シェア
「ねぇ、これ聞こえる?」 友人の唐突な質問に、首を傾げる。 「何も。何の話?」 「やっぱ聞…
祖父のお見舞いで病院を訪れた。面会時間ギリギリまで居て、さあ帰ろうと言う時。薄暗い廊下を…
信号待ちの足元で、みゃあ、と微かな声。視線を下ろすと、灰色の猫が背後にある建物のドアから…
ポストに地域紙が入っていた。 眺めていると一つの広告が飛び込んで来る。 『この写真を撮っ…
「ごめんね。全然会えなくて」 「いいよ、そんなの。元気だった?」 地元を離れて数年。私は街…
帰宅してリビングに入ったら、液晶テレビの代わりに古いブラウン管テレビがあった。 部屋を間…
鏡のように綺麗な銀のティーポット。何気なく見ていると、自分の後ろに青い作業服姿の男が映り込んでいる。家には誰も居ない。 えっ、誰? 見ていると、段々男が近付いて来る。肩に触れるか触れないかの辺りで勇気を出し、振り向いた。誰も居ない。ティーポットからも消えていた。「ティーポット?処分しましたよ。怖いし」 苦笑いする彼の後ろには、青い作業服姿の男が居る。また違う形で邂逅するのだろうか。
ある晩。 暇だったAとBという友人合わせて三人で、廃墟に向かうことになった。普通の家だった…
洗濯機の蓋を開けたら、中に入っていた女と目が合った。今は一人暮らしで彼女無し。勢いで閉じ…