・切り口①の「相手の好きなこと」とは反対に「相手の嫌いなこと」から作ることもできます。
・「こうなるのは嫌でしょ、だからやらないという選択をしましょう」という切り口です。こちらは使いかた次第で大きな効果が期待できるものになっています。
・例えば、芝生が踏まれて困っているという人が注意書きの立て札を作るときです。どう書いたら人は芝生に入らなくなるでしょうか。
「芝生に入らないで」
→あなたのメリットでしかない。
「芝生に入ると、農薬がついてしまいます」
→相手の嫌いなことに変わり、あなたのお願いを聞くこと(芝生に入らないこと)が相手のメリットになった。
ただ、「芝生に入らないで」と言われても人は近道だったり興味で入ったりしてしまいます。そのまま要望を言うのではなく、相手が入りたくなくなるように「嫌いなこと回避」でコトバをつくるのです。
・他にもチカンが頻発する地域で、住民が「チカンに注意」というポスターをつくったところほとんど効果が表れませんでした。しかしポスターのコトバを変えたらチカンがピタリとやんだというコトバがあります。
→「住民のみなさまのおかげで、チカンを逮捕することができました。ありがとうございます。」
なぜ、効果があったのかというと、相手の「嫌いなこと回避」からコトバをつくっているからです。
→「チカンに注意」
というコトバを貼ることでチカンが警戒して被害が減るのではないかと住民たちは考えました。しかしほとんど効果はありませんでした。それはなぜかというと、ステップ2である「相手(チカン)の頭の中を想像していなかった」からです。チカンにとってみれば、「注意しているんだ」くらいにしかなりません。
「住民のみなさまのおかげで、チカンを逮捕することができました。ありがとうございます。」
はチカンの頭の中を想像してつくられたコトバになっています。チカンにとってみれば、「逮捕はされたくない」、「住民同士の極力体制が整っている」というのが、ここでチカンをするのはやめようとなるのです。住人側のチカンする人がいなくなってほしいという願いとチカンの逮捕されたくないという双方にメリットがあるコトバになっているのです。