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『すべての夜を思いだす』 と 「多摩ニュータウン」

こんにちは。本日は『すべての夜を思いだす』は多摩ニュータウンを舞台に撮影されています。
それは単なる「ロケ地が多摩ニュータウンである」というわけではありません。

監督である清原惟さんは、多摩ニュータウンを舞台にすることを決定後、現地に何度も足を運び、その土地で出版された個人誌などを読み、物語を膨らませていったと言います。

そのことは多摩のタウン誌「もしもしウェブ」様の取材時に明かしています。

リサーチ以前は子どもの頃のノスタルジックなイメージが強かったんです。街並みがセットみたいだなとか。けれど、リサーチを重ねる中で歴史を知り、人と話し、ニュータウンの中で女性がこんなにコミュニティを強くしていた時代があったこと、今よりももっと力強い人間関係があったことを知り、まちの見え方が変わりました。そうした中から今回の映画が生まれました。

紙上 Placemaking
「多摩ニュータウンで撮影した映画『すべての夜を思いだす』、ベルリン映画祭で上映を」
/清原惟さん(映画監督)

取材中に登場する『ニュータウンの女たち』『団地のをんな』という書籍はAmazonでは出てきませんでしたので、多摩の図書館でしか閲覧することのできないもののようです。

近年、1960年代から80年代に建築された「団地」という集合住宅は、ノスタルジーを感じさせるものとしてSNS上でたくさんの人に愛されています。

清原さんは、そういった記号的な「団地」を単純に取り上げるのではなく、現在その土地は如何なるものとなっているのか、人々の記憶といかに結びついているのか、外観的に均質化された集合住宅はいかなる感情や感覚を生み出しているのか、という部分にアプローチしていきます。

そして前作『わたしたちの家』で表現された「空間と記憶」というテーマは、大きく広がり「町と記憶」とよべる作品となっています。ベルリン映画祭、北京国際映画祭で高く評価された本作、ぜひ劇場でご覧ください。

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