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ChatGPT時代の企画能力の磨き方


こんにちは、TOMです。NOTEは大分ご無沙汰しておりましたが、ChatGPTの登場で突然書く気になりました。笑

で、まず当方の氏素性の確認ですが、
私は元々博報堂出身のマーケティング・プランナーです。45年近くやっているベテランです。

これまで著作として、以下の3冊を上梓しました。
博報堂で学んだ負けないプレゼン」2019年8月ダイヤモンド社刊

スマホメモ~仕事と人生の質を上げる凄いメモ術~」2019年12月CCCメディアハウス刊

企画書とプレゼン実践講座」2021年10月日本実業出版社刊

タイトルからわかるように、私はいわゆる「企画」=マーケティングやブランディングなどのビジネス・プランニングを専門として生業としているわけですが、ご存知のようにChatGPTの登場で業界は騒然となっていますね。

反響の内容は、我々の仕事がほぼAIに代替されるのではないか?という脅威と、ではAIにできないことは何で、我々はどんな生き残りを図っていけばいいのか、という対策への待望に分かれています。

そこで考え付いたのは、まず私が日頃やっている、いわゆる企画の仕事をChatGPTにやらせると、どこまでできるのかということと、また、ChatGPTでできる部分、できない部分は何で、それらを踏まえて、我々プランナーは今後どんなスキルを強化していけばいいのかを主題にレポートしていくということです。

恐らく、他でも似たようなトライをしている方がいるかと思います。
私の場合は、出自が博報堂なので、どちらかと言うと、博報堂流のプランニング術において、ChatGPTとのタッグの組み方という視点になります。


■方法と手順について

方法と手順としては、
Ⅰ まず、ChatGPTに仮想の企画をやらせてみる
⇒ ここで、彼らができる企画はどういうレベルで、どういう特徴があるかを考察
Ⅱ 次に、自らのアイデアを組み込み、企画をブラッシュアップする
⇒ AIの立てた企画を前提として、自分たちの知恵を入れると、企画はどこまでブラッシュアップできるかを考察
Ⅲ ChatGPTの効用と限界を知る
⇒ 上記の作業を通じて、ChatGPTの得意なこと、我々人間が得意なことを洗い出す
Ⅳ 生成AIの使い方ティップスを導き出す
⇒ AIと人間はどうタッグを組んでいったらいいのかを考察

でいきたいと思います。


それでは、始めましょう。

第1章ChatGPTとの協働作業

■仮想企画「ランドセルの商品開発」

まず、ChatGPTに与える仮想の企画ですが、「ランドセルの商品開発」にしてみたいと思います。

今も昔も変わらぬランドセル

背景を簡単に説明します。
これは私の「スマホメモ」の中にあった着想です。ちなみに、私は現在もスマホに思考メモを溜めこんでおり、その数は1万1千に達しています。(後章で、スマホメモの効用についても言及します。)

その中の一節、
「朝早くから重いランドセルを背負いながら徒歩で学校に向かう小学生たちを見て、思わず「重いんだろうな」と思った。
振り返れば自分もそうだったなあ。あれからもう50年以上経っても、いまだにランドセルなのか。
待てよ、今時のビジネスパーソンでもかなりの割合でビジネスリュックを背負って通勤している。かつては手持ちのビジネスバッグが常道だったが。
つまり、リュックという形態は昔も今も機能的で時代に合った荷物入れなわけだ。
そりゃそうだよな。背中で担ぐ分、両手が開くし、身体への負担も少ない。つまり、リュックもランドセルも形態としては、今の時代も〇(マル)なわけだ。
でも問題は、ランドセルは、実用面では50年進化が止まっているように見えることだ。今時の小学生が運ぶものも昔と比べれば変わってきているだろう。なのに、いまだに牛皮で覆われた型が決まったかさばる重い入れ物を背負い続けているのはいかがなものか」

