、対話していると、なんか仕事を
していないような、サボっているような。

かつての大量生産大量消費の時代であれば、
ひたすら「実行」でもよかった。

しかし、変化の激しい今も時代には、
「実行」の前に、「学習」が必須です。

目の前の仕事にいっぱいいっぱいで
学習がなければ、悪循環から抜け出せない。

今の現実・成果を作っているのは、今の
「意識」。

その意識のままでいくら「実行」しても、
違う現実・成果はつくれません。

違う現実・成果をつくるためには、「意識」
をアップデート・拡大する必要がある。

そのために必要なのが「学習」。

色んな人と対話する。何が起きているか知る。

起きていることの全体像・本質を考える。

対話する。考える。

「学習」を、仕事の中心に据える必要が
あります。

簡単にいうと、

実行→学習→実行→学習

という経験学習サイクルを回すということ。

経験学習サイクルを回すために必須なのが、
「対話」です。

対話を仕事の中心の一つに据える。

対話の時間を絶対的に大切なものとして
確保すること。

これは必須です。

皆さんのチームでは、対話の時間を
どれくらい取れているでしょうか?

ただ話していればいいということでは
ありません。

単なる報告、情報共有、課題確認などは
学習のための対話になっていません。

メンバーがそれぞれが、本心で感じている
ことを伝え合うことで、組織学習が
起こります。

「対話」は「学習する組織」になるための
必須要素です。



もう一つのハードルは、組織の未来の
ストーリーを、共につくっていく関係性
づくり。

それぞれが組織について感じていることを
本音を話せる関係性づくり。

皆さんは、自分の組織でどれくらい本音で
話すことができているでしょうか?


私が組織変革の支援をする中で様々な
組織を見て感じるのは、

「経営チームの不在」

です。

会社の中のすべての組織・チームに、
戦略を考える「経営チーム」が必要です。

ただ何も考えずに実行するだけでいい、
という組織は、この変化の激しい時代には
もう存在しないでしょう。


しかし現実は、

会社の経営陣が会社全体の未来について
戦略について本音で対話していない。

事業部門の中でも、事業部長や部長と
いった上層部が、その部門の未来について
本音で対話していない。

各担当チームの中でも、そのチームの
未来について本音の対話がない。

そんなことが多くの組織で起こっています。


組織の未来について本音で話す人たちが
いないということは、経営チームが
存在しないということ。

そういう組織には、全員で共有している
明確な全体戦略もありません。

願う未来をつくるストーリー、メンバー
全員が未来に希望を持てる戦略がない。

明確や目的地や航海図がなく、
組織が漂流している状態です。


誰か素晴らしいリーダーが現れて、
進むべき方向を示してほしいと思う
こともあるでしょう。

しかし私たちは、組織をリードしてくれる、
天才経営者が現れるのを待つことは
もうできません。

私たち一人ひとりが、立ち上がる必要が
あります。

私たち一人ひとりが、経営チームのメンバー
として集合知を結集し、自分たちの組織の
未来のストーリーを共に描き続ける。

組織のメンバーの誰もが、自分たちの
アイデンティティを単に「実行」
する役割ではなく、「共に学習する」
「未来のストーリーを描く」経営チームの
一員として、未来に責任を持つ。

それが日本の組織の私たちに求められて
いることだと思います。



戦略の不在という日本の組織の課題は、
必ず乗り越えることができます。

実行だけでなく、学習を大切にし、
組織の未来について対話し続ける
ことさえできれば。



では、何から始めるのがよいでしょうか?

まずは、あなたのチーム、あなたの組織で、
対話する時間を確保することからです。

目の前のことで忙しいかもしれませんが、
組織の未来よりも大切なことはないはずです。

まずは毎週1時間からでもいい。

チームのみんなで、チームについて
感じていること、本音を共有しあう
時間をとりましょう。

対話を通じて、全体で何が起きているか、
大局観を共に育みみましょう。



そして、

チームの、組織の未来のストーリー、
戦略の第一版をまずは描いてみましょう。

荒くても、大雑把でもいい。

まずはチームのメンバーと共にそれを
作ってみましょう。

自分がやっていることの全てが
意味づけられるでしょう。

きっと希望が見えてくるはずです。

そして、共に未来のストーリーを描き、
実現していく物語が始まります。

それは、きっとワクワクする希望に
満ちた物語。


それではまた次のメールで。

末広信太郎

P.S.

戦略についてここまで書いてきて、
「日本の組織の戦略不在」という課題を
乗り越えるための対話サービスを立ち上げ
たい気持ちがムクムクと湧いています。

日本の組織の進化に貢献したい。

皆さんとも対話しながら、本質的なものを
作り上げたいです。

進展があったらお知らせしますね。
楽しみにしていてください!



とてもご好評いただいている、ソニーの
組織開発アドバイザー、望月さんとの公開
対話
『組織文化はいかにして作られるのか?』
公開対話会 〜組織文化と対話の関係性〜

第3回目、引き続き参加者募集中です。

次回は実際に対話で組織文化を作った
実例を共有し合います。

なかなか聞けない貴重な話になるでしょう。

2月22日(水)12:00〜13:00
『組織文化はいかにして作られるのか?』
公開対話会③ 〜組織文化と対話の関係性〜
https://peatix.com/event/3448827/view

◆メールマガジン「対話で組織が変わる」ご案内

「日本中の組織『対話』を広げる」というビジョンで、メールマガジン「対話で組織が変わる」を発行しています。http://eepurl.com/h-XuCn
noteでのバックナンバー公開の約1週間前に記事をメールで読むことができます。

以下のような想いをお持ちの方向けです。

・対話でどのように組織変革を進めていくのか学びたい
・変化の激しい時代に必要なリーダーシップを身につけたい
・人の共感を呼び起こし、自律性を促すリーダーシップを身につけたい
・1on1やチームの対話で、メンバーに効果的に関われるようになりたい
・合意形成が難しい場面でも、合意形成できるファシリテーションを身につけたい
・チームや組織・会社の枠を超えて人を巻き込み共創を生み出すリーダーシップを身につけたい
・メンバーや社員の自律性を伸ばしたい
・本音で話せる心理的安全性のあるチーム・組織を作りたい
・デジタルトランスフォーメーションを成功させたい
・提案型のビジネス・組織風土への変革を成功させたい
・自律型組織への変革を成功させたい
・イノベーションが起こる組織を作りたい
・人と向き合う中で自分自身が人間として成長したい

登録はこちらから。
http://eepurl.com/h-XuCn

週1回くらいで配信していいます。
仕事の息抜き、エネルギーチャージにぜひご登録ください。


◆対話型リーダーシッププログラム
「管理型」から「対話型」へ 
組織のあり方が根本的に変容する
組織リーダー/マネージャーのための究極のプログラム
https://www.co-evo.jp/leadership

◆対話による組織変革の会社 Co-Evolution
https://www.co-evo.jp/
「『対話』を日本中の組織に広げる」というビジョンで活動しています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?