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複式簿記まであと少し!?

こんにちは、山梨県北杜市のまちの税理士です。
商工会などで相談担当をしていると、Money Forwardfreeeといったクラウド会計システムを利用してご自身で経理業務を行っている(自計化している)事業者が増えていることに気付かされます。しかし、その多くの事業者に言えることは、
「複式簿記まであと少しですよ」
ということです。
そこで今回は、この「あと少し」の穴埋めができるように、複式簿記について思いを巡らせてみました。


1.複式簿記とは?

複式簿記は、売上や経費を単に集計するのではなくて、売上は現金でもらったの?振込みでもらったの?を現金や預金に記録し、経費は現金で支払ったの?振込みしたの?を現金や預金に記録することです。
片方を単式で集計するのではなく、もう片方も集計するから複式なのです。

2.便利が故に「あと少し」が生じてしまう

例えば、上述のクラウド会計システムでは、請求書の発行ができ、その請求金額の入金処理もできます。売上については「もう片方の集計」が出来ているのですが、現金や預金の取引はその他にも給与、電話料、電気料の支払いなどたくさんの取引があります。これらの取引をすべて網羅して記録する必要があるのです。この記録が網羅的にされていないのが「あと少し」の原因です。
具体的な対応策としては、出納帳方式で取引を入力する(補完する)ことをお勧めします。預金ならば、預金通帳の取引が全て入力されており、残高があっていればいいのです。

3.複式簿記のまとめ上げ方

複式簿記でまとめ上げるためには、ある一定の時点で未収(その時点でもらっていない)や未払(その時点で支払っていない)を把握する作業が必要になります。いわゆる発生主義にすることです。決算処理の一部として行われ、棚卸資産の振替や減価償却費の計上なども行います。

(1)「所得税確定申告のための」複式簿記→まとめ上げる時点は12月31日(年次決算)

日々現金主義で処理し、年次決算のときだけ発生主義にする方法です。1月1日から12月31日までの累計の業績等は把握できますが、月次の業績等を把握するのは難しくなります。

(2)「業績把握も考慮した」複式簿記→まとめ上げる時点は毎月末(月次決算)

毎月末で発生主義にする方法です。手間は掛かりますが、月次の業績等を把握することが可能になります。

4.複式簿記から得られること

複式簿記から得られた売上や経費の相手方(現金、預金、売掛金、買掛金など)を集計すると、会社の財政状態が分かる貸借対照表を作成することができます。売上や経費を単式で集計して利益の把握ができたとしても、資金が回っているのか判断するためには貸借対照表が必要になります。ちなみに、貸借対照表から誘導的に作成されるのがキャッシュフロー計算書になります。

5.まとめ

出納帳方式で取引を入力(補完)すれば、「あと少し」の穴埋めができますよ、といういたってシンプルな結論になりました。

ちなみに、まちの税理士がお勧めする完全無料のクラウド会計システムは、⬇️クラウド円簿です。
複式簿記するための具体的な入力方法にも触れていますので、ぜひチェックしてもらいたいです!

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