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環境問題について考える その2

<捕鯨問題>

 この問題もオゾンホール同様、最近めっきり聞かなくなったが、少し前まで日本を含む捕鯨国に対し、非捕鯨国が捕鯨を規制したり、グリーンピースやシーシェパードといった環境保護団体が反捕鯨運動を展開し、一部の過激派にいたっては捕鯨船に船で体当りするなどの妨害行為を結構頻繁に行っていた。

 なぜクジラを獲ることに反対するためにここまでのことをするのか、はっきりとした理由がいまいち分からなかった。
 外洋を航海できるそこそこ大きい船を準備し、わざわざ南極海まで赴き、さらに捕鯨船に体当たりするというたいへん労力、資金、そしてリスクが伴う手法を選択してまでクジラを獲ることに反対するのか、なぜそこまでやるのか。

 最近の過激派環境活動家の行動といえば、せいぜい美術館のゴッホの絵にスープをかける程度である。
 「JUST STOP OIL」(とにかく石油を止めろ)と書かれたTシャツを着ていることから、この団体の主張はCO2排出による地球温暖化防止ということだろう。
(このCO2についても元はサッチャーさんが絡んでいるようで、CO2温暖化論についても色々あるのだが、今回のテーマではないので書かない)

 地球温暖化と捕鯨を比べた場合、どちらがより問題が大きいだろうか。
捕鯨はその影響と比較し、反対運動にかける資金や労力が大きすぎる。
これを過激派というだけで片付けてしまっていいのものか。
当時、経済大国となった日本への、いわゆるジャパンバッシングだとしても、はっきり言ってやりすぎである。
デトロイトで日本車をバールでボコボコにしたり、ラジカセやテレビを叩き割ったりするのとはわけがちがう。
 これが捕鯨問題のよく分からない部分だったが、反捕鯨運動の本当の目的が南極の資源開発への牽制ということであれば、ある程度納得できる。


・南極のクジラ

 南極には"この惑星で最も成功している動物"と呼ばれるものが生息している。その生物は人間でもクジラでもない。
体長数センチ程度のエビに似たプランクトン、ナンキョクオキアミだ。
プランクトンとしては大きいほうだが、なぜ"この惑星で最も成功している動物"とまで言われるのだろうか。
それはナンキョクオキアミの種としての合計重量がおよそ5億トン(推定)と地球上に生息する動物の中では圧倒的に多いからだそうだ。(Wikipedia参照)

このオキアミを求め、南極には多くのクジラが集まる。
最大のクジラであるシロナガスクジラは、過去にもこれ以上大きな動物は発見されておらず、つまりどの恐竜よりも大きいという空前絶後の巨大動物である。
この史上最大の巨体はナンキョクオキアミによって支えられている。

日本は南極付近での捕鯨を盛んに行っており、1959年(昭和34年)には捕獲頭数で一貫して世界1位だったノルウェーを追い抜き世界最大の捕鯨国となった。
1955年(昭和30年)に極洋捕鯨(捕鯨の会社、現在の極洋)が初めて導入した探鯨機(魚群探知機)が2年で各社の船団に完備されたこと、水を吸わず耐久性が高いナイロン製のロープを他国に先んじて導入するなど新技術を続々と導入したほか、シドニーやウェリントン、ケルゲレン諸島から送られてくる気象情報や水温分布の解析し、鯨類の群れや日本のみならず各国の捕鯨船団の動きを正確に把握し、漁場を逃さないノウハウを各社で蓄積した。
(Wikipediaを参照)

この頃の日本ではクジラといえば南極、南極といえばクジラ、というほど南極洋での捕鯨は大衆イメージとして定着していた。
当時、クジラのイラストの横には南極をイメージした流氷が描かれているものが多かったようだ。
南極洋は日本の裏庭だった。


捕鯨について調べていたら面白い話を見つけた。
現在動物園にいるペンギンの多くは捕鯨船で南極から連れてこられたペンギンの子孫だそうです。

こちらのブログで紹介されておりました。
九段の真希のパッチワークな日々

今の感覚だと炎上案件だが、当時は特に問題にもされなかったのだろう。
このような行動にある程度規制が入ることは仕方がないとは思う。

・北海油田

マーガレット・サッチャーのイギリス首相としての在任期間は、1979年5月から1990年11月、11年と約7ヶ月となかなかの長期政権だ。

サッチャーが首相に就任した1979年というのは、いわゆる英国病の末期も末期であった。

 1960年以降のイギリスにおいて、”ゆりかごから墓場まで”という手厚い社会保障制度や基幹産業の国有化政策が実施され、社会保障負担の増加、国民の勤労意欲低下、既得権益の発生など、さまざまな経済・社会的な問題が発生した。これが英国病と呼ばれる現象である。(Wikipedia参照)