こんなことをつらつら考えていたわけです。

そこで、『新しい発想のランドセル』という商品開発ができないかというテーマでChatGPTとの対話を始めてみることにしました。

■使用するプランニングのフォーマット「リボンフレーム」

さて、ChatGPTを使うにあたって、まずは、どんなプロンプト(質問)を用意してAIと会話を始めるかです。

が、その前に、ChatGPTとの対話を通じて作る企画がビジネスとして、しっかり提案の体裁をなしているように、あらかじめ、ビジネスプランニングのフォーマットに則って、つまり、書類への落とし込みの工程を踏まえて会話を進めて行くのが効果的と考えました。

ここで筆者が日頃から使っている「リボンフレーム」というフォーマットを紹介します。

リボンフレームは、下記のribbonのようなフレームで、左から右に4つの工程でプランニングを進めて行くフレームです。

①市場環境整理
②課題
③戦略
④アクションプラン

これは、一時博報堂のグローバルで使っていたフレームなのですが、人が企画を行う際の脳の動き可視化したものなので、作業手順に従って、フレームの中身を埋めてしまうと、ほぼ自動的に企画書ができてしまいます。
特徴は、市場環境整理の後、できるだけ絞り込んだカタチで課題を設定し、それに対応する戦略を書いて、それに基づいいてアクションプランを展開するという「絞り込みと拡散のフレーム」であることです。
恐らく、皆さんもこんなステップで企画書化しているのではないでしょうか。
(リボンフレームについて興味のある方は、拙著の「企画書とプレゼン実践講座」を参照してください)

なので最初からこのプロセスでChatGPTと対話をしていくと、効率的ではないかと思った次第です。

■第1次プロンプトの作成

早速、この方針に基づき、まずは、プロンプトの作成をしてみます。

まずは、趣向として、冒頭に、AIに何の予備知識やこちらの思いを与えず、ChatGPTに素朴な質問を与え、答えを聞いてみることにしました。

Q. ランドセルの商品開発をしたい。何かアイデアはありますか?(答えは後程)

次に、リボンフレームに従って、①市場環境整理、②課題、③戦略、④具体計画の順にを対話をしていくプロンプトを以下のように用意します。

①日本のランドセルの市場環境分析をして下さい
①日本におけるランドセルの市場規模と成長率、競合を教えてください
①環境に配慮した製品やオリジナルデザインのランドセルを提供する新興ブランドは何ですか
②ランドセルの市場に新商品で参入したいと考えています。その時の課題は何ですか?
③具体的にどういう商品を開発すればいいですか
④ランドセルの新商品の流通戦略についてアドバイスしてください
④ランドセルの新商品を投入する際の広告宣伝戦略についてアドバイスしてください

ついでに、知っておくべき付随情報も質問しておきました。

⑤ランドセルの規制があれば教えてください
⑤新商品の製造にあたってOEMのいい企業はありますか?
⑤ランドセルの現行の小売価格はどのくらいか?
⑤同じく、重量はどれくらいか?

で、まずは、冒頭の素朴な質問に対するChatGPTの答えです。

■第1次ChatGPTとの会話から得られた企画書の内容

Q. 日本におけるランドセルの商品開発をしたい。何かいいアイデアはありますか?

A. 日本の学童が使用するランドセルは、その耐久性や伝統的なデザインが評価されています。しかし、これらの伝統的な要素を尊重しつつ、新しい機能やデザインを提案することで、ランドセルの商品開発を行うことができます。

エコロジーとサステナビリティ: 環境保護の意識が高まっている現代において、エコフレンドリーな製品はますます需要が高まっています。リサイクル素材や環境に優しい素材で作られたランドセルを提案することで、環境に配慮した製品開発を行うことができます。

カスタマイズ: 子供たちが自分だけのオリジナルのランドセルを持つことができるよう、カスタマイズ機能を提供することも一つのアイデアです。例えば、名前や好きなイラストを刺繍するなどのオプションを提供することで、より個性的なランドセルを作ることができます。

スマート機能の導入: スマートフォンやタブレットと連動するランドセルも需要があるかもしれません。例えば、GPSを搭載して子供の安全を確保したり、電子デバイスを充電するための内蔵バッテリーを設けるなどの機能を追加することが考えられます。

快適性と健康に配慮したデザイン: 長時間の使用による疲れを軽減するためのエルゴノミクスデザインや、背負う際の負担を減らすための軽量化など、子供たちの健康と快適性に配慮したデザインも重要です。

以上。

さあ、あなたはどういう印象を持ちましたか?

