ALGOrhythmツアー沖縄公演を観に行ったタビの記録〜2日目(ライブ当日)編 前編〜
京都の振替公演を残しつつも、8月12日で一旦幕を閉じたスキマスイッチTOUR 2018 "ALGOrhythm"。
前回の投稿で、ライブ前日の自分たちを振り返りましたが、この投稿では、当日のことを振り返ろうと思います。
※前回の記事は、こちらから。
※この記事は、ALGOrhythmツアーのネタバレをガンガンしていくと思いますので、京都振替公演参加の方はご自身の判断にて、読み進めていただければと思います。
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ライブ当日 8月12日 AM10:00
前日夜更かししたこともあり、のそのそと起き、出かける準備。
本当は首里城に向かってからお昼ごはんを食べて宜野湾に行こうと思ったのだけど、ルートの先々が渋滞しているのか、ナビに行き先を入れると思ったよりも遅い時間が出てくる結果に。
結局、首里城は明日に回そうということになり、宿からそのままお昼ごはんを食べに行くことに。
8月12日 AM11:10
小高い丘の住宅街の中をずんずん車で登った先が、今回のお昼ごはんの目的地。
ここは、重要有形文化財にも指定されている沖縄古民家を活用した「しむじょう」という店。
オープンは11:00だったのだけど、10分ほど遅れた到着したときにはすでに席は満席……すごい。
1回転分待ったので、30分ぐらいかな?周辺で時間を潰すことに。
こんな感じの見晴らしのいい待合スペースとか
縁側とか
台風によるいつもより恐らく強めであろう風とか、沖縄特有なじめっとした暑さとか、不快指数は決して低くはない状況だったけど、緑に囲まれていたからだろうか、時間の流れを忘れてゆったりと過ごせた。
そしてやっと店内へ。
おばあが住んでいそうな趣ある店内。
まるでちゃぶ台のような机を囲むように5人で座り、ソーキそばとジューシーの定食を注文。
私自身沖縄はもう6度目で、毎回来るたびに沖縄そばの類のものは食べるし、東京にいたって沖縄料理屋に行くこともあるし、数えきれないぐらい食べているのだけど、ここの麺は今まで食べたことないぐらい細麺で、ちょっと新鮮な感じ。
自家製のコーレーグースが辛すぎず、ちょうどいい感じだった。(いつも手が滑って入れすぎて泣きを見ることが多い)
お昼を食べていた時だったと思う、充さんがtwitterで「全員揃った」的なことを呟いてくれているのが目に入った。
前日富山でライブで、当日入りなことは必至だった石成さんが無事に沖縄に到着したのか、朝から気になっていたので、「これで本当にライブが開催されるんだ~!!!!!」とみんなでほっと胸をなでおろした。
あと、しむじょうにいたときに「海月」のMV公開のツイートも見かけた。
今日公開とか……!!!!!!
まったく本当にずるいなあ、と思いながら、少し寝かせることにした。笑
8月12日 PM1:00
しむじょうから宜野湾へ。
渋滞などなく、思った以上にスムーズに着いてしまい、まだ会場にもあまり人気がない状況…。笑
会場をぐるっと一周しつつ、会場裏の海に行って遊ぶ。
遊ぶ。
遊ぶ。
台風通り過ぎたばかりなのに、海水浴客もそこそこいた。
沖縄に来てもこうやって海に入って遊ぶことあんまりなかったな、と思ったんだけど、今まではオンシーズンじゃなかったからですね…。笑
BBQスペースのテントなんて今までなかったし、こんなに人もいないし、なんならこんなに海も青くなかった。
(とはいえ、台風去った後なので、いつもよりは汚かったんだと思う)
海に囲まれてるから鼻がバカになっていたのかもしれないけど、不思議と沖縄の海は潮臭くないなと思った。
いつも潮っぽいと思っていた臭いは、潮の臭いというよりは磯の臭いなのかもしれない。
……なんて遊んでいたらあっという間にもうすぐ物販開始の時間じゃん!ってことで、ビーチから引き揚げ、会場へ戻ることに。
8月12日 PM2:30
物販開始の時間。
見知った仲間たちも続々と会場にやってきていたりして、お互い無事に着いた喜びと、ライブがなんとか開催される喜びを分かち合う。
ファイナル限定のかりゆしを買う人もいたけど、わたしは悩んだ挙句、ブルーのツアーTを買った。
トラックがたどり着かなかったから、グッズのラインナップもいつもより少ないし、現金会計しかできないし、もう持ってるグッズばっかだし、でも何か買いたくて、でもかりゆしは買えないなって自分のなかではそういう結論に至って、結果的にもともとちょっとほしいなと思っていたものを買うことにした。
