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矛盾を受け入れ、耳をかたむけ、

結論:現状を受け入れて勉強を頑張る

紙にそう書いて、ボールペンを置く。
大きく息を吐いて頭を抱える。

「分かってるんだよな…」

自分の中にあるごちゃごちゃした気持ちを書き出した。

・採用されたのにバイトを辞退した

・大学(通信)の勉強が思うように進んでいない、というかペースが全くつかめていない

・そもそも、オンライン授業についていけなかったことが中退した理由のひとつだったのに、どうして通信制の大学なんか選んでしまったんだ

・家から早く出て行きたい

・21歳で成人しているんだから、そんなに家が嫌なら出て行けばいい。家から出て行って生活するにはお金が必要

・お金のためには働かないといけない

・バイトすら不安になって辞退してしまう人間が正社員として働けるのか?

・社会はそんなに甘くない

・勉強も無理、働くのも無理、もう生きていけない

3年前、どうして死ねなかったんだろう。
あの時すべてを終わらせておけばこんなに苦しまずに済んだのに。

そう書いて、また大きく息を吐く。

いや、それは本当の気持ちじゃない。

3年前、死ぬことが出来なくて主治医と出会って命を救ってもらった。

こんなに楽しいことが溢れている世界を自分から手放すことなんてしたくないしできない。

だけど実際のところ、どうすればいいのかわからない。
今の自分に何ができるのかわからない。

結局、『現状を受け入れて勉強を頑張る』が最適解なのだろうけど、精神的に不安定で生活リズムが崩れてしまっている今、とてもじゃないけど勉強どころではない。

まずは生活リズムを整えて、メンタルを少しでも安定させることが大切。

結論はわかっても、その結論から「どうこれからを過ごすのが良いのか」ということを導き出せなかった。

だから相談をした。紙に書いた自分の気持ちを話した。

返ってくる言葉はみんな同じ。

『勉強に集中しましょう。』

予想通りすぎて思わず笑いそうになった。

そうですよね。勉強に集中するのが一番いいですよね。
そんなことはわかっているんですよ。

その結論にはもうたどり着いているんですよ。
勉強に集中できないから困っているんですよ。

私が聞きたいのは、その先の話。勉強に集中するための話。

それでもされるのは、
『バイトよりも勉強に集中したほうが良い理由』の話。

「あー、無駄だった。相談なんてしても無駄だった。」

もういいや。どうなっても。

すぐに自暴自棄になるのは自分の悪い癖。
わかっていても、考えることが面倒だった。

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とにかくバイトに応募しまくった。

バイトを始めれば生活にメリハリが生まれて、勉強も出来るようになると思ったから。

バイトをするということも、現状を打破する一つの方法ではある。

ただ、今の自分が新しいバイトを始めたら、職場の人間関係や仕事内容にたいして強い不安に襲われ精神状態は悪くなる可能性が高い。

「バイトを始めたおかげで勉強もできるようになってすごく楽になりました~!」

なんてことは、余程のことがない限り起きない。

「わかってはいるものの、考えたところでうまくいかない。それならもう何も考えたくない。」という思いに突き動かされ、求人サイトの『応募する』ボタンを押すことをやめられなかった。

こんなことしたって、私は幸せになれない。大学を卒業するのはもっと遅れる。家から出ることはできないし、家から出られるのも遅れる。体調も悪化するだろう。

何一つとしてメリットがない。

いや、ただ一つだけメリットがあるとすれば、「何もできない」自分が「求人に応募して面接を受けられた」自分になれて、どうしようもない無力感が少しだけ減る。

1週間後と1か月後にそれぞれ別の企業に面接を設定していただけた。

よし、さっさとバイト先を決めてバリバリ働くぞ。

そう思いながらも、「こんなこと間違っている。お願いだから誰かに止めて欲しい。」と願う自分がいた。

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自分の感情や行動がコントロールできなくなる恐怖が常にある。

衝動性が強くて、自分が良く分からなくて、一瞬でも「どうでもいいや」と思ってしまうと、頭でどれだけ冷静に「そうすべきでない」と考えていても行動を起こしてしまう。

自分が二人いる感覚。

冷静な自分と「考えたって無駄!」って衝動的な自分。

面接4日前。
投げやりだった自分が何故か急に落ち着きを取り戻した。
何がきっかけだったのかは未だにわからない。

急に「衝動的に求人に応募して面接を組むなんて…。今すべきなのは勉強でしょ。バイトをすることは勉強から一番遠ざかる事なのに。」と悟った。

そこからは激しい後悔でパニックになった。

バイトしたくない。勉強するために今は動きたい。
面接を辞退するなんて、また周りに迷惑をかけてしまう。
どうしてこんなことをしてしまったんだ。

たくさん考えて、それでもどうしても自分一人では「面接を辞退する」という選択を下せなかった。

『一度やると決めたのだ。辞退なんてありえない。』

面接は予定通り受けることにした。

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「〇日にバイトの面接を受けます!」

デイケアの担当スタッフさんに報告した。

いつもは「面接受けました」「新しいバイト始めます」の事後報告。
少しだけ、誰かに自分の暴走を止めて欲しい、という気持があった。

スタッフさんにはやんわりと考え直すように促された。
主治医や心理士さんと「新しいことは始めないほうが良い」って話したことを思い出すように言われた。
「とめて欲しい…」と思いながらも、面接を受けることを主張。
何故か最終的には「受けるので!」と頑なに言い張った。
いやもう、何がしたいんだこの人…。

帰り際、担当スタッフさんに自ら話しかけにいった。

「本当は、誰かに止めて欲しい……誰かに止めて欲しいんです……。」

打って変わった弱々しい態度。

担当スタッフさんは変わらない態度で、
『その言葉、喉元まで出かかっていました。辞めた方がいいんじゃないですか?』と言ってくれた。

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結局、面接は辞退した。

スタッフさんに『結局どうしました?』と聞かれ、「辞退しました。止めてくれてありがとうございます。」と伝えると『頑張りましたね。』と言ってくれた。

頑張った……のか……?

迷惑をかけてしまった。
衝動的にとった行動で周りに迷惑をかけるなんて最悪だ。

色々あったけど、今回この決断をするために、
①冷静に現状を把握して最適だと思える判断ができた
②人に助けを求められた
➂人の言葉を聞くことが出来た。受け入れることが出来た。
④「ありがとう」と伝えられた

ぱっと思いつくだけでも4つの経験ができた。

反省と経験から得られたことを糧に、同じことがもう2度とないように、支えようとしてくれている周りの言葉をちゃんと耳に入れて受け止めていく。

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🐤ひとりごと🐤

人の意見を聞くと、その人に支配されている気がしてしまい、むしろ反発してしまうような…そんな面倒な人間にいつの間にかなっていました。

心理士さん、主治医、デイケアのスタッフさん。
どれだけ信頼していても、せっかくしてもらったアドバイスを素直に聞き入れることのほうが少なかったです。

でも最近、本当に少しずつだけど、周りの声に耳を傾けられるようになってきました。

そのことでどんな変化が起きるのか…数か月後に記事にしてあげるためにも、耳を傾けることを意識して生活します。

心をぽかぽかさせるために使わせていただきます☺️