私の第一印象ですが、ざっくりした質問の割には、整然とした新商品アイデアが網羅されています。
やるな、ChatGPT!

しかし一方で、①答えが抽象的②答えが並列的というのが気になりますね。

①答えが抽象的に関しては、質問があまりにおおざっぱというのが大きいかもですね。もっとスペシフィックに問答していかないとだめかなと思いました。

②答えが並列的に関しても、AIがさらってくる関連知識、情報はプライオリティがないので、集約分類するとこんな感じという答えにならざるを得ないということですね。
一言で言うと、重みづけがない ということになります。

しかし、企画者が何も情報がない段階で、AIがいきなりこのような答えをくれたら、大いに参考になるのは確かですね。

さて次に、先述の用意したプロンプトに従って、本格的に対話を始めました。
その内容を一々紹介するのはちょっとかったるいので割愛し、最後のプロンプトの質問、要はChatGPTが示した見解を企画書風にまとめてくれというを指示し、どのようにまとめられたかを紹介します。

Q. 以上の対話を通じて、ランドセルの新商品の市場導入戦略の提案書を作りたいと思います。1市場環境分析、2課題、3導入戦略、4アクションプランの順で4頁の企画書をつくってください

A. 企画書タイトル: 「持続可能なランドセルの新規市場導入戦略」

1.市場環境分析

定常的な需要:ランドセル市場は、新学期ごとの定常的な需要が存在します。

競争の激化:市場は既存の伝統的なランドセルメーカーだけでなく、新興ブランド、ライフスタイルブランド、高級ブランドなどからの製品投入により、競争が激化しています。

消費者の意識の変化:最近の消費者は、耐久性だけでなくデザイン、機能性、エコフレンドリー性などを重視する傾向にあり、これらの要素が購入意志に大きな影響を及ぼしています。

2.課題

新規参入者が市場で成功するためには、以下の課題を解決する必要があります:

ブランド認知度の向上:既存の有名メーカーと競争するためには、自社ブランドの認知度を高めることが必要です。

付加価値の提供:市場に新しく参入するためには、他社製品との差別化が重要です。独自のデザイン、機能性、エコフレンドリー性など、自社製品の付加価値を明確にすることが求められます。

信頼性と耐久性の確保:ランドセルは一度の購入で長期間使用されるため、製品の信頼性と耐久性を確保することが必要です。

3.導入戦略

以下の戦略を用いて、新商品の市場導入を成功させることを目指します:

付加価値の明確化:独自のデザインや機能性を提供することで、他社製品との差別化を図ります。特に、環境に配慮した製品設計やリサイクル可能な素材の使用など、エコフレンドリーな要素を強調します。

ターゲット市場の明確化:市場全体に向けて広く製品を展開するのではなく、環境意識の高い親世代や、個性を重視する消費者をターゲットにするなど、特定のセグメントを明確にします。

強力な流通戦略:自社のウェブサイトをはじめ、有名なECサイトや実店舗など、様々なチャネルでの販売を行います。

4.アクションプラン

製品開発:ターゲット市場のニーズに合った製品設計を行い、OEM企業と協力して生産します。

マーケティング:ブランドストーリーや製品の付加価値を伝えるためのマーケティング戦略を策定し、適切なチャネルを通じて広報活動を行います。特に、SNSやインフルエンサーを活用したデジタルマーケティングに力を入れます。

流通:複数の流通チャネルを活用し、消費者が製品を簡単に購入できるようにします。また、実店舗での販売についても検討し、製品の魅力を直接体験できる機会を提供します。

以上。

■ChatGPTのいい所、悪い所

さて、このような第1次対話を通じた成果を通じて、ChatGPTのポジティブな面、ネガティブな面として個人的見解をまとめてみました。

【ポジティブ】

①網羅性
・企画にあたって抑えるべきポイントを網羅してくれる

②要約力と整理力
・誰でも要約や整理は面倒なもの。そこを代替してくれるのは大きい

③既知の見落とし防止
・自分が知らなかった情報、知識を教えてくれる

【ネガティブ】

①抽象的すぎる
・言葉はものごとを抽象化して高次元の理解を促進する役割を持っています。LLM(ラージ・ランゲージ・モデル)によって、それがスムースにでき、見た目、頭の良さげなアウトプット、整理になっていますが、逆に、全てが抽象的であるため、ズバッと刺さったり、印象付けたりする文章になっていませんね。

