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業態力を上げるために最も重要なもの

宇宙一外食産業が好きな須田です。

さて、今日は具体的に業態力を上げるポイントについてお伝えしたいと思います。

業態力の大きな3要素はQSCです。
QSCとは、
Q=QUALITY 品質のことを指します。
S=SERVICE おもてなしのことを指します。
C=CLEANLINESS 環境を整え維持することを指します。

一つずつ解説させていただきます。

Q=QUALITY 品質のことですが、ここは商品とメニューに関する部分を底上げします。

先ずメニューコンセプトを再構築します。

業態力の低い業態に共通する部分にメニューコンセプトが弱く、商品的に魅力が今一つという部分があります。

現在営業中の業態で思ったほどの客数が取れていない、リピート率が低い、想定客単価に届かない、もしくはフード比率が低いなどの症状が出ている場合は、メニューに魅力が無いことが原因として考えられます。

一通りメニューの内容は揃っているが、これと言って特徴的な商品が無いというのが、最も多いお悩みではないでしょうか。

ですからヒット商品とか核商品とか目玉商品という言い方で、古くから飲食業では言われてきますが、


この考えの素となっているのは、
当たる商品さえあれば繁盛するという安易な考え方です。


現代はメニューコンセプトがシッカリしている、総合力が高いお店しか指示されない傾向にあることを知らず、いまだに目玉商品があれば何とかなると思っているようです。


今の時代は、目玉商品が1品あるとそれだけを注文して、写真に撮ってインスタグラムにアップして、他は何も注文しないで帰るお客様が多い時代です。
1品何かがあれば何とかなる時代ではありません。

メニューコンセプトがシッカリとしていて、総合力の強さで集客する必要があります。

「○○は美味しいけれど、他に食べるものは無いよね!」という声が店内から聞こえたら危険なサインと認識なさってください。

ここまでハッキリと言ってくれるお客様がいらっしゃれば良いのですが、なかなかいらっしゃらないと思います。

過去にも、「このお店ピザは美味しいけれどパスタは美味しくないって言われていませんか?」と質問して、図星だったことがありました。

メニューコンセプトがカギになります。


最初に行うことは、全体のベースとなるペルソナを設定しましょう。

これは簡単です、今実際にご来店しているお客様の中で最もお店のコンセプトにマッチしている、もしくは、あのお客様のような方がたくさん来てくれると嬉しいなという人を何人かピックアップしてください。
そのお客様の共通する要素を抽出してペルソナを完成させます。

すると“お客様”という漠然としたターゲットに対するメニューコンセプトが、明確なペルソナに対してのメニューコンセプトに変貌します。

お客様は注文してくれるのか? から、ペルソナの誰々さんはそれ頼むかなぁ~?になります。

以前サポートしたクライアントで、「まぁ~まぁ~そこそこいいけど、美智子さんは頼むかなぁ~」と言った総料理長さんがいらっしゃいました。

この総料理長さんにはシッカリと美智子さんが見えていたということです。

この時のペルソナの名前が美智子さんでした。

ペルソナは、ここまでやるので結果が出て来ますが、逆に中途半端なペルソナは効果を発揮しません。

ターゲットとするお客様の顔が、表情が、具体的に浮かぶペルソナをしっかり立てたメニューコンセプトを構築しましょう。
マーケットインの基本中の基本です、ここがシッカリすると、そのお店にとって好ましい要素を持っている方々がコアなファン層になります。

そのコアなファンに向けたメニューコンセプトを作りこみます。
基本コンセプトを何にするのか、誰にどのような感情と経験と感動を味わって頂くためにどのような商品を提供して、どのようなサービスとおもてなしをするのかを決めます。

次に、商品カテゴリーを決めます。
カテゴリー分けは2種類あります、素材で分ける場合と調理法で分ける場合です。
業態によってどちらの方が、お客様が使いやすいのかを考えて決めてください。

中華なら素材分けが多いです。
牛肉、豚肉、海鮮、アワビ、ふかひれ、野菜、飯、麺、点心など、ほぼ素材分けになってきます。
居酒屋なら調理法でしょうか。
即菜、豆富料理、サラダ、焼きもの、串もの、煮物、刺身、鍋、ご飯と麺、デザート、こんな感じでしょうか。

カテゴリーを分けたあとは、各カテゴリーに何品入れるかを決めますが、最低6品は入れてください。
これはカテゴリー内の選ぶ楽しさと、必ず集客商品と利益獲得商品と売らなくても良い見せメニューを入れるためには、これくらいの品数が必要です。

