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コミケでOVOを買った方へ贈るTips(ver1.6.2くらい

フルデジタルをうたうスピーカーOVOについて、貸出品から完成品まで追いかけた筆者からちょっとしたTipsをお届けします。

変更履歴

2019/01/04以前 1.5章作成、2章に裏ワザ追加
2019/01/04 5章複数台再生に関しツイート引用と発生中の問題を追記
2019/01/05 6章として主に複数台再生にまつわるissueを再編集、序文を0章に、また最後を「終わりに」で章立て
2019/01/06 β版から続いていたアナログ入力における左右チャンネル単体出力不可問題に気づいたので加筆(ただしこれは仕様の可能性あり)
2019/01/07 6章、ASIO4ALLとfoobar2000の組み合わせについて追記。
しかしこれはおそらく仕様
2019/01/08 6章にてissueをやり取りした内容を追記
2019/1/21 firmware ver.5で気にかかっている認識周りのツイートを貼り付け。
先日OVO Premiumなるものが立ち上がりましたし、firmwareも微妙に変更されたようなので色々調べねば。
2019/04/18-20 本レビューがようやく上がったので過去記事とともにここに書いときます。Firmware5以降の話は本レビューで。あと目次機能がついたらしいので活用。

0.はじめに 

 コミケという場で買った方やわざわざクラウドファンディングした方に説明する必要はないと思いますが、OVOはケーブル一本ですぐ接続し、別途電源不要で大きくクリアで素直な音が出る「フルデジタル」スピーカーです。有線による低遅延安定的な接続コンパクトポータブルユニバーサル高音質省電力ノイズレスという全部乗せは刺さる人には絶対刺さるコンセプトです。無線がこの世の全てではない。

 実際手元で触っていても楽しいし周囲にも大好評ですが、知っておくとソンしない事が結構あります。それは本製品の「クセ」の部分です。

1.電源関連の設定を意識すると捗る

 相性かな?と思っていても、USBの口を替えたり、給電用ポートに給電したり、LowPowerModeでは機能することが結構あります。

省電力故か電源周りにセンシティブなようで、試作機の段階では起動していたUSBポートが製品版Firmware ver.4では安定せず、私の周りでは↑のどれかで機能しました。またFirmware ver.5ではそのような頻度が減っていますが給電用ケーブルと給電用電源を準備すると原因の特定に役立ちます。

いやちょっとまて、最初からLowPowerModeにすればいいじゃないか?となりますが、音量も小さめになるのと既知の問題があったりするのでなるべくなら回避したい。

この会話はFirmwareが4であったときのものですが、Nintendo Switchで音が切れる仕様はFirmware ver.5でも共通です。
そして、

「寝かせるから突発的な音に対応ができない」という事は、
とりもなおさずNintendo Switchだけで起こる問題ではないという事です。

なおiPhoneの給電なし接続ではLowPowerMode必須です。「多分まともに電流取れないだろう」というデバイスでは試す価値がありますが、その場合にあっても何らかのトレードオフがあるかも?という話。

1.5 OVOの設定をいじるための裏ワザ(※)

さて、基本的にOVOは通常モードで動かした方がいいとして、だけれどもLowPowerMode必須のシーンもあるし、デバイスの電源供給力に応じ設定を変えてなるべくケーブルは1本で使う……というのが物理的にはスマートな姿ではあると思います。しかし、このOVOは自前の電源を持たないので、設定を変えるには安定的に電源が供給されなければならない。
そうなると