②言ってることが当たり前
・例えば、ブランド認知度の向上、ターゲットの明確化など、一々「当り前やんけ!」というケチをつけたくなるのは私だけでしょうか。

③無意志
第二の特徴とダブりますが、つまり、AIは新商品導入の企画書を作る時、押さえなければいけないポイントを示してはいますが、それを羅列するだけでは主張や説得がないと言わざるを得ません。
これは先述のように、整理された要素に対し、重みづけがないからです。簡単に言えば、無意志ということです。

以上が、ChatGPTの効用と限界として、浮かび上がりました。

■第2次ChatGPTとの会話

では次に、市場の見方、切り方、アイデアなどプランナー自身の問題意識や考えを加味して質問していくと、ChatGPTの回答はどう変わっていくのかを見てみます。
また、それぞれの回答から筆者が感じたことを「筆者の感想」としてコメントしました。

Q. 日本の小学生が通学に使うランドセルは何十年たってもいまだに使われており、進化してませんよね?

A. 確かに、日本の小学生が使うランドセルは、何十年も前からほぼ同じ形状や機能を持っており、進化していないと言えます。
しかし、近年では、ランドセルメーカーが機能的でデザイン性の高い新しいタイプのランドセルを開発していることもあります。例えば、軽量で通気性が良く、背負い心地のよいランドセルや、LEDライトを搭載して夜間でも安全に通学できるようになっているランドセルなどがあります
また、最近では、スマートフォンと連動するランドセルや、GPS機能を搭載して子どもの安全を守るランドセルなど、テクノロジーを活用した進化したランドセルも登場しています。
ただし、それでも日本の多くの小学生が使っている伝統的な形状のランドセルは、愛着があり、懐かしさを感じる人も多く、なかなか変わることができないのも事実です。

(筆者の感想)
・より具体的な事例が出現し、アイデアの萌芽を与えてくれる。いいね!

Q. 例えば、ビジネスピープルはここ10年くらいで通勤にビジネスバッグからビジネスリュックを使うようになりました。軽いし、パソコンやペットボトルを携帯するのに便利ですからね。つまりその方が実用的なわけです。ランドセルも時代に合わせてもっと実用的にできると思いますがいかがでしょう?

A. 確かに、ビジネスピープルがビジネスバッグからビジネスリュックへの変化があったように、ランドセルも時代に合わせてより実用的なデザインや機能を取り入れることができると思います。
例えば、ランドセルに背負いやすさや通気性の良さを重視したデザインを取り入れたり、雨に強く、軽量で、反射材を搭載して安全性を高めたデザインを採用することもできます。また、子どもたちがスマートフォンやタブレットを使う機会が増えている現代においては、電子機器を収納するポケットを追加するなどの工夫も可能です。
ただし、伝統的な形状やデザインを保持しながら、機能的なデザインを実現することが重要であり、子どもたちがランドセルに愛着を持って使い続けることができるようなデザインを考えることも大切だと思います。

(筆者の感想)
・筆者のアイデアを元に、より絞り込んだ具体事例を与えてくれる
・筆者のアイデアを肯定しつつも世の中全体の知識に基づき中立を保とうとする

Q. 日本での2023年からデジタル教科書が本格的に導入されます。これが普及すると紙の教科書は必要なくなるわけです。それを見越して、デジタル教科書時代にふさわしいもっと薄いランドセルがあってもいいと思いますがいかがですか?

A. デジタル教科書が普及することで、紙の教科書が必要なくなる可能性があります。
しかしながら、紙の教科書が廃止されても、ランドセルには様々な物を入れる必要があるため、完全に薄くて軽量なランドセルが求められるとは限りません。例えば、筆記用具、上履き、体操服、お弁当、飲み物などを持ち運ぶ必要があるため、十分な容量を持つランドセルが必要です。
また、ランドセルはただ機能的であるだけでなく、子どもたちが愛着を持って使い続けることができるようなデザインも求められます。そのため、薄型化や軽量化に加えて、デジタル教科書に対応する新しい素材や機能的なデザインなど、多角的なアプローチが必要だと思われます。