現地で調達しなきゃいけなくなってしまった機材の足しに少しでもなりますように。(と思ってしまうわたしは運営ホイホイなヲタクなのかもしれない)
8月12日 PM3:00
物販買ってから、またビーチのほうへ。
ちょっぴり日陰のテーブルとベンチがあるところを見つけて、そこでアイスを食べる人もいたり、かき氷を食べる人もいたり、飲み物を飲む人もいたり。
(ブルーシールアイスを買ったけど、暑すぎて食べ始めて早々大惨事になっていた友人もいた。笑)
「海月」のMVは思い切ってここで解禁することに。
でも太陽の光が眩しすぎて、暗いところで後で見ようって結論になった。笑
でも、海の風に吹かれながら聞いてたら、不意に「ああ、今日で本当に終わっちゃうんだなあ…楽しかった怒涛の日々が」って急に実感が湧いてきてしまった。
8月12日 PM3:45
開場予定時間。
いつもの機材を使っていないこともあってか、最終調整に少し時間がかかっているということで、開場が10分押すというアナウンスがあった。
キョードー西日本の人なのだろうか、それとも沖縄コンベンションセンターの人なのだろうか、開場時間の3分前ぐらいに「機材の最終チェックに時間がかかっておりますので、開場が少々遅れます」と早々にアナウンスをしてくれて、かつ定刻になったら「あと5分ほどで開場します」と逐一情報を大きな声で伝えてくれていた。
何にもアナウンスがない状況だと、今どういう状況なのかわからずそわそわしてしまうので(いつもと違う状況だからなおさら)、こういうことをしてくれるのはありがたいなと思った。
8月12日 PM3:55
予定より10分ほど遅れて開場。
沖縄コンベンションセンターはロビーが狭いから、すぐ客席にたどり着いてしまう。
いつもだったら、早く席に座って落ち着いて、オープニングアクトの演奏が始まるのを待とう、と思うんだけど、この日は機材がどうなっているのか、会場の様子がどうなっているのかまったく想像がつかなくて、かつ自分の目でそれを見てしまってすぐに状況を受け止められるのか不安で、会場に入るのを少しためらってしまった。
でも、5分ぐらいでオープニングアクト始まっちゃうから、意を決して会場の中へ。
扉を開けて、しばらく立ち尽くしてしまった。
目の前に広がっていたのは、段差もなく、平坦な素舞台の上に、いつもよりも楽器が整然と置かれていただけのステージだった。
床の色も地のフローリング床が丸見え。
いつもはLEDパネルで隠されている後ろからメンバーを照らすスポットライトも骨組みごと丸見え。
両サイドにそびえたつスピーカーのスタンドもいつもより心もとないし、なんならメインスピーカーの横に携えられたサブスピーカー(っていうのかな、専門用語はわからない)は専用のスタンドじゃなく何個も重ねた箱馬の上に縛り付けられた状態で、かろうじて乗っかっている。
天井上の照明も、本当に最小限だなと思うぐらい。
ムービングライトがないから、ミスターカイトの「頭の奥で誰かの声がする」のところで光量MAXで下から上に光があがっていく演出はできないな、って始まる前からわかってしまった。
どうしても足りないものばっかり目に入ってしまって、「どこまでやれるんだろうな……」と一瞬不安になってしまった。
でも、メンバーの楽器はかろうじてある。
フル装備ではないけれど、最低限は揃っている。
演奏はできるんだ。これだけはわかった。
演奏ができる、けど音はどこまで鳴らせるんだろう、って思ってみたら、いつもよりもこじんまりとしたPA卓が目に入って、また胸がぎゅっとしたけれど、PA卓前にいつもよりもたくさんのハンディカムが三脚に立てられているのも同時に見えて、「あ、この日を収めようとしているんだな」ということも、あくまでも予測だけどわかった。
そして、まっちゃんの前にマイクスタンドと譜面台とエフェクターセットが置いてあるのが見えて、思わずにやっとしてしまった。
いつもよりも一人、多い……。笑
鹿児島からの移動の際に機材を運んでいる写真のなかに、「ZONO」って書かれた機材が見えたことを思い出した。
8月12日 PM4:00
舞台袖から拍手が聞こえたと同時に、松室政哉が登場。
オープニングアクトのステージの始まりだ。
ファイナル沖縄で彼が披露したのは、デビュー曲「毎秒、君に恋してる」と9月にリリースされる「海月」の2曲。
