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[本要約③]伝え方が9割


イエスに変える切り口②

○嫌いなこと回避

・切り口①の「相手の好きなこと」とは反対に「相手の嫌いなこと」から作ることもできます。

「こうなるのは嫌でしょ、だからやらないという選択をしましょう」という切り口です。こちらは使いかた次第で大きな効果が期待できるものになっています。

・例えば、芝生が踏まれて困っているという人が注意書きの立て札を作るときです。どう書いたら人は芝生に入らなくなるでしょうか。

「芝生に入らないで」
あなたのメリットでしかない。

「芝生に入ると、農薬がついてしまいます」
相手の嫌いなことに変わり、あなたのお願いを聞くこと(芝生に入らないこと)が相手のメリットになった。

ただ、「芝生に入らないで」と言われても人は近道だったり興味で入ったりしてしまいます。そのまま要望を言うのではなく、相手が入りたくなくなるように「嫌いなこと回避」でコトバをつくるのです。

・他にもチカンが頻発する地域で、住民が「チカンに注意」というポスターをつくったところほとんど効果が表れませんでした。しかしポスターのコトバを変えたらチカンがピタリとやんだというコトバがあります。

「住民のみなさまのおかげで、チカンを逮捕することができました。ありがとうございます。」

なぜ、効果があったのかというと、相手の「嫌いなこと回避」からコトバをつくっているからです。

→「チカンに注意」

というコトバを貼ることでチカンが警戒して被害が減るのではないかと住民たちは考えました。しかしほとんど効果はありませんでした。それはなぜかというと、ステップ2である「相手(チカン)の頭の中を想像していなかった」からです。チカンにとってみれば、「注意しているんだ」くらいにしかなりません。

「住民のみなさまのおかげで、チカンを逮捕することができました。ありがとうございます。」

はチカンの頭の中を想像してつくられたコトバになっています。チカンにとってみれば、「逮捕はされたくない」、「住民同士の極力体制が整っている」というのが、ここでチカンをするのはやめようとなるのです。住人側のチカンする人がいなくなってほしいという願いとチカンの逮捕されたくないという双方にメリットがあるコトバになっているのです。

○選択の自由

・これは「相手の好きなこと」からの応用になります。相手の好きなことを2つ以上提案することで相手が前向きに選択できるというテクニックです。

イエスを言うとき人は「決断」をしなければなりません。人は、決断をすることにとてもエネルギーをつかうので慎重になります。たとえそのお願いが相手にメリットのあるものでも「イエス」と言わない可能性もあります。

・このように人は「決断」が得意ではありません。一方で、しかし、人は2つ選択肢があるときの「比較」は得意です。例えばAよりBが良いと比較することは決断ではないのですが、「Bがいい」と言ってしまうと、頭の中で決断したかのように錯覚してしまうのです。その心理を利用しているのが「選択の自由」です。

・まったくあなたに興味がない人をデートに誘うときを例にしましょう。

「デートしてください」
あなたのメリットでしかないうえに、「行く」か「行かないか」などの「決断」をしなければならなくなる。

「驚くほど美味しいパスタのお店と石窯フォカッチャのお店どちらがいい?」
どちらの方かを選ぶという「選択」は非常に簡単にできる。さらに相手の好きなものになっているうえに、選べることで相手のダブルメリットになる。

・このように選択の自由を作ることで、よりあなたのお願いが受け入れてもらえる可能性が増えます。

・ほかにもこのテクニックはビジネスの場面でも使えるものになっています。例えば自信があるA案ができたとしても、必ず複数案をもっていくようにしましょう。「この案どうですか?」というより、「A案とB案があるのですが、どちらがよろしいですか?」と言う方が相手が決めやすくなるのです。それは人には選びたいという本能があるからです。

「A案より、B案の方がターゲットに合っている」など比べることができるようになります。そして「B案の方が良い」ななど比較しただけなのですが、頭の中では決断した気になります。してほしいのは契約なので、A案でもB案でもどちらでもかまいません。

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