(筆者の感想)
・(デジタル教科書の導入という)市場の旬な情報を与えることで、より問題意識に即した回答を与えてくれる
・しかし相変わらず既知の情報を盾に変わらないニーズがあることも指摘

Q. ランドセルの価格ですがいまだに5万円くらいします。一方ビジネスリュックは安いものは4千円くらいで買えます。ランドセルは価格的にもっと安くできると思いますがいかがでしょう?

A. 確かに、ランドセルは高価格帯の製品となっており、一般的には5万円前後という価格帯が一般的です。一方、ビジネスリュックは4千円程度で購入できる場合があります。
しかし、ランドセルの価格が高い理由は、素材や製法、機能性、耐久性などの要素が複合的に作用しているためです。ランドセルは、子供たちが長時間背負う必要があるため、快適性や安全性に配慮した設計が求められます。また、素材には高品質で丈夫なものを使用する必要があります。これらの要素が高価な価格帯を生み出しているのです。
しかし、新しい素材の使用や製造技術の進歩、流通コストの低減などが進めば、ランドセルの価格帯も変化する可能性があります。安全性や快適性に配慮しつつ、よりリーズナブルな価格で提供できるようになると良いですね。

(筆者の感想)
・低価格化の可能性を指摘したが、現在の高価格にも理由があると反論。意外に保守的と言うか、世の中に低価格化の余地があるという情報が出回っていないからだろう
・が、結局はこちらの意志を肯定

Q. デジタル教科書時代にふさわしい新しいランドセルを作りたいと思います。どんな観点が必要ですか?

A. 新しいランドセルをデジタル教科書時代に合わせて設計する場合、以下のような観点を考慮する必要があります。
軽量性: ランドセルが軽量であることは、子供たちが毎日持ち運ぶ上で非常に重要です。特に、電子機器などを持ち運ぶ場合は、重さがさらに重荷となるため、軽量化が求められます。

耐久性: ランドセルは、毎日の使用に耐える耐久性が必要です。また、デジタル機器を入れるための専用ポケットやパッドなどが必要になります。

通気性: ランドセルが通気性に優れていることは、子供たちが暑い季節でも快適に過ごすために重要です。

セキュリティ: デジタル機器は高価なため、ランドセルのセキュリティも重要です。ランドセルにロック機能や、内部の機器を保護する機能を搭載することが考えられます。

デザイン: ランドセルのデザインは、子供たちが気に入り、楽しく通学できるように考慮する必要があります。また、デジタル教科書時代にふさわしいモダンなデザインが求められます。

これらの観点を考慮して、新しいランドセルを開発することができます。

(筆者の感想)
正直、デジタル教科書だろうと紙の教科書だろうと変わらない観点が多いと感じた。相変わらず並列型だし

Q. これらの観点を考慮して、デジタル時代にふさわしい新しいランドセルのコンセプトを考えてください。

A. デジタル時代にふさわしい新しいランドセルのコンセプトを考えるにあたって、以下のようなアイデアが挙げられます。

軽量化とスリム化
デジタル教科書が普及することで、重い教科書を持ち運ぶ必要がなくなります。そのため、軽量でスリムなデザインが求められます。

多機能性
ランドセルは、学校で必要な物を入れるだけでなく、スマートフォンやタブレット、ノートPCなどのデバイスも収納する必要があるかもしれません。そのため、多機能であることが求められます。

防水性
ランドセルは雨の日にも使用するため、防水性が求められます。デバイスを収納するためのポケットも、防水仕様であることが望ましいです。

エコロジー
ランドセルは毎年購入する必要がありますが、環境に配慮した素材を使用したり、リサイクル可能な素材を使用するなど、エコロジーな素材やデザインにすることで、環境負荷を軽減することができます。