1967年に鉄鋼や運輸などの産業を再国有化、1975年に自動車産業を国有化、1977年には航空宇宙産業を国有化と主要産業はほぼ国有化された。

イギリスは一応、西側(資本主義陣営)のはずだが、これだと完全に社会主義国家である。驚くべきことに、イギリスは事実上、東側の国家だったのだ。

 1988年にエストニアの独立から始まり、その後、堰を切ったように次々と構成国家が独立し、1991年にソ連崩壊に至るわけだが、東側陣営から最初に離脱したのはサッチャー率いるイギリスだったのかもしれない。そう考えるとソ連崩壊の遠因となったのはサッチャーの存在ということになる。

 サッチャー政権は、「ゆりかごから墓場まで」と呼ばれるの高福祉の社会保障政策、社会保障支出の拡大を継続しつつ、フリードリヒ・ハイエクに傾倒していたサッチャーは新自由主義に基づき国営の水道、電気、ガス、通信、鉄道、航空などの民営化と経済に対する規制緩和により、政府の機能を削減していった。
これがサッチャリズムと呼ばれるサッチャー政権によって推し進められた経済政策である。

この新自由主義的な経済政策はうまくいった部分もあるだろうが、当然格差拡大や賃金低下、外国資本の参入による問題など、国民の不満も招いた。
サッチャリズムの是非については議論の余地があると思う。
ただ末期の英国病に対し、血を入れ替えるくらいの大きな手を誰かが打たなければなかったのは事実である。

 以前、中島らもの本で、ローリングストーンズのキース・リチャーズが薬物中毒の治療のため、全身の血を入れ替えたという話が書いてあったのを思い出した。全身の血を入れ替えたキース・リチャーズは病院から出てきて一言、「これでまた麻薬が打てる」と言ったらしい。

サッチャリズムも似たようなもので、英国病とは政策でなんとかなるような代物ではなかったのだろう。

しかしサッチャーが就任した当時、イギリスには大逆転を図れるかもしれない切り札があった。

 それが北海油田の開発である。

 イギリスは1960年に北海油田の開発を始め、石油の生産ができるようになると、1980年頃に石油の純輸出国となる。

 北海油田とはその名の通り、北海にある海底油田である。
北海というの昔から知られた荒海で、このような場所での石油の掘削が困難を極めたことは容易に想像がつく。

いろいろと調べていたら下記の文献を見つけた。短い文章だが分かりやすく面白かったので読んでほしい。あのJW.orgのHPだが、とにかく面白いので偏見を持たず読んでほしい。

荒海から石油を掘る(ものみの塔オンラインライブラリー)
https://wol.jw.org/ja/wol/d/r7/lp-j-rb/101980289

しばらく前,ガーディアン誌は次のように述べました。「国家[イギリス連合王国]の観点からすると,我々は,北海の石油からよりも,我々の優れた技術を売ることにより多くの利益を得る立場にいる」。これは真実になりつつあります。

荒海から石油を掘る(ものみの塔オンラインライブラリー)

上記一部抜粋だが、北海油田の開発は同時に新しい石油掘削技術の開発でもあった。”北海の石油よりも大きな利益を得る”とまで言われている技術はどのようなものか、その一部を見ていこう。

 海底油田の開発において最も大きな技術的ブレイクスルーは半潜水式プラットフォームだろう。それまで用いられていた固定式プラットフォームでは海底に土台を設置しなければならない。水深が深く、波が荒い上、水温が低いという過酷な環境の北海において固定式プラットフォームの建設はほぼ不可能だった。
 そこで登場したのが、半潜水式プラットフォームである。

 半潜水式プラットフォームは600フィートから6,000フィート(180mから1,800m)ほどまでの深さで使用可能であり、水深の深い海底油田の掘削が可能となる。船体の揺れも少なく安定していることから、北海などの海象の厳しい海域での稼働が可能である。(Wikipediaより抜粋)

半潜水式プラットフォーム 石油技術協会HPより

 半潜水式プラットフォームは建造物であり、同時に海に浮かんでいる船でもある。海に浮かんでいながら、掘削期間中はその位置を保持しなければならない。位置を保持する方法としては、アンカーと係留索による方式と自動船位保持装置(DPS,ダイナミック・ポジショニング・システム)方式の2つがある。

