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「下手」に学べば下手が伝染る

成長のための手っ取り早い方法に、

 優秀な人、ロールモデルとなる人から学ぶ

というやり方があります。もっとわかりやすく言えば『模倣する』のが最も手っ取り早いのです。

どれだけ優秀か知りませんが、我流に走って成長し、一角の人物になると言うことはまずありません。あるとしたらそれは天才だけです。

しかし、天才は模倣対象にはできません。
模倣する場合は、天才ではなく優秀な人にしましょう。

優秀な人をよく観察し、発言やメールの使い方、時間の使い方といった目に見える部分はもちろん、その裏側にある考え方や判断基準などを同時に洞察することが大事です。

考え方については、自分で想像がつかない場合は直接質問してみましょう。これは観察されている側にも意識していない気づきを与えたり、暗黙知の形式知化につながったりし、喜ばれることがあります。

 「下手」に学べば下手が伝染る

このフレーズは、職人や芸事などの世界で言い伝えられる言葉であり、対象人物を選ぶことの重要性をややひねった角度から伝えるものです。まぁ、言わんとしていることはわかりますよね。

たとえば、音楽や美術など芸術方面なんかだと、優れた師につくかどうかで成長のキャップ(上限)は変わってきます。料理の世界もそうですよね。建築などもそうです。

じゃあビジネスは?

ビジネスも手法、手段に限って言えば基本的には同じです。

人間性等が深く関係してくるものについては、『反面教師』という言葉もあるくらいなので、必ずしも優れている師でなくても大丈夫なのかもしれません。実際、私も多くの反面教師を見て、今に至ります。

ですが、スキルや実力、ノウハウなどは反面教師として学べることは決して多くありません。なぜなら「失敗例」を学ぶことはできても、「成功の仕方」がわからず仕舞となったままだからです。


特にビギナー時代に変な「型」がついてしまうと、なかなかそれが取れない場合があります。だからこそ特に若いビジネスパーソンにとっては、観察すべき「上手」となる見本、ロールモデルを選ぶことがとても大事なのです。

またたった1人のロールモデルからすべてを学ぶ必要はなく、学びたい事柄ごとに見本となる人を設ける方法もあります。

少人数の隔離された職場にいるなど、人事組織上どうしようもないこともありますが、ある程度の規模の組織であれば自助努力で見本を見つけ出せるケースが少なくありません。


一方で「反面教師」「われ以外みなわが師」という言葉もあります。

これらは相反するものではなく、結局何をどう学ぶかのスタンスの差といえるでしょう。それも意識して、効果的に「師」から学びたいものです。

またロールモデルに学ぶことを、より制度化してビジネスに転用した手法に

 シャドーイング

があります。

これは、指導役のリーダーに四六時中付き添って、会議への同席、顧客やパートナー訪問の同行などを行い、彼らの言動を観察することで学ぶという手法です。もとは英語を聞きながら、同時に音を真似して発音する英語学習法のことですね。音読の復唱や音楽の輪唱に似ているかもしれません。

同じようにビジネスでも、実際にロールモデルの判断、発言、動作などを目の前で見せることによって、実務的なスキルを模倣させるのと同時に、一挙手一投足の意味を理解させます。

大手企業などが新人をあちこちに連れて行き、会議や現場に触れさせるのは、「早くその場の雰囲気に慣れてもらう」と言う目的のほかに、このシャドーイングの概念を取り込ませるためでもあります。

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