セキュリティ
デジタル教科書を入れるランドセルには、セキュリティ機能が必要です。例えば、ロック機能を備えたファスナーや、防犯ブザーを装備するなどの工夫が必要です。

デザイン性
デジタル教科書時代にふさわしい新しいランドセルは、機能性だけでなく、デザイン性も重要です。子供たちが自分の好きな色やデザインを選び、自分らしいランドセルを持つことができるようにすることが望ましいです。

以上のような観点から、軽量かつスリムで多機能なデジタル時代にふさわしいランドセルを開発することが求められます。また、エコロジーな素材やセキュリティ機能、デザイン性にも注力することで、より良いランドセルを作り上げることができます。

(筆者の感想)
・こちらから絞り込みの指示がないからか、今までの会話を踏まえて前置きしても、アイデアもコンセプトも一般的で並列的なものなってしまう

Q. フィンランドやアイスランドなどのデジタル先進国の小学生の通学バッグはどのようなものでしょうか?

A. フィンランドやアイスランドなどのデジタル先進国では、小学生が通学に使用するバッグは一般的に軽量で、デザインもシンプルで機能的なものが主流です。例えば、リュックサックやショルダーバッグなどがよく使用されます。また、雨や雪の多い地域では防水性が高い素材を使用したバッグも一般的です。一方、デジタル化が進んでいるためか、紙の教科書を持ち歩く必要がなくなってきており、スマートフォンやタブレット端末などの電子機器を持ち運ぶためのバッグが増えてきています。

(筆者の感想)
新商品のコンセプトの幅を広げるため、他国事例をヒントとして出してみた所、ようやくフォーカスされた新コンセプトにできるような情報が出てきた!

Q. 上記の具体的な例を知りたいのですがありますか?

A. フィンランドやアイスランドでは、小学生の通学バッグとして、以下のようなものが使われている例があります。

バックパック型のリュックサック:重量配分が良く、背負いやすいとされています。多くの生徒がこのタイプのバッグを使っているとされています。

トートバッグ型のショルダーバッグ:軽量で、取り扱いが簡単とされています。また、リュックサックよりもスマートな印象を与えることから、女子生徒によく使われています。

クロスボディバッグ:ショルダーバッグの一種で、斜めに掛けることで背中や肩への負担を軽減することができます。小さめのサイズが多いため、軽量な荷物に適しています。

ハンドル付きのトートバッグ:軽い荷物を持ち運ぶのに適したデザインで、女子生徒がよく使うとされています。

これらのバッグは、通学用に特化したデザインや機能性が求められています。また、学校によっては、生徒が自分で選んだバッグを持ってくることが許されている場合もあるようです。

(筆者の感想)
ビジュアル情報が欲しいところだが、出てこない。
・そこで、写真、イラストなどのビジュアル情報が得られるサイトを教えてもらうことにした

Q. 上記の写真やイラストが見れるサイトを教えてください

A. フィンランドの小学生の通学バッグについての写真やイラストが見られるサイトは、以下のリンクが参考になるかもしれません。
Helsinki Region Transport: https://www.hsl.fi/en/tickets-and-fares/child-ticket-conditions/schoolchildren
Finland Guide: https://www.finland-guide.com/education-in-finland
Visit Finland: https://www.visitfinland.com/education/school-system/
Edunation: https://www.edunation.co/studyinfinland/blogs/how-is-the-education-system-in-finland-structured/

アイスランドについては、以下のリンクが参考になるかもしれません。
Inspired by Iceland: https://www.inspiredbyiceland.com/plan-your-trip/practical-info/education-system/
Visit Iceland: https://www.iceland.is/education/school-system/
Study in Iceland:

(筆者の感想)
・上記の一つかから、こちらが考えていることに近いビジュアル情報を入手!


