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確実に、お客様に支持される業態を創るための、最初の一歩の話です。

宇宙一外食産業が好きな須田です。


さて、マーケティングについて続けてお伝えしておりますが、今回は顧客の声を聞くことについてお話しをさせて頂きます。


ダン・ケネディの名言ですが、「顧客に聞け」
この言葉は、市場に商品を送り出すときには、金言となる言葉です。


これから、商品をお客様に提供しようとする際に、買ってくれるか買ってくれないかを考えて販売を開始することと、確実にある割合のお客様には買ってもらえるとの確信をもって販売を開始するのでは、雲泥の差が発生します。


当然、前者はドキドキの中で、お客様の反応を見ながら買ってくれた買ってくれなかったと一喜一憂してしまいます。

一方、後者は販売と同時に徐々に売上が伸びてきます。
売れていく様子を確認しながら、データを分析しています。
売れるスピード感、売れている傾向は、追加の配送状況と在庫状況など、気になっている部分が大きく違っています。

簡単に言うと、
売れるか売れないかが気になっている前者と、
売れ方が気になっている後者の違いです。

売れるとわかっていて、売れる傾向を知りたいのが後者です。

知りたい理由はもっと売るためには、どのように工夫をすれば良いのかを、お客様の購買傾向から知るためです。

さて、あなたなら、どちらを選択しますか?
どちらに興味を惹かれますか?


答えは明白だと思います。

皆さんが後者、売れることはわかっていて、もっと売るために売れる傾向を知りたいと考えていると思います。


では、

何故、その行動をとらないのでしょうか。


答えは解かっていても、お客様の声を聴くことを行わないのはなぜでしょうか?


この質問に対する答えはシンプルです。


聞き方を知らないから。


これが答えです。


先ず、テストマーケティングという言葉を知らない。
テストマーケティングという考え方を知らない。
テストマーケティングのやり方を知らない。


だから、瞳を閉じて暗闇を歩くように、商品を市場に提供します。

運よくラッキーパンチが当たることを願っているボクサーのように、やたらとパンチを繰り出します。

そして、疲れ果てて自滅していきます。


これが、1年以内の廃業率の高さとなって表れています。


今回は、効果的なお客さんの声の拾い方をお伝えしていきます。

お客様の声を拾っても、間違っていると効果が悪くなります。
効果が半減してしまいます。

最悪の場合、聞き方を間違えると心が折れてしまいます。

ですから、効果的な方法をお伝えします。

先ず、市場調査で、色々なお店を回る輪店調査ですが、この時のお客様の声の拾い方をお伝えします。

輪店調査では、文字通りお客様の声がそこかしこに落ちているので、拾って回ります。

どうやるのかというと、先ず他のお客様のテーブルを見ます。

テーブルの上に何が乗っているのかを見ます。
どのような商品が乗っていて、その商品の楽しみ方と、無くなる速さを見ます。
どのような順番でオーダーしているのか、何を追加オーダーしたのかを、見える範囲で構いませんから、テーブルの状況を確認します。

そして、その商品を自分もオーダーしてみます。
同じような順番でオーダーして、実食してみます。

この時に、提供時間も、提供温度も、テーブルに到着した時の香りも見ます。
商品の構成要素も確認して、シズル感も感じてみます。
一口目にどのようなことを感じたかも、食材を分解して部位ごとに確認してみます。

