見出し画像

入力データミス

入力データミスあるいはデータ入力ミスは、設計や実装と言ったプログラムにまつわるミスではなく、テスト工程において生じる進め方のミスです。期待した結果にならない以上、これも1つの「不良」となります。

 「プログラムそのものに問題がないなら、バグじゃないじゃん」

と勘違いされる方もいますが、そのプログラムに問題が無いことを証明するためにテストがあるにもかかわらず、テストの品質自体が疑わしい内容になっているようではすでに消化された他のテストまで疑わなければならなくなってしまいます。

少なくとも開発プロセスやマネジメントに対する不良・欠陥なのはいうまでもありません。当然、そのような開発プロセスやマネジメントによって作られた製品およびサービスも信用するに値しません。

そうならないよう、テストそのものの進め方に問題があった場合もきちんと見直しをしなければならないのです。ややエンジニアにとっては軽視しがちな不良/欠陥だけに、逆に注意しておいた方が良いポイントでもあります。

条件/原因

まず、問題を「問題だ」と認識した時、その原因を特定するためいろいろ調査すると思いますが、「入力データのミス」は、次の条件をすべて満たしたときにそう断定します。

 ・ チェックリストに誤りがない
 ・ 入力データに誤りがある

入力データは、原則としてチェックリストに記載されている必要があり、テスト段階になってテスト実施者が好き勝手に入力して良いようなものではありません。たまに

 「正しい値を入力時…」

なんてチェックリストを見かけることがありますが、何を以って「正しい」のか、設計者、実装者、チェックリスト作成者、テスト実施者の4者がすべて同じ認識であり、かつ設計者の認識が、顧客要求事項と齟齬が無いことを保証していなくてはなりません。

そのことを証明できないのであれば、曖昧な表現(形容詞、副詞、その他ビッグワード)を用いるべきではありません。

 「項目○○に"1"入力時…」

といったように、具体的な直値(リテラル値)を明確にしましょう。そうしないチェックリストが多用されている場合、あるいはチェックリストが読みにくい場合には「入力データミス」は発生するのです。


対策

対策するのは、次の通りです。

ここから先は

867字

¥ 200

いただいたサポートは、全額本noteへの執筆…記載活動、およびそのための情報収集活動に使わせていただきます。