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PDCAはCAをやってこそ

PDCAフレームワークは比較的早い段階から耳にしたことがあるのではないでしょうか。PDCAのプロセスはもちろんどれも重要なのですが、ある程度成長した企業になると、さすがに全く

 Plan(計画)策定を実施していない

と言うところはないと思います。

Plan(計画)には、「その通りに実行するための指標」という意味合いが色濃く理解されていると思いますが、PDCAフレームワークにおいてはそれだけにとどまりません。Planは「Checkを最大限活用するためのもの」という側面もあるからです。

Planが無ければ、Checkは機能しません。

Check(評価)とは、Plan 内容とDo(実行)結果を比較することで、その差異を検知し、分析し、Action(対策)に活かすために設けられています。よって、Planをいかに重要に考え、取り組むかでCheckやActionの価値が決まると言っても過言ではありません。

また、Do(実行)も通常はその計画を意識しながらなされているものです。
ですが、なぜか

 「Plan→Do」まではある程度真面目に実施していても、
 効果的に「Check→Action」を行っている組織は意外に少ない

のです。CheckとActionが正しく実施されていないと、結局Pl;anにも価値を見出さなくなってしまいます。Planがあっても無くてもDoさえやればいいと思ってしまうからです。

中には「Check→Action」は実施しているものの、対応が遅く、毎年最終四半期になると売上達成のためのコンティンジェンシープラン(緊急時対応計画)が発動されるという会社もよく見かけます。

要するに形骸化…というヤツです。

以前いた会社の場合ですと、たとえばプロジェクト一つひとつにおいて、ロクに「Check→Action」が機能しておらず、トラブルが発生してから慌てて火消しのためのコンティンジェンシープラン(緊急時対応計画)が発動され、消防隊(問題解決グループ)が結成されるというケースがよく起こっていました。

実際、私も知らないプロジェクトにいきなり放り込まれて、6日間ほとんど眠らずに支援対応していたくらいです。

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コンティンジェンシーというと、PMBOKなどでは通常のプロジェクト活動において、そうした緊急事態が起こることを想定し、予算を計画する際に既に予備費を捻出しておくことを推奨されていますよね。

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まぁ緊急事態と呼ぶような状況を起こすくらいなら、もっと早めに対応しておけばよさそうなものですが…(今の)私なら、コンティンジェンシー予備費をわざわざ捻出する必要がないマネジメント方法を選択しますけど。

しかし、多くの人は尻に火がつかないとなかなか真剣になれません。だから、コンティンジェンシーが発動してから頑張ろうとするのです。


先ほども少し書きましたが、Check(評価)はいわゆる差異分析や進捗管理であり、「計画と結果の差異を見きわめる」ことです。計画差異を無視して他のことを調べたり評価しても意味はありません。少なくともPDCAでは無意味です。

Action(対策)はCheckの結果を踏まえたうえで行う修正活動です。対策内容としては、たとえば「計画そのものを見直す」こともありますし、計画が妥当であれば、その「計画とのギャップ(例:受注不足やコスト超過など)を埋めるための対応を考える」ことになります。

もしチームやプロジェクトなどで周りを引っ張る立場、あるいは進捗管理をする立場にあるのなら、まずは小さくでもいいのでこの「Check→Action」をしっかりやってみることをオススメします。

計画とそこまでの結果の差異を分析し、時間配分を変えたり、つぶせる問題をつぶすなど次の行動に反映するという行為は、非常に地味ですが、自身が想像しているよりもてきめんに効果が出ます。

効果が出れば、周りも注目します。そうした行為が広がっていけば、組織の生産性をあげることにもつながります。

特に「Check→Action」が甘くなりがちなのが、結果を数字で測定しにい仕事や、他部門の影響を受けやすい仕事です。しかしそれでは組織の中に「温度差」が生じ、組織全体の緊張感を削いでしまいます。

そうした仕事をしている部門や人こそ、コスト意識をしっかり持ったうえで、工夫して目標をわかりやすく設定したり、目標との差異がどのような原因で生じたのかをしっかり見きわめることが大切です。


もちろん、VUCA(Volatility(変動性・不安定さ)、Uncertainty(不確実性・不確定さ)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性・不明確さ))が前面に押し出された事業などではPDCAは向かないかもしれません。

「Plan(計画)」自体がまともに成立しない可能性が高く、仮に十分な時間をかけて計画できたとしても、すぐにコロコロ変わってしまうようでは「Check(評価)」や「Action(対策)」に費やすコストが大きすぎて現実的ではないからです。

その時はOODAループを用いるといいでしょう。

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