スマホのみ所持、OVOが通常モードで切り替えないといけない、
でもスマホから音出したい

なんてケースになると、さあどうしよう、となります。この解決策は2つあり、1つは冒頭で書いた「別途給電用ケーブルと電源を持っておく」ですが

実は

「Audio側ではなくPower側にケーブルを刺しスマホから電源を取る」

というやり方があります。

ただFirmware ver.5では、通常モードでもiOSに安定的に認識する(音は出ない)といった変化があったため、このワザが現在意味があるか不明です。

2.公式HPを見ると捗る

「とりあえずUSBでつないで音出す」でもそこそこ音が出ます。しかし潜在力を出そうとしたときには、設定周りがトリッキーなためリファレンスが要ります。機能を理解するにあたり一番わかりやすく書いてあるのは公式HPです。箱の中に入っている取説よりはこっちをおススメします。

そして何と、ネット環境とWEB MIDIに対応するブラウザ/OSを使えば、OVO本体の外、ホストOSからOVO設定をいじれるようになります。
スマホタブレットのみの利用だと厳しいですが(iPhone XではNGでした)、ChromeやVivaldiをPCに入れれば↓から設定できます。本体でやる設定よりわかりやすい。Firmwareをver.5に更新してからガンガン使いましょう。

あとこれは当然といえば当然なので誰も言っていませんが、

上記の設定ページを一度ブラウザから保存してしまえば
ネット環境がなくてもホストOSからいじれます。

※ただし表示は崩れますし、繋げていないのになぜか繋がっている判定がきたりするのでミスを防ぐ意味からするとやめておいた方がいいです。

2.5 OVOの引っかかりやすい点

(0.取説はWEBの方が詳しい)
1.アナログ入力を使う場合、オーディオ信号を受ける3.5mm-USBケーブルはPOWERポートに刺し、AUDIOポート側に給電が必要
2.OVOを平置きではなく立てて置く場合、パッドがついている面を下にすると左右が逆転する→OVOの設定で入れ替える必要がある
3.WEBではなくOVO上ジョグダイヤルで行う操作には慣れがいる

なお私個人は慣れちゃったのでなんとも。要するに最初のハードルの問題。
1は「アナログデジタル問わず、通常のUSB-USBmicroケーブルが必ず一本オーディオ側に刺さる」、3は自分が使う設定に関しては覚えました。

3.置き方を極めると捗る

 説明書にもありますが縦置きにすると構造上の問題で低音が弱まります。これとトレードオフの関係にあるのがスピーカーの指向性由来のあれやこれやで、立てて置いた方が音が遠くまで届き、またスピーカーに正対しやすいのでステレオ感が改善します。平置きでステレオ感を最適化しようとすると、顔のなるべく真下に置くことになります。

 そもそもが音を盛らないモニターライクの音である上、音があまりぼやけないため、味付けがしてある事が多いスピーカーやイヤホンの音に慣れている、あるいはそちらが好みである場合には低音が不足と感じるケースが出てくると思います。平置きでなお低音が足りないと感じる場合は、OVO上のイコライザか再生機器側の設定をいじることになるでしょう。そこは完全に好みです。

 ただ、筐体サイズや電力の余裕が音を決めてしまう世界にあって、OVOは価格面でも能力面でも相当に凄いと感じます。筐体サイズによる限界で一番わかりやすいのはここで取り上げた音場・ステレオ感と低音でしょうけれども、試作機段階ではかなり高速で高出力なスピーカーなのにも関わらず、振動対策がほぼなく自分の振動でOVO自身が歩きそれを無理やり押さえつると押さえた先の物体が盛大に揺れ低音がブーストされました。筐体の小ささを物理で解決するパワフルなソリューションです。さすがに製品版では筐体改善のおかげで歩きませんが、それでもSwitchにつなげ中程度の音量でプレーしていますとOVOを置いているラックが揺れ床まで響きます。

 兎にも角にも、フルに楽しむことを考え始めればセッティングの悩みが結構出てきます。それをあれこれ楽しめる人種は盛大に楽しめますが、そうでない方はアバウトに傾向を押さえたうえで、ちょっとこだわるくらいがいいのではないでしょうか。

