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2014年12月の記事一覧
「過去未来報知社」第1話・第33回
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>>第32回
(はじめから読む)<<第1回
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それは、どこか不思議な空間だった。
賑やかな人の声、どこからか響く鈴の音。
大勢の人が近くを歩いているのに、それがどこか遠くのことのように感じる。
TV番組を音を消して見ているような、近いのに遠い。
現実なのに非現実的な。そんなふわふわした空気が流れていた。
「過去未来報知社」第1話・第32回
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☆連載内・クリスマスイベントです(第29回~) #Xmas2014
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>>第31回
(はじめから読む)<<第1回
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商店街に午後12時を告げる鐘が鳴る。
「……なんでこんな真夜中にこの商店街は人が減らないんですか。
子どももいっぱいいるし」
「だって、これからがお祭りだもの」
途端に道を埋め
「過去未来報知社」第1話・第31回
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☆連載内・クリスマスイベントです(第29回~) #Xmas2014
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>>第30回
https://note.mu/su_h/n/n8161d067a17a
(はじめから読む)
<<第1回
https://note.mu/su_h/n/n80b1bc94e9af?magazine_key=mbb6ba54825ac
「過去未来報知社」第1話・第30回
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☆連載内・クリスマスイベントです(第29回~) #Xmas2014
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>>第29回
(はじめから読む)<<第1回
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「危ないな、気をつけてくれよ」
書類の落ちた先のソファに寝ていた慶太が、
真剣白羽とりよろしく書類を掌に挟んで起き上がった。
「あなたも、あなたです! なんでここにいるんですか!」
「過去未来報知社」第1話・第29回
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☆連載内・クリスマスイベントです(この回からスタートです) #Xmas2014
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>>第28回
(はじめから読む)<<第1回
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「だから、妖怪がいるんだって」
笑美はおざなりに頷いた。
これが年端もいかない少年少女なら微笑ましいところだが、
熱弁をふるっているのは喜寿を過ぎた大先輩である。
「
「過去未来報知社」第1話・第28回
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>>第27回
(はじめから読む)<<第1回
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「やっぱり、猫が多いな」
少し欠け始めた月を背に、男と笑美は夜の六合町を歩いていた。
男が持っているのは笑美の荷物である。
いくら「自分で持てる量ですから」と言っても聞かず、運んでくれている。
もっとも最初から「いくら夜だからって、役場から荷物を持ってくることぐ
「過去未来報知社」第1話・第27回
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>>第26回
(はじめから読む)<<第1回
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「何ですが、その格好」
ぬぼっと目の前に立った男の姿を見て、笑美は盛大に吹き出した。
胸に黄色いひよこのアップリケがついたピンク色のエプロンに、
さくらんぼが散りばめられた三角巾を頭に巻いてハタキを手にしている。
六合荘に帰ってきた笑美を出迎えたのは、そんな巨
「過去未来報知社」第1話・第26回
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>>第25回
(はじめから読む)<<第1回
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「で、一泊させてもらったわけ?」
「はあ、行く場所もなかったし、夜も更けてましたので」
東谷に茶を淹れながら、笑美は答えた。
『話もまとまらないし、泊まって行けば?』
と言ってくれたのは大家……ではなく、勿論ネコだった。
ネコの言葉に完全に臍を曲げた大家は狸寝入
「過去未来報知社」第1話・第25回
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>>第24回
(はじめから読む)<<第1回
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「とりあえず、住民の皆さんが困っているので、とっとと仕事を再開してください」
「仕事じゃないってのに……」
「どうせ外にやることもないんでしょ?
大家の仕事だって、ネコさんに任せっきりだって言いますし。大体……」
笑美は部屋を見渡す。
六合荘の奥まった場所にある大家の部屋は、
住宅地とは思えないほど静かで
「過去未来報知社」第1話・第24回
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>>第23回
(はじめから読む)<<第1回
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「住民の方から役所に相談がきているんですよ。
大家さんが……入江さんが人生相談をしてくれないって」
「俺の仕事はこの六合荘の大家だし、人生相談なんか受けてないが」
「ほら、あれですよ。過去未来報知社のお仕事ですよ」
すげない大家にネコが助け舟を出す。
「そう、それ
「過去未来報知社」第1話・第23回
>>第22回
(はじめから読む)<<第1回
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「誰だ、お前は」
鏡の間で大家は怪訝そうに笑美を覗き込んだ。
「昼間伺った、市役所の者です」
「……"りくもん"、に見えるが」
「これしか被り物が役所になかったんですよ!」
まるっこい胴体に
「六」の字をデフォルメした飾り物をつけた着ぐるみがわさわさ動いている。
「前から思っていたんだが、それはクマなのか、かものはしなのか
くり
「過去未来報知社」第1話・第22回
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>>第21回
(はじめから読む)<<第1回
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「あの……、何の話ですか?」
「知らない? 満月のパワー」
「すぴりちゅある、的な? あー、私そういうのに疎くて」
笑美はぼりぼりと頭を掻く。
「そんな胡散臭いものじゃないんだけど。もっと身近なものよ。
だからか、皆が警戒していたのは。縁起の悪いものだと思われた
「過去未来報知社」第1話・第21回
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>>第20回
(はじめから読む)<<第1回
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足の踏み場もないほどの猫に囲まれ、笑美はわたわたと辺りを見回す。
歩いてきた道、周りの塀、足の傍ら。
大小さまざまな猫が笑美を見上げている。
「え? 何? さっきまでこんなに猫、いたっけ?」
ブロック塀に囲まれた一本道は、小さな空き地へ向かっている。
そ
「過去未来報知社」第1話・第20回
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>>第19回
(はじめから読む)<<第1回
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鮮やかな夕焼けが夜の群青に染まり、グラデーションを作る。
コンビニ袋をガサガサさせながら、笑美は暢気に裏道を歩いていた。
結局、今日も役場に泊り込みなのである。
上がり始めた月が丸い。
「満月ね~。そういえば、最近ゆっくり空なんて見上げて歩いてなかったな」