DPS方式の場合は海底に固定したビーコン(発信機)などにより、動きを計測し、本来の位置から外れた場合、元の位置に戻すということが自動で行われる。

位置の確認には海底ビーコンだけでなく、衛星による位置同定システムGPS(Global Positioning System)も使用されている。
現在はカーナビやスマートフォンにも搭載されており、もはやなくてはならないものだが、GPSの運用が始まった時期が北海油田の開発のタイミングとちょうど一致している。

 1973年にアメリカ国防総省の軍事プロジェクトとして開始され、最初のGPS用試験衛星は1978年に打ち上げられた。元来その利用は軍事用途に制限されていたが、1983年の大韓航空機撃墜事件発生後、民間機の安全な航行のため民間利用にGPSを開放する事がレーガン大統領により表明された。(Wikipediaより)

 そしてこのGPSによる位置同定は海底パイプラインを敷設するためにも必要不可欠な技術だった。

もしかすると順番が逆だったのかもしれない。
サッチャリズムを生み出したのが北海油田だと考えたほうが筋が通りやすい。

イギリスは赤い血をオイルに入れ替えたのだ。

しまった、上手いことを言ってしまった。なんかこの表現はマルキシズムの礼賛と捉えられかねない、そして血も涙もない機械人間みたいな誤解も招きかねない危ういものだから、ボツにしようか。

いや、困った時はChatGPTに頼ろう。


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⚪︎「イギリスは赤い血をオイルに入れ替えたのだ」という文章を使い、サッチャリズムを説明して

⚫︎ChatGPT
サッチャーによる改革(サッチャリズム)は、イギリス経済を劇的に変革しました。市場経済の強化と民営化の推進により、イギリスは経済成長を遂げ、国際競争力を高めました。しかし、その一方で、貧富の差の拡大や社会的不平等の増加、労働階級の生活環境の悪化といった負の側面もありました。

「イギリスは赤い血をオイルに入れ替えたのだ」という表現は、サッチャー政権下での産業構造の改革とそれに伴う社会的影響を象徴しています。石油収入を経済改革の原動力とし、伝統的な産業や労働者階級に対する優先順位を変えることで、イギリス経済は再生を遂げましたが、それには大きな社会的代償が伴いました。

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ChatGPTはすごいな。これはChatGPTが10秒もかからず作成した文章のごく一部である。

「イギリスは赤い血をオイルに入れ替えたのだ」という表現は、サッチャー政権下での産業構造の改革とそれに伴う社会的影響(負の側面)を象徴しています。

ChatGPTがこう書いているように、これほどサッチャリズムを端的に短い一文で説明した言葉はないような気がしてきた。この表現は「鉄の女」という言葉ともとても相性がいい。

 とにかく、油田というものは国の形を根底から変えてしまうほどのインパクトを持つものだということです。そしてそれは世界のパワーバランスをも変えてしまう可能性がある。

 北海油田の開発は”油田よりも大きな利益を得る”と言われるほどの海底油田掘削の大きな技術革新をも同時にもたらした。極地での海底油田の掘削が可能になったということだ。

・鉄の女

 フォークランド紛争については、支持率回復という意味合いが大きいとは思っている。戦争すると支持率は上がるのだ。

イギリス経済の低迷から支持率の低下に悩まされていたサッチャーは、戦争終結後に「我々は決して後戻りしないのです」と力強く宣言し、支持率は73パーセントを記録する。 フォークランド紛争をきっかけに保守党はサッチャー政権発足後2度目の総選挙で勝利し、これをきっかけにサッチャーはより保守的かつ急進的な経済改革の断行に向かう。

Wikipedia(マーガレット・サッチャー)

9.11の直後、ブッシュ大統領の支持率は90%に達し、イラク開戦後も支持率は上昇している。戦争の是非に関わらず、そういうもののようだ。
フォークランド戦争は「鉄の女」のイメージを世間に強烈に植え付けた。

フォークランド諸島というのはなにも無いところである。
大きさは新潟県と同じくらい、島の産業は放牧と漁業ぐらいしかなく、開戦当時、人口は200人ほどしかいなかった。
英国病による深刻な財政難に陥る1960年代には、フォークランド諸島をアルゼンチンに売却するという話もあったそうだ。