どういう音が鳴るのか、そわそわしていて心が落ち着かなかったから、アップテンポな曲を持ってきてくれたのはありがたかったな。
ローディーさんたちが舞台袖で冒頭から手拍子をしているのが見えて、とても微笑ましかった。
それだけでちょっと泣けてしまったわたしは、情緒不安定気味だなと思いつつも。笑
2月までは彼がホールで演奏する姿をこんなにもすぐに、たくさん見ることができるなんて思ってもいなかった。
4月の初日川崎。2階席の一番後ろから見た歌う彼の姿は、どちらかというとホールの空気やざわつくお客さんの空気に飲み込まれそうな瞬間もあったような気がしていたけれど、この4カ月間で、ステージでの振る舞い方、表現のスケールが本当に大きくなったなと感じた。
先輩のオープニングアクトに出て、ホールで経験を積んで、自分が呼ばれたイベントでライブハウスに出て……大きなハコでやった後、いつものサイズ感のハコに戻ってきた時に毎回はっとさせられていた。
だからといって、ライブハウスとかカフェでやるときはやるときで、ホールでやるときとは違った見せ方をしているような気がして(とわたしの目には映っていた)、そんないろんな姿が見られるのがとても楽しかった4カ月。
わたしが勝手に「思い出」だって思っているだけだけど、いろんな思い出が蘇ってきてしまった。
機材がいつもと違って、ちょっとライブハウスっぽいサウンド感があったから、余計なのかもしれない。
お客さんは布張りの、明らかにホール仕様なイスに座っているし、目の前に見えるステージは確実にホールなのだけど、耳に入ってくるサウンドはちょっと生音っぽい。
素舞台で、吸音マットも敷かれてないからいつもよりも演奏しているときの足音もパタパタと聞こえるし、音も後ろからふわっと跳ね返ってくる気がする。
そんな不思議な環境が、いろんな記憶を呼び戻してきてくれたような気がしていた。
それでも、ツアーの途中から加わった「海月」の青い照明の演出はこの日も健在で、いつもと違った環境のなかに見つけた「変わらぬもの」はちょっとうれしかったな。
8月12日 PM4:25
オープニングアクトが終わって、舞台のセッティングも終わった頃。
いつもならモニターに文字(数式)が映し出され始め、これから始まる時間へのそわそわに追い打ちを良い意味でかけてくれていたのだけど、今日はそれがない。
だからか、会場もいつもよりもうっすら暗転し始めるのが遅いし、でもいつものSEは流れ始めるから、これから何が起こるのかわからないそわそわした気持ちをみんな押し殺しているかのように、今までにないレベルで静寂が押し寄せていた。
開演3分前からのカウントダウンも見えない。
耳に聞こえてくるリズムに合わせて、「その瞬間(開演)」が迫ってくる様子をなんとなく察知するしかない。
多分だけど、開演前のその様子(映像演出)を見ていた人はみんな頭のなかでその様子を描いていたんじゃないかな。
リズムが速くなるにつれて大きくなっていく手拍子。
「いつも」のタイミングで出てくるバンドメンバー。
アタックの音とともに発せられるシンセのサウンド。
そしてスキマスイッチの二人が出てきた……んだけど、舞台袖からギリギリ客席にも見えるステージと言える部分に出てきた瞬間に「はっ!」としたしんたさん。
頭に手をやってそそくさと再び袖へ捌けていく…なんと、帽子をかぶるのを忘れていた模様。笑
普段こういううっかりなことをあまりしない人なので、わたしもびっくりしちゃった。
緊張してたのかな。
てへぺろ☆って感じに袖に捌けていって、楽屋がそこそこ遠いのか思ったほどすぐには帰ってこなくて、その間ずっとシンセで音を伸ばしていた浦さんがだんだん「大丈夫かな…?」みたいな感じに苦笑いになっていて。笑
小走りしながら「ごめんごめん」って感じにしんたさんが戻ってきて、定位置に座って、カウントとともにいつもの演奏が始まった。
全員の音が鳴り始めたその瞬間に、「いつもの音だ」と思った。
……いや、厳密に言うと「いつもの音」ではない。
しんたさんの鍵盤だって、アニキのドラムセットだって、まっちゃんのパーカッションまわりの装備だって、いつもとは違う。
そういう意味で鳴っている音はいつも通りじゃなかった。
オープニングアクトを聴いたときに思っていたみたいな、ちょっとライブハウスっぽい音だなとか、バンドで音数が一気にくると一瞬ごちゃっとする瞬間があるな、とか、そういういつもとの違いはあった。
でも、このメンバーが一斉に音を出すとやっぱりこの音なのだ。
このメンバーでしか出せない音。