商品を実食して理解することと併せて行うことがあります。

今度は、お客様の表情と言葉を確認します。

商品を選んでいる時の表情と話している言葉と、実際にオーダーする時の言葉を聞き取ります。

この言葉は、後々商品名に反映されることもある、重要な言葉です

商品名以外で、どのような言葉を使用したのかを、聞き取ります。

商品がテーブルのついた時に発した言葉、思わず出てしまった表情と行動を確認します。

一口食べた時の表情と言葉も、食べ進めてくうちに変化する表情と言葉を聞き耳立てて聞き洩らすことなく聞きます。

まるで私立探偵が何かの調査をしているかのごとく、表情と言葉を一挙手一投足、一言一句漏らさず拾います。

そして最後にお店を出る時に、何を言って帰るのか。
どのような表情であったのかを見ます。

もし、途中まで盛り上がっていたのに、帰るときはトーンダウンしていると感じるのなら、最後に食べたものは何かを確認してください。

もしかしたら、最後の商品が折角の楽しく盛り上がった経験を、台無しにしてしまったかもしれません。

その為にも、最後の表情を確認してください。

もし、最後の商品が楽しい経験を台無しにした可能性があるのなら、当然その商品もオーダーして確認してみます。

何事も実体験が一番です。
先入観なしに体験してみます。


お伝えしておきますが、飲食店では最後の商品が、そのお店の最後の、そして、最新の記憶になります。


従って、最新の記憶が最高か、最低かで、リピートに大きな影響が出ます。

アフターの珈琲やデザートを、ないがしろにしているお店が後を絶ちませんが、この概念を知らないから、最後の一品で離客とリピート率の低下を招いています。


話を戻します。

このようなやり方で、輪店調査を行います。

根気のいる、なかなかにハードな調査です。

食事がこんなにも面倒で楽しくない経験は、これまでの人生では、ご経験がなかったことと思います。


しかし、この輪店調査をすると、驚くほどの結果を持って帰って来れます。

以前お伝えした繁盛店も繁盛していないお店においても、同様にこの調査方法を行います。

これにより、お客様の本心を拾ってこれます。
お客様ご自身も気づいていないような本心が、理解できます。

本当はこう感じていたのかと、目から鱗のことも体験する場合があります。
この時は、金の鉱脈を発見したような感じになります。


あの繁盛していると思っていたお店の売れている商品は、頼むものがこれしかないから売れていたわけで、決して商品力が高かったわけでは無いこともしばしばあります。

利便性が高い立地に出店していて、売価が適正であるがために利用頻度が高く、決して商品力が優れていないことも理解出来る、そんな経験をする場合があります。


この輪店調査の結果から、自店の商品の方向性を検証してきます。

拾ってきたお客様の表情と声を思い出して、お客様はどこに反応したのか、どのような要素を高く評価したのかを考えて商品開発と、最も大事な業態開発を行います。

ここで改めてお伝えしますが、輪店調査を台無しにしてしまう考え方と、行動があります。


それは、輪店調査の結果を商品にのみ反映させて、業態力を高めることをしない場合です。

先ほども事例としてお伝えしましたが、繁盛している理由が商品ではなく、利便性と価格であることは頻繁にあります。

その部分を拾い忘れて商品にのみ特化して、輪店調査を反映させるとほぼ間違いなくその業態は失敗します。

お客様が何を消費しているのかを、その本質を理解できていないので、商品のみを見てきて勝った気になって、気が付けば残念な結果になっていることは多くのお店が体験していることです。

これが一番大事なポイントなんですが、なかなか理解できない部分でもあります。

お客様が消費しているのは、商品だけではないということです。


あなたも商品以外の理由でお店を使ったことはりませんか?

というよりも、商品だけを理由にお店を使ったことはこれまでに、どれぐらいありますか?

恐らく後者の質問の答えの方が、圧倒的に少ないはずです。

インスタにハマっている人で、ある人気商品の写真を撮影したいためだけに、お店に行く人が増えて、ついにはその商品の販売を止めてしまったお店があるほどですが、このようなレアケース以外で、純粋に商品だけの消費を目的にお店に行ったことは、実は驚くほど少ないと思います。

いつもランチで利用する会社の近くにあるお店は、完全に利便性だけで利用しています。

早く出てきて、内容がそこそこ良くて、毎日行ける単価で、まぁまぁ美味しくて、そんな感じではないでしょうか。

輪店調査で拾ってこなければいけないのは、お客様が本質的にそのベンチマークしたお店の、何を気にいって消費をしているか、利用しているのかを見ることです。

商品を通して、お客様が消費している本質を理解することが、輪店調査では最も大事な要素です。

私は事あるごとに、美味しい料理と売れる商品の違いをお伝えしてきました。

売れる商品の要素の中に、「美味しい」は含まれますが、美味しい料理が決して売れるわけでないということをお伝えしてきました。

信じられないかもしれませんが、これが現実です。

あのハンバーガーチェーンも、あのカフェも、あの牛丼屋さんも、あのうどん屋さんもラーメン屋さんも、どこもが販売することに主眼を置いて商品開発をしております。

無茶苦茶美味しくてとは、残念ながらなりませんが、いつ行っても安心の味があります。

輪店調査では、商品をつぶさに観察しますが、観察している本質は売れる要素を分析することです。

その分析結果から導き出された売れる要素を、自店の商品にも確実に反映させて、ベンチマーク店以上の業態力を構築し、繁盛店になるべくしてなるための施策を打つことが、フードビジネスでは必要なことです。

商品に恋をするのではなく、お客様に恋をするとは、お客様のための業態を開発することです。

美味しい料理を作るよりも、売れる美味しい商品を作って、その商品を通してどのようなメッセージをお客様にお伝えするのかが、最も大事なことです。


それが、フードビジネスの本質です。


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