綾縞 -Ayashima

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最近の記事

お酒の、美味しい、を知る

人が美味しいと感じるのには、3つの要素があるそうだ。 1つは、そのものの美味しさ。 2つ目は、ストーリーを知ること。 最後の3つ目は、雰囲気、だそう。 そして、お酒のような嗜好品は、"味の経験"も必要とのこと。 まさしくそんな経験を経て美味しさを知り、好きになったのがワインだった。 私がワインを好きになったきっかけは、山梨だ。転勤先で、何か楽しみを見つけたいと、ワイナリー巡りをしたのが始まりだった。 初めて参加したワイナリーツアーで、ワインが出来上がるまでの工