ノルウェーの国民的リュックブランド


以上、ChatGPTとの第2次会話ですが、それらを通じて、こちらの考えていることをより鮮明にした企画書への改良を試みました。
ここは自分自身でやるしかない(笑)

■第2次会話後、改訂作業のポイント

1.市場環境について

毎年一定の大きな市場が発生する定常市場という最初の認識は変わりない。
食い足りないのは、二番目の競合環境の激化、消費者意識の変化についてです。

そもそも筆者のスマホメモでの問題意識は、50年も経過して全く商品内容が変わっていない市場はおかしいのではないかということである。

どうおかしいかと言うと、ビジネスリュックなどは電子機器の持ち運び易さなど商品もどんどん機能的に進化し、かつ最低価格は4千円からでも買えるのに対し、ランドセルの商品スペックは基本的に全然変わっていないし、かつ1つ4万も5万もするのである。
メーカーも消費者も思考停止になっていませんかということだ。

市場環境整理の部分ではそこのところを言わないと新商品登場の意味につながらない

なので、以下のように整理し直しました。

60年たっても変わらない商品形態
・ビジネスリュック市場では消費者ニーズの変化に対応し、軽量で機能的かつリーズナブルな価格になっているのに対し、ランドセルは全く進化していない
新時代のニーズとのズレ
・メーカーや販売者は親や祖父母の子供への愛情を優先することをいいことに、あまりに高い価格、余計な機能など思考停止に陥ってる。
・2023年デジタル教科書の導入時に、このままの商品形態だとさらにこのズレが顕在化する

加えて、筆者の問題意識は、こうした変わらない元凶は、教育業界の岩盤構造にあり、これを崩さないと何ともならない。しかるに、最近ようやく時代の流れに対応した改革を唱えることが始まっている。このトレンドを利用して、ランドセル業界にも風穴と明けたいということにあります。
なので、このインサイトを以下のように付け加えました。

教育業界もデジタル・AI時代への対応を模索
・文科省、教育委員会も重い腰を上げ、デジタル時代の新しい教育の在り方について改革に着手し始めた

2.課題について

さて、市場環境整理をこのような問題意識を加えて再構成すると、自ずと課題も第1次企画書とは変わってきますし、当然、もっと絞り込まれた具体的な課題にすべきです。
ここでは、以下のように絞り込みました。

時代変化に対応した新しい発想のランドセルを市場への提案
・本格的なデジタル・AI時代を迎え、時代やライフスタイルの変化に対応し、市場ニーズに合った新しい発想の商品を開発、提案し、思考停止となっている業界に風穴を開ける

3.戦略について

課題を上記のように整理し直せば、当然、戦略も変わってきます。
また、もっと輪郭がはっきりしたメッセージ型の文章が必要になってくます。

ここでは以下のように整理しました。

デジタル教科書導入をきっかけに全く新しいコンセプトのランドセルを企
 画販売

・今、デジタル時代の新しい教育への改革のトライが始まっている
・2023年デジタル教科書の導入で、消費者の意識が変わるのをきっかけに、タイムリーに新しいコンセプトのランドセルを提案する

4.アクションプラン

アクションプランもこうした独自の問題意識、課題と戦略を反映したものに手直ししました。

◆ビジネスリュックを参考にデジタル教科書時代に相応しい軽量で持ち運び
 易いランドセルをOEM企業と組んで開発

◆シンプルなデザインと機能にして低価格で販売

◆DXに理解ある教育関係者(文科省、教育委員会)に個別アプローチし、こ
 うした考えに理解、共感を得る

◆渋谷にポップアップストアを開設し、××氏を広告塔に積極的なPR活動を
 展開

以上が、筆者(プランナー)が独自に改訂した作業の視点と内容です。

■第1次企画書と第2次企画書の比較

さて、改めてここで、1次企画書と2次企画書の内容を比較してみましょう。

こうした時、企画全体をリボンフレームを使って表示すると便利です。
俯瞰して見ることで、各項目の表現の適切さやつながりやわかりやすいからです。

ではまず、第1次リボンフレームから。(便宜上、実際の文章からさらに要約しました)


続いて、第2次リボンフレームは以下。

2つを比較してみて、あなたの印象はどうでしょうか?