必ず各カテゴリーに集客商品と利益獲得商品と見せメニューを入れるようにしてください。


ここで大事なポイントを一つ忘れていました。

メニューは、必ずディナー帯から決めていってください。

ディナー帯の価値を最大限に引き上げてから、お得に楽しめるランチの価値とメニューを決めてください。
地方のロードサイドに有るお店で、ランチ帯には行列がしているけれど、ディナー帯はガラガラというお店があります、

これは、メニューを考える時に時間帯がランチの方が先だから、ついついランチからメニューを考えてしまい、肝心のディナー帯の価値を無くしてしまっているためです。
残念なことですが、そんなお店を沢山見かけます。

メニューは必ずディナー帯から決めて、ディナー帯の価値を構築してからランチ帯のメニューを決めてください。

ディナー帯の価値が高いから、お得に楽しめるランチ帯にも価値が出ることを肝に銘じてください。


各カテゴリーを分けて商品をラインアップするとある傾向が見えて来ます。

商材の共通化と単独使用になるものの選別です。
食材ミックスが出来ないものは、極力避けたいですが、どうしても現在も人気商品でこれらかも押していくと決めている商品は単独使用の食材商品でも問題ありません。
原価をコントロールする際に食材ミックスが出来ないと厳しいので、その場合は積極的に売ることを考えてください。

メニューコンセプトには、平均利用人数、消費する皿数・杯数を設定してください。
提供時間と滞在時間を設定して、利用するシーンも設定してください。

これで具体的な利用形態が見えて来ます。

このようなお客様が、このようなタイミングと動機で、何名さまで何時から何時まで、これを飲んで、これを食べて、これぐらいの金額をお使いになる、そんなお客様が何組来店する、これが見えてくるのが正しいメニューコンセプトです。

ここが決まれば、仮説・検証を繰り返し、自然とお客様が集まって来る店になる為の、実証実験を繰り返すだけです。

想定通りにならないなら、時間軸に問題は無いのか、消費数はどうか、狙った商品は出ているのか、客数か客単価か、問題となる個所をピンポイントで改善していきます。

業態力の低い店に共通していることで、メニュー数が少ないという点があります。
「えっ、 これだけ!」っていうお店が結構あります。

多すぎるメニューも問題ですが、少なすぎると“なんにもない”風に感じてしまい、お客様に楽しさが伝わりません。

選ぶ楽しさが無いと、この少ないメニューから最も無難なものを選ぶしかないと感じてしまいます。

これもプロダクトアウトの考えがベースにあって、店側の都合でメニュー数を増やさない、増やせないのが原因と思います。

ですからカテゴリーを決めて、各カテゴリーごとにメニュー数を設定することによって商品が少なすぎて選ぶ楽しさが無いという状況を解消で出来ます。


メニューコンセプトを作るとき、商品のことばかりに意識を向けて、それ以上のことを表現しない方がいますが、これは間違ったやり方です。

今の時代、メニューが単独で売れていくことは、ほぼ皆無と言っていいでしょう。

これだけ情報が散乱している時代ですから、こちらから仕掛けないことには、ヒット商品は生まれません。

ですから、メニューコンセプトには明確な販売戦略も入れるべきです。

積極的にセールスをかける商品を決めて、セールススクリプトを作ることも、トレーニングを行うことも、数値的な統計を取ることも決めておきましょう。

セールススクリプトとは、セールスをする際に使うセールストークの台本のことです。
これにもシッカリとしたルールと運用方法がありますが、これは以前ノートでお伝えしてあります。


商品は、売る気で売らないと売れない時代ですが、逆に売る気で売ると売れる時代でもあります。SNSと口コミの効果で、情報を意図的にコントロールすると、商品は大きく化ける可能性があります。

商品開発の段階では、複数の食感と味の方向性を入れるようにしてください。


私は“ヒットの法則”と言っていますが、外側はパリパリで、中はトロ~ととか、最初は甘いけどあとから辛みが追いかけて来るなど、二つの方向性もしくは三つ方向性を感じる商品がヒット商品になる確率が高いです。

少し調べると人気商品の傾向がわかると思いますので、チャレンジしてみてください。

シズル感とパフォーマンスも重要な時代です

鉄板がジュ~ってなっている所に、ホールスタッフが更に上からチーズソースをかけてジュ~~~となる、こんな商品は口コミも集まりますし、写真にも取られます。

このような商品を各カテゴリーに少しずつ忍ばせると、
「ここって何食べても美味しいよね、ハズレの無い店だよね」って言われるようになります。


今日は業態力を上げるために最も重要な商品について解説しました。

次回は、サービスとクレンリネスいついて解説します。

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