4.筐体を改造すると捗るが沼にもはまる

低音側にも関わる話ですがむしろ音のヌケ・高音に関わるところで、
「スピーカーユニット外側のプラスチック筐体が鳴り、そして(音が返ってしまうため)籠っていて勿体ない」ことが、試作機をTSUTAYAから借り出した段階から製品版の今に至るまで複数ユーザーから指摘されています(私含む)。筐体がしっかりしていることは「ポータブル」の必須条件で外せないことですが、そういう問題も引き起こしたわけです。これで防水だったらもっとだったでしょう。
 なお製品版では試作機からかなり改善されているものの、それでも過激派は存在しており筐体自作や改造する人がそこそこいるようです。ただ、ユーザーが手を入れることを想定しているので何も間違っておりません

 なお手元のモニタースピーカーを基準としたとき、筐体を取り外したもの/そのままで比較をすると、聴感が基準に近いのは外した方です。

5.複数台接続は捗る(※)

これはクラウドファンディング価格で購入した人の特権かもしれませんから触れるだけにしますが、片チャンネル出力機能を使うと工夫次第で複数台接続が可能になります。これを活用しますと、筐体の小ささ由来の問題のうち音場がかなり解決します。素性がよいものを単純に合わせて物理で解決する第二弾。これでやるゲームは楽しい。

ただ、ベータ版のFirmwareで試していた時、デジタル2台接続をOSX/Win10で試すとどこか定位が変でした。それがソフト(OS側)由来かOVO由来かは不明ながら、なんとなくですがFirmware ver.5で手が入った気がします。そこらへんどうなんでしょうか公式の皆様。


5.5 複数台接続用のコンバーターが開発中(※)

 クラウドファンディングの出資額を単純に出資人数で割ると、そこそこの人が複数台セットを買っています。また5台セットまでも存在しました。
その複数台購入の動機はもちろんハードケース付属・スピーカーがいくつかいるというニーズもあったと思いますが、
こと熱心にハッシュタグを追いかける人にとっての注目点の一つに、

HDMIの音声データをDD変換→複数OVOに接続するコンバーター開発中

という情報がありました。

サラウンドやりたい!
2ユニット独立させて音場の問題解決したい!
これならやれるんじゃ?

ってことですね。

開発の進展に伴いHDMIの認証仕様その他云々が問題になり、結果的に光デジタル出力DD変換コンバーターに変更されましたがそちらの方が汎用性が高い。ものすごく楽しみにしております。


上記で引用した複数接続の裏ワザをさておくと、素のままのOSで分かりやすい場所に複数USBオーディオ出力を行えるメニューはありません。OSX上にあるにはあるし私も言われて気づいた形ですが、

これをベータ版のファームウェアでやると定位から音像から何からズレて思ったようにはいかなかったのです。今のファームウェアではためしていないのでなんともですし、標準機能がだめなら別のソフトなんでしょうけれど、

OS動かせないハードでシステム組みたい!
(Nintendo SwitchやPS4など)
テレビのスピーカーどうにかしたい!

というニーズに対しては現状アナログ入力でやる以外のソリューションがありません。アナログ入力はアナログ信号→AD変換(192kHzでしたっけ?)→通常のOVOの音声出力プロセスをたどるわけですが、できる限りデジタルでやりたいわけです。

実際に今これに類したシステムを組みスマブラやSplatoon2をやっているわけですが、お察しの通りアナログが噛んだ時点で一気に考えることが増えめんどくさくなります(デジタルでも色々ありますけど!)。受け止めるアナログ出力の質の問題やグラウンドループ由来のノイズ、二重ボリュームの回避など……

クラウドファンディング出資者に、転売でもないのにやたら台数持っている人がいたら、その人はこの手の何かを目論んでいると言っていいような気がしております。

6. Firmware ver.5のissue報告と検証

複数台接続のissueを追いかけたら結構追記が増えてきたので「issue報告」として更新しました。更新するたびにここに書き込むわけにも行かないので別記事にしようか考えています。