このメンバーだからこそ聞こえてくる音。
譜面には表せない拍と拍の間の空気感。同じテンポ、リズムを共有している感。
この音が好きで、この人たちがこうやって音を出すと同時に発している空気感が好きで、こうやってわざわざ沖縄まで足を運ぶぐらいだから、今回いつもと違う公演になると聞いたときに一番心配していたのは、そこだった。
だけど、そんなの杞憂だった。
そんなこと心配しなくても良かったんだなあ。
最初の曲、LINEのイントロを聴いた瞬間にそんな想いがこみあげてきてしまって、ただただ泣けた。
ライブ本編。
ところどころ「いつもと違うな」と思う音とか、瞬間はあったけど、そんなことを気にさせる暇を与えないぐらい、スキマスイッチふたりの演奏も、バンドメンバーの演奏も気迫に溢れていた。
そして、それに応えるかのように、いつもと違うステージになってしまったことを詫びる彼らに対して、気にしなくて良いよって伝えたいのかなってぐらいに、客席からの歓声もすごかった。
わたし的に、この日のライブの中盤までで特に印象に残ったのは「Baby good sleep」の卓弥さんのボーカル(というかフェイク)だ。
このツアーの後半戦から特に、もともとギターで優しくアルペジオを奏でていた冒頭とラストのソロパートで、自分の声だけで勝負する場面が増えていた。
前の曲から会場全体の世界観をがらっと変えるようなフラットなキーで歌うフェイク。
マイナーコードが奏でられるギターからは、ちょっと不安げな心持ちが見え隠れするようで。
それを断ち切るように楽曲に入っていく流れがとても好きだった。
この日の演奏も、深海から少し光が差し込む明るいほうへと導いてくれる歌声が、優しい愛を、そして救いの手を差し伸べてくれているような気がした。
この曲と、本編ラス前バンドで最後に演奏する「リアライズ」が個人的には今回のツアーのハイライトだと思っていたから、今回のALGOrhythmツアーはなんだか「大橋卓弥のボーカル力をここぞとばかりに見せつけるツアー」だな、と沖縄公演を迎えるまでは思っていた。
でも、この日の演奏が終始スキマスイッチとバンドメンバー己のポテンシャルというか、ミュージシャンとしての底力、意地みたいなものをひしひしと感じさせるものばかりで、そして個々の個性がここまで強いにも関わらず、交わるとがしっと腕を組んだようにひとつに合わさっていて、大橋卓弥を中心の軸に携えながらも、個々の持ち味と、そして一丸となったときのチーム力を見せつけるツアーだな、という気がした。
ここまで常田真太郎っていう名前を出せていないのだけど、決してこの日の演奏で彼が目立っていなかったというわけではなくて。
正直なところ、ツアーが後半戦を迎える頃 ― 大宮公演を観る前ぐらい ― までは、今回のツアー、しんたさんの鍵盤がおとなしめだなって思っていたんだけど、それは卓弥さんに対してしんたさんが引っ込んでしまっていたり、埋もれてしまっているからというわけではなく。
彼は卓弥さんのボーカルに絶大なる信頼を置いていて、その魅力を一番に知っていて、今回のアルバムで見せたそれを引き立たせるために自分がどう演奏で振る舞ったらいいのかってときに、足元どっしり構えるのが自分の立ち位置だと思ったのかなって、そんなことを思ったりしていた。
もちろんソロまわしのときの自分の出番とか、自分の見せ場がある曲とかはしっかり男臭くも根っこには優しさのある鍵盤を見せつけてきていたけれど、それよりも今回のツアーでのしんたさんは特に今まで以上にバンドメンバーとのコミュニケーション(アイコンタクトはもちろんのこと、誰かの音に即座に呼応して表情や音でリアクションを返す、だとか)に比重を置いていたような気がしたから。
あくまで、わたしが見てぼんやりと感じたこと。
実際のところはわからないけれど、卓弥さんが舵を取る瞬間はありながらも、彼が歌声で自由な振る舞いができるように、操縦士側としての働きをしていた瞬間が今まで以上にあったような気がしていた。
わたしは、これを見て勝手に飛行機の機長と副操縦士みたいな関係性だな、と思ったりしていた。
イメージはこんな感じ。
(このコラム地味に好きなんですよ)
持ちつ持たれつだ。
なんだか長くなりすぎたし、まだまだ長く続いてしまいそうなので、8月12日編は前編・後編の2編にわけようと思います。
ライブの中盤以降のはなしは、また次回。
今回はこのへんで。
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