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プロジェクトの開始前に入念に準備する

多くのプロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーを見ていると、ほとんどの人が何の準備もせずにプロジェクトを開始しています。

そして、プロシェクトが稼働し始めてから出てきた問題に対して必死になって対処している…そんな風に見えます。それがリーダーやマネージャーとしての仕事だと思っている人もいます。

本当にそうでしょうか。

子供のころから何をするにしても「とりあえず問題が起きてから対処すればいい」ということをしてきたのでしょうか。遠足や旅行、テスト、受験、etc.…むしろ何をするにしても準備をしてきたのではないでしょうか。

なぜ大人になると準備をしなくなることを正当化しようとするのでしょう。

経験則に頼って計画を練るのは百歩譲って許容するにしても、経験則に頼るから「何かあってもその時考える」と言って計画も立てず、リスクも考えず、何も準備しないというのは違うのではないでしょうか。


基本的に、プロジェクトが安定して成功するためには入念な準備が欠かせません。開始前にしっかりと準備をしましょう。

仕事は、計画・準備→実行→確認の順に行うとうまくいきます。
これはプロジェクトを管理する場合にも当てはまります。

プロジェクトリーダーやマネージャーに任命されたら、きちんとプロジェクトの準備と計画をしてから実施するようにしましょう。

5つの確認

それではプロジェクト開始前にはどのようなことを考えておくとよいでしょうか?

①プロジェクトの目的は何か?
②顧客のニーズは何か?
③このプロジェクトが提供すべき価値は何か?
④プロジェクトの計画は何か?
⑤良い仕事とは何か?

いかなる組織であろうと、ドラッカーの問いかける5つの簡単な質問に答えられない限り、顧客、組織や自らに対し、知らずして害をなすことになる。

P.F.ドラッカー『経営者に贈る5つの質問』

元々は経営者が考えておくべき内容を集めたものですが、会社という大きな組織だけではなくプロジェクトのような小さな組織にも当てはめることができます。なぜならプロジェクトマネジメントは企業経営の縮図ともいえるものだからです。


5つの質問に答える

プロジェクトの開始前に5つの質問に沿って考えておいて明確な答えを持っておくことで、その性質がハッキリします。

また、各メンバーの役割が明確になっていきます。

そして、どのような仕事をすれば成果を挙げることができるのかということを一人ひとりあらかじめ考えることができます。

そうした観点からも、うまくプロジェクトを管理できるようになるには計画を立てて実行し、それを分析することが必要なのです。

また、プロジェクトは5つの確認事項に対して答えを明らかにすることから始め、フィードバック分析で終わるようにしましょう。

これを実施するかしないかは、そのままチームや組織およびその組織に属する人材の成長を促せるかどうかに影響を与えます。

すなわち、フィードバック分析を実施しない、する気がないということは、
チームや組織およびその組織に属する人材を成長させる気が全くないと言うことを意味します。

当然、次以降のプロジェクトでも個人レベルでは改善を図ったりすることはあるのかもしれませんがプロジェクトマネジメントのレベルでは何も改善されることがなく、また同じように「準備しない」「個人依存」となって安定しないプロジェクトとなってしまっていることでしょう。

もちろん、個々人がそういう意識を持っていれば、個々人が成長することは可能です。ですがそれをチームのリーダーやマネージャー、組織の長が「集団活動の質」を向上させる目的を明確に持って実施しようとしなければ属人化がどんどん進み、そのことに気づかないまま継続していると、ある日主要なメンバーが離脱や離職してしまった際に、組織そのものが圧倒的に衰退していることに気づかされることになっているでしょう。

そのようなリスクを負わなくてもいいようにするため、常にチームや組織といった「集団」としての強さを身につけるためにプロジェクトマネジメントにおいて『ふりかえり』の実施を求められる最大の理由となります。 

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