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佐和商店怪異集め

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短編連作の創作小説「佐和商店怪異集めシリーズ」をまとめています。 夜はお化けがわんさか出るコンビニで働く女子大生・芽吹菫と、呑気な先輩おじさん・榊晃次郎は、どちらも霊感ありの凸…
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2023年5月の記事一覧

【創作小説】佐和商店怪異集め「菫、人魚になること」

水の音で目覚めた。 青い空間。知らない場所。起き上がって、違和感に気付く。 人魚になってい…

宵待昴
1年前
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【創作小説】佐和商店怪異集め「クリスマス準備」

榊さんが変な燃え方をしているから、最近クリスマスが常に頭の隅にある。 イブもクリスマスも…

宵待昴
1年前
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【創作小説】佐和商店怪異集め「お店訪問」

「うすー晃」 「げっ、マサ」 榊はあからさまに顔を歪めた。 「マサ?」 カウンター内で隣に居…

宵待昴
1年前
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【創作小説】佐和商店怪異集め「スノードーム」

……水?……雪? ぶくりと泡が立つ。 その周りを、白と銀のキラキラしたものが舞っている。ふ…

宵待昴
1年前
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【創作小説】佐和商店怪異集め「鬼より」

私・芽吹菫がバイトしているこの店には、いつも夕方になると、決まった銘柄のパック焼酎を買い…

宵待昴
1年前
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【創作小説】佐和商店怪異集め「話しておきたいこと」

「あの、榊さん。この前言った、話しておきたいこと、なんですけど」 深夜の帰り道。 菫は、榊…

宵待昴
1年前
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【創作小説】佐和商店怪異集め「守り刀」

榊晃次郎は、どことも知れない真っ暗な道を駆けていた。 何かが背後から追いかけてくる。 捕まってはいけない。それしか分からない。 ひたすらに足を動かす。 真っ暗なせいで、前進しているのか自信がなかった。 やがて、行き止まりの壁にぶつかり、榊は仕方なく立ち止まる。他に進める場所がない。 振り向くと、暗闇よりも真っ黒な何かがいる。 人型のコールタールのような。 ねちゃねちゃ、と、嫌な音がする。思わず後退るが、背が壁に付いてしまった。 顔にあたる部分には、細く裂けた口のようなものが、

【創作小説】佐和商店怪異集め「友人相談室」

昼下りのカフェ。 抹茶ラテを飲むのもそこそこに、友人が、ずっと難しい顔をしている。 「すみ…

宵待昴
1年前
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【創作小説】佐和商店怪異集め「名前」

「晃次郎さん」 「えっ?」 素の声が出た。榊は、名を呼んだ菫を凝視する。 「どうしました?…

宵待昴
1年前
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【創作小説】佐和商店怪異集め「贈り物前日譚」

最近、すみちゃんの怪我が多い。 出勤して来ると、指やら腕やらに絆創膏や包帯を巻いている。…

宵待昴
1年前
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【創作小説】佐和商店怪異集め「贈り物」

いつもの佐和商店。 「すみちゃん、これやるよ」 閉店間際の暇な時間に、菫は榊から小さな紙…

宵待昴
1年前
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【創作小説】佐和商店怪異集め「魔に出会うこと」

「正義」「蝶」「覚める」のお題を頂いて書いたものです。ありがとうございました。 ◆◆◆◆…

宵待昴
1年前
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