■作業を通じての結論

誰もが感じるように、企画書は全く違った見え方になりました。

具体的には、第2次企画書は、個々の文章に意味があるし、全体にも企画の内容、言いたいことがクリアになっています。

たまたま最初にChatGPT主導で、次に自分視点を入れて対話を展開したわけですが、ChatGPTとのタッグの組み方として、以下のような指針がいいのではないかと思いました。

①ChatGPTが整理した市場環境に自分自身の考えを加え、再整理すると、課題、戦略が全然変わり、主張が明快になる

②アクションプランも、この方向性に即した実践的なものに置き換わる

この作業を通じての私の印象は、「正直少し安心した」ということです。

ChatGPTのスキルが私たちの日頃発揮しているスキルを奪うのかと言うと、決してそんなことはない。むしろ、アウトプットの質の違いを際立たせるかもしれないなと思います。(少なくとも現時点では)

一方、ChatGPTができて私たちにはできないこともあるのも事実です。
ならば、双方のいい所を取り入れ、これからはChatGPT×自分のスキルというワーク方針でむしろ自分の潜在能力を伸ばせるかもしれないとポジティブに考えるのがいい。というのが私の結論です。

第2章 ChatGPTの使い方ティップス


さて、一連の作業を経て、第Ⅱ章に入ります。

■ジェネラルインサイトとローカルインサイト

前章の作業でChatGPTのいい所、悪いところを洗い出しましたが、もう1回整理しましょう。

【ChatGPTのいい所】
①網羅性
②要約力と整理力

③既知の見落とし防止

【ChatGPTの悪い所】
①抽象的すぎる
②言ってることが当たり前

③無意志

なぜこのような特徴になるのか、改めて考えてみますと、
ChatGPTから得られる情報、知識は、一言で言ってしまえば、ジェネラル・インサイトだからでしょう。
言い換えれば、それらは今存在する、既知の知です。
世界は広く、私たちの知らない情報や知識も多い。それをグローバルにクローリングし、世界のあらゆる知を拾ってこれる。
これがChatGPTの良さです。

一方、企画の当事者が持っているのは、一言で言えば、ローカル・インサイトです。

すなわち、その人特有の、あるいはその会社や集団特有のノウハウや技法などの知やそれに基づく見識、価値観を持っているということです。

また、まだ世界にはない考えやアイデアを持っている、あるいは持てる可能性が高いとも言えるでしょう。
敢えて言うと、AIからは決して出てこない新しい知を持っている。

なので、双方のいい所取りをするということは、

「生成AIのジェネラルインサイト×人間のローカルインサイト」という視点で企画作業をバージョンアップすると、よりパワフルなものになっていくということでしょう。

ジェネラルインサイト×ローカルインサイトで企画をよりパワフルに

■ChatGPTとのタッグの組み方

ここまで来て、ChatGPTのいい所・悪い所や人間との違いを見てきて、では、企画作業において、どんな手順での組み方がいいか考えてみました。

シンプルですが、3段階で作業するのがいいと思います。

第1段階:重箱の四隅を抑える
・初動は、重箱の四隅を押さえ、市場の掴みを取る作業
・これはまず、世界の隅々までジェネラルインサイトとして把握しているChatGPTに聞いてみる
・ざっくりだが、市場全体の整理ができ、押さえるべきポイント、気づかなかったポイントなどの発見がある
・この作業はChatGPTに主導権がある

第2段階:対話を通して原石を磨く
・自分(プランナー)の問題意識、仮説、アイデアなどをChatGPTに投げかけ、その評価を聞いたり、関連する知識や、さらに深堀りすべきエリアなどを把握し、企画全体のインサイトを深める
・この作業は人間に主導権があるものの、ChatGPTは対話相手となることでプランナーが抱く企画の原石が磨かれる

第3段階:エッジ―な企画にブラッシュアップ
・これまでの情報を総合して、企画案を再構成
・課題やイシューの絞り込みを行い、主張を明確にしていく
・アクションプランをよりフィジブルなものにしていく
・この作業は人間主導であり、企画案のレベルが格段に高まる

ひとまず、以上のようなチップスが浮き彫りになりました。

この他にも色々なファインディングがあったので、これらに関連するいくつかのトピックや考察についても引き続き書いていきたいと思います。
(続く)



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