 フォークランド紛争の発端はアルゼンチン軍が1982年3月19日から4月3日にかけてイギリス領サウスジョージア・サウスサンドウィッチ諸島に侵攻したことに始まる。

GoogleMapを加工

地図を見ると、サウスジョージア・サウスサンドウィッチ諸島というのはフォークランド諸島より沖合にある、こちらもなにもない小さな島々である。(滋賀県くらい)
1982年3月19日、ここにクズ鉄業者を名乗り、20年以上前から放棄されていた捕鯨工場の解体という名目で50〜60人のアルゼンチン人が物資を港に下ろす作業を行っていた。英国政府からの上陸許可ももらっていると主張したが正規の入国手続きは一切行っていなかった。
数人のアルゼンチン人を残して物資を運んだ輸送艦は港を離れるが、この残った数名はアルゼンチン海兵隊員であり、下ろした物資は武器、弾薬、食糧などの軍事物資だった。

その後、4月1日深夜よりアルゼンチン軍によるフォークランド諸島侵攻が始まり、4月3日にはサウスジョージア侵攻が行われた。

これがフォークランド紛争に発展する。
アルゼンチン軍の侵攻に対し、サッチャーは間髪入れず軍隊を派遣した。

イギリス軍は経験豊富な特殊空挺部隊・特殊舟艇部隊によるコマンド作戦を経て、まず4月25日にはサウスジョージア島にイギリス軍が上陸し、奪還した(パラケット作戦)。続いて6月7日にはフォークランド諸島にも地上部隊を上陸させ、6月14日にはアルゼンチン軍が正式に降伏して戦闘は終結した。(Wikipwdia)

アルゼンチン側の事情(ちょっと面倒くさいので詳しく書かない)がサウスジョージア侵攻、フォークランド侵攻に向かわせたのは間違いないとは思う。要はスケープゴートである。

ただ、両者支持率の回復やスケープゴート目的のためだけに戦争を引き起こしたわけでも無いだろう。

 当時、周辺海域で海底油田の存在が確認されていた。
このあたりの海域というのは南極にほど近い高緯度の場所であり、それだけでも過酷な環境だが、アルゼンチンの突端のホーン岬と南極大陸の間のドレーク海峡というのは世界でも最も荒れる海域の一つとされている。
しかし、そんな過酷な環境でも油田を開発できる技術が確立されつつあったのだ。それを一番よく知っていたのはサッチャーさんだろう。

<参考文献>
下記参考にしました。

序章――フォークランド戦争とは何だったのか?
https://www.nids.mod.go.jp/publication/falkland/pdf/003.pdf

第1部 フォークランド戦争の外交的側面
https://www.nids.mod.go.jp/publication/falkland/pdf/004.pdf


・南極物語

 南極は最後の未開の土地である。過酷な環境にも関わらず、そんな場所にロマンを求め冒険に旅立つものは昔から後を絶たない。

 資源が眠っているとなれば、世界中の国々が開発に乗り出すだろう。当時の日本も国を挙げて南極の開発に乗り出そうとする動きが当然あったと思う。

 「南極物語」は1983年に公開された高倉健主演の映画だ。当時、空前の大ヒットを記録し、今でも日本映画の歴代興行収入ランキング15位に入っている。(日本製の映画ということでタイタニックやアナ雪とかは除外したランキング)

 ちょっと日本映画の興行収入ランキングを見てみよう。

1位 鬼滅の刃 無限列車編
2位 千と千尋の神隠し
3位 君の名は。
4位 ONE PIECE FILM RED
5位 もののけ姫
6位 ハウル
7位 踊る大捜査線(レインボーブリッジ)
8位 スラムダンク
9位 ポニョ
10位 すずめの戸締り
11位 天気の子
12位 コナン 
13位 呪術廻戦
14位 風立ちぬ
15位 南極物語

※最新のランキングだとコナンとハイキューに抜かれ、南極物語は17位になっている。

このランキングを見ると南極物語がどれほど異質なヒット作かわかるだろう。
まず上位はほぼアニメ作品であり、ほとんど2000年以降に公開された作品だ。実写映画は南極物語と踊る大捜査線しかない。

ただ、18位にはムツゴロウさんこと畑正憲監督、脚本による「子猫物語」なるものがランクインしている。どちらかといえばこっちの方が異質だが、ちょっと置いておこう。犬と猫の威力は絶大ということか。

 南極物語はフジサンケイグループが仕掛けた南極開発への気運を盛り上げるプロパガンダ映画ではないかという話なのだが、これは別に冗談で言っているのではなく、フジテレビというのはそういうことをたびたび行うのだ。
木村拓哉主演のHEROは検察のイメージアップドラマだし、最近は自衛隊のイメージアップドラマ「テッパチ!」というのもあった。踊る大捜査線も警察ではないか。(警察のドラマはどこでも作っているが)

