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味以外のおいしさの科学: 見た目・色・温度・重さ・イメージ、容器・パッケージ、食器、調理器具による感覚変化

食のおいしさは“味・香り・テクスチャー”だけでは決まら ない!?

・見た目・色や温度・濃度・重さ、食器の色・材質、更に
 パッケージや食に纏わる情報でおいしさが変わる?
・食環境・音楽・食空間の雰囲気、食べる相手によっても
 おいしさが変わる?
・調理器具・機器、調理方法の違いによってもおいしさが
 変わる?

 食べ物をおいしいと感じるのは舌で感じる味覚が重要なのは勿論だが、味覚はどの位おいしさに関与しているのだろう?
 以前砂糖水にオレンジフレーバーを入れたもの飲ませてもらった事があるが、何とただの砂糖水がオレンジジュースの味にしか思えなかった経験がある。更にレモンフレーバーを入れるとレモンジュースの味に感じるのは勿論、酸っぱいとも感じるから不思議だ。
 食べ物のおいしさには味覚と共に嗅覚も非常に重要な役割を果たしていることが分かる。

 さらに食品の触感やのど越し等のテクスチャーもおいしさに重大な影響を与えているであろう事は容易に想像できる。
 やわらかいおせんべや、羊羹のような触感のビールがあれば想像しただけでおいしくなさそうだ。

 食べ物をおいしいと感じるのはこの味覚、嗅覚、テクスチャーの3つで決まるのだろうか?
 いや、まだまだありそうだ。特に視覚で感じる見た目の影響もかなりありそうだ。青い色のバナナやカレーライスは如何にも不味そうだし、有名シェフの調理した料理は見ただけでおいしそうだ。
 更にお皿の色、柄や食べる雰囲気、食べる相手でも味は変わりそうだ。

 そんな事をあれこれ考えていた時に味、香り、テクスチャーを除いて食品をおいしいと感じる研究を纏めてみようと思いついて企画したのがこの本だ。
 調べれば調べるほど様々な研究があって面白い企画になった。


味以外のおいしさの科学 監修 山野 善正 2022/11/7
第1編 食品の見た目とおいしさ
 第1章 視覚・脳から見たおいしさ
  第1節 視覚と食品の状態評価 《和田 有史/松原 和也》
  第2節 食品のおいしさ等に影響する見た目と咀嚼音 《岡嶋 克典》
  第3節 脳から考えるおいしさとは 《萩原 一平》

 第2章 食器の色・柄とおいしさ
  第1節 食器の色・材質・様式とおいしさ 《豊満 美峰子》
  第2節 染付皿の青色が食欲や心理的おいしさに与える影響《数野 千恵子/川嶋 比野》
  第3節 容器の色彩が飲料の味覚強度に及ぼす効果とその基礎についての検討
     《一川 誠/岡田 和也/和氣 祐人》

 第3章 包装・パッケージ・情報とおいしさ
  第1節 おいしさ・健康・安全性を包む食品包装 《石谷 孝佑》
  第2節 食品パッケージデザインと消費者感性 《井上 勝雄》
  第3節 おいしさを生み出す情報の役割 《上田 隆穂》
  第4節 ブランドが食品の味わいやおいしさの評価に及ぼす影響 《大沼 卓也》
  第5節 食品の保存と熟成とおいしさ 《石谷 孝佑》
  
第2編 食環境とおいしさ
 第1章 食器・容器の材質とおいしさ
  第1節 食器・食具の種類および材質について 《赤堀 博美》
  第2節 タンブラーの材質・表面構造による,ビールの泡立ちの違いについて《檜垣 高志》
  第3節 コップの手触りが飲料の味や印象に与える影響 《小川 緑/綾部 早穂》
  第4節 モノ(人工物)としての食品とパッケージ:ユーザ視点からの「経験」評価アプローチ
     《原田 悦子/安久 絵里子》

 第2章 喫食環境とおいしさ
  第1節 背景色とおいしさ 《冨田 圭子》
  第2節 音楽の聴取と味覚の感受性 《森 博子/加藤 みわ子》
  第3節 おいしさの評価に関与する食環境 《中野 久美子》
  第4節  器と料理のフィッティングイメージ ―視覚環境と味覚・満足度に関する研究― 
     《向後 千里》

 第3章 錯覚・感覚強化とおいしさ
  第1節 バーチャルリアリティによる味覚の変化 《鳴海 拓志》
  第2節 電気刺激による味覚の拡張 《中村 裕美》
  第3節 他者と食べる共食の効果,鏡の効果 《中田 龍三郎》

 第4章 食の属性とおいしさ
  第1節 食物摂取における咀嚼・嚥下過程とレオロジー特性 《森髙 初惠》
  第2節 食の濃度情報とおいしさ 《田村 啓敏》
  第3節 食べ物の重さと味わいの関係 《廣瀬 雅治》
  第4節 温度と味 《富永 真琴》
 
第3編 調理環境とおいしさ
 第1章 調理機具とおいしさ
  第1節 各種調理器具とおいしさの関係 《渋川 祥子》
  第2節 鍋・フライパン材質と加熱特性・食品物性 《杉山 久仁子》
  第3節 包丁の研ぎと切れ味 《橋本 賢樹》

 第2章 調理機器とおいしさ
  第1節 電子レンジ調理とおいしさ 《肥後 温子》
  第2節 過熱水蒸気オーブンの特性 《竹中 重雄/吉田 有里/宮武 和孝》
  第3節 トーストのおいしさと高性能オーブントースターの開発 《山田 昌治》
  第4節 蒸し調理した野菜の甘味とおいしさ 《岸田 恵津/井奥 加奈》
  第5節 電気圧力鍋,低温調理器とおいしさ 《渋川 祥子》

 第3章 食品加工機械とおいしさ
  第1節 おいしさを生み出す連続蒸気炊飯装置 《竹満 初穂/北村 進一》
  第2節 真空フライ法による野菜・果物チップスのおいしさ 《吉村 美紀》
  第3節 減圧含浸処理を用いた新しい介護食品・乾燥食品の開発
     《中津 沙弥香/柴田 賢哉/渡邊 弥生》

 第4章 分子調理とおいしさ 《石川 伸一》


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