本格的にこれをやりだすとどんどん加筆数が増えていくので、ここをリファレンスにしてくれている方には変更をどう伝えていくか?かなあと。note的には購入してもらうと変更が告知できるんだろうけれど、この記事は値札貼ってるだけでタダって意識でやってるんですよね。そこに届かないと意味がない。

2019/01/04以前:WEB MIDIを使ったOVOの設定は、現在のところ複数台接続の場合にもどれか1台のみの認識・接続になります。

2019/01/04:ハッシュタグその他を追いかけていたら、voicemeeterによるwindows上からの複数出力はovoのfirmware ver.5で不具合があるようです(公式認識済み)。私の方ではaudio routerを使っておりそちらは問題なさそうですが、DIYする人の通常使用でも一応基本は1台ですし、リスク回避はアナログでしょうか。

なおaudio router×ovoの初出はこちらになります。私はこれをRTで見ました

2019/01/04:OSXの「複数装置出力」機能がfirmware ver.5にて動作がおかしくなっているとの報告が上がっていました。
2019/01/05:↑は一度取り下げられましたが私の方で検証していたところ、USBハブ配下にOVOを二台繋ぐようなケースでは「複数装置出力」が機能しないことがわかりました。上記報告がこれにまつわる話であるのかは不明ですが、OSなのかハブなのかOVOなのかどこに問題があるのかわかりにくい話なのでちょっと保留。

2019/01/05:単純USB接続においてLowPowerModeを切った通常状態で微細なノイズが乗る模様。Win10/MacOS Mojave 10.14.2 on Late2013 MBPで確認。逆に言えば最初からLowPowerModeを使うiOSでは確認できず。またアナログ入力においてはLowPowerMode関係ない?
2019/01/08:もう少し本件について詰めると、LowPowerModeは無音でMuteに入れるという機能実装が判明し、

OS側で音量を絞った再生を行うとLowPowerModeでもホワイトノイズ。

Ver.4やBetaで本当に生じていなかったかどうかは一度検討した方がいいのかもしれません。

2019/01/06:アナログ入力の場合音声出力オプションがnormal/swap以外機能しないことに今さら気づきました。確認してみたらβ版からです。
そもそもアナログでは左右単離してOVOに入れていた上、左側のOVOの左スピーカーと右側のOVOの右スピーカーのみ出す形にしていた為気づきようがなかったんですが、こういうのを見落とすのはβユーザーとしては悔しい。
2019/01/08:本件についてやり取りがあり、なるほどそういう実装かと。

2019/01/07:ASIO4ALL+foobar2000+ASIOプラグインでOVOへのマッピングを試しました。音が出るには出るものの、プツプツとしたノイズが乗っかってしまいます。これは仕様ではなかろうかとは思うものの、これが実用的になったとするなら、Windows再生環境において一番ピュアっぽくかつ楽に複数台再生をやれるルートであるような気がします。なんせ一つのOVOの左右ユニット単位で設定でき、音量を一括で動かせますからね。
iTunesとAudioRouter、うちの環境だとたまにハングするのでalternativeは欲しいところ。
2019/01/21 「認識遅れ」?のような挙動が少し気になります。しばらくアナログを中心に見ていたので見逃したか。



7.終わりに

OVOのレビュー書く前に先に構想が浮かんだので取り急ぎまとめました。当初からかなり加筆されてますがそこはご了承ください。
まあissueまでintegrateするのは完全にやりすぎな気もしますが無視もできませんし、さりとて一気にしんどさが出てきますから悩みどころ
というかこればかり加筆しているけれどOVOの本レビューどうすんだ。

ユーザーによる事例はTwitterのハッシュタグ#jds_ovo のログをあさると結構出てきますのでご興味のある方はどうぞ。
……なお私のツイートがかなりあるので -from:suchniche を検索演算子にいれることもご検討ください。

それでは良きサウンドライフを。

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