 こういったものはフジテレビに限らず、日本テレビは当時在任中の小泉純一郎総理を岩城滉一が演じ、政権を礼賛するというトンデモドラマを作っていた。まったく北朝鮮みたいである。

・捕鯨問題について考える

ここまでいろいろと書いてきたが、オゾンホール問題と違ってサッチャーさんが反捕鯨運動に肩入れしていたという明確な証拠は一つもない。

サッチャーさんはとりあえず置いておくとして、日本が南極周辺をうろちょろしているのが気に入らない国が多く存在したことは事実だろう。

南極から日本を締め出そうという国際的な力学が働いた結果が捕鯨船への体当たりなのだ。

捕鯨問題とはその実、南極海域の陣取り合戦の一環であり、その先にある資源争奪のための戦略だったのだ。

これくらいの目的がなければ捕鯨船に体当たりなんてしないと思う。

・環境問題について考える

 環境問題というのは自然科学、政治経済、社会情勢、国家の策略などが複雑に絡み合った高度な情報戦である。いずれの分野にも精通した人物がマーガレット・サッチャーだった。

 経済活動や領有権、資源開発を牽制したのは、軍事力や経済力でも技術力や工業力でもなかった。

右も左も政治的なポリシーに関係なく大衆をも巻き込み世界を動かす。
それを可能にするのが"環境問題”なのだ。


追記

ここまで書いておいて、また面白いものを見つけた。
これまで南極の資源は石油ということで書いてきたが、もしかすると本命はオキアミかもしれない。

この動画は100回くらいしか視聴されていないが、とても面白いので見てほしい。
日本トロール底魚協会はその名の通り、トロール船の団体なのだが、水産資源開発では世界最大の組織であり、モーリタリアのタコやノルウェーのサーモンなど、今では当たり前になっているのもこの協会が世界各地で水産資源を開発したおかげである。

 この動画の冒頭、会長の吉田さんが若い頃、その時の上司かなんかに、
「君が辞める頃には退職金は十分あるよ」と言われたエピソードを語っている。それはどういう意味かと聞くと南極のオキアミ資源というのは無尽蔵にあるからこれを獲っていればこの先困ることはない、ということだったそうだ。
それくらいオキアミ資源というのは期待されていたということである。
いろいろ調べてみると、日本は南極でオキアミ漁を行っていたのだが、2011年に撤退している。

下記のHPを見るとシーシェパードの被害も2014年を最後に更新されていない。

これをどう見るかだが、本命がオキアミだった可能性は高い。

確かに水産資源というのはうまくいけば莫大な利益をもたらすものらしい。

読んでないけどいつか読もう。


追記
CO2温暖化と酸性雨についてもサッチャーが絡んでそうなので、メモとしてちょっと書く。
(酸性雨は証拠が見つからなかったが、CO2については完全にサッチャーさん絡みである)

この記事によると世界の指導者の中で最初に気候変動の脅威を説き、これを防ぐための行動を呼びかけた人物であったとあるが、晩年サッチャーは立場を180°変え、CO2抑制策に対して批判している、ということが書かれている。
当たり前だ。サッチャーさんはナチュラリストでも環境左翼でもない。
立場を変えたというのは表面しか見ていない。知見が浅い。
彼女は徹頭徹尾、ゆりかごから墓場まで国粋主義者なのだ。

このHPを見るとサッチャーさんは原子力発電の推進を公約とし、選挙に勝利した、とある。

https://www.town.meiwa.gunma.jp/material/files/group/3/chouchoucoramu91.pdf

群馬県明和町の冨塚もとすけ町長が書いたものを読むとサッチャーが原発推進のため、CO2温暖化論を唱える科学者を集めて、地球温暖化を防ぐために原発が必要という理論を作ったとある。
詳細は分からないが、サッチャーさんならそういうことをやってもおかしくないだろう。


酸性雨についてだが、酸性雨の原因はNOxとSOxだとされている。
原油には硫黄分の少ないスイートオイルと硫黄分の多いサワーオイルがある。
スイートオイルはその名の通り、甘い味と心地よい香りがするらしい。
19世紀の探鉱者は、少量の油を味わい、匂いを嗅ぎ、その品質を判別していたそうだ。

硫黄分の多いサワーオイルは脱硫という作業が必要になる。この脱硫の過程で酸性雨の原因とされるSOxが発生する。

原油の質により、価格も変わる。スイートオイルはサワーオイルより高いそうだ。
北海油田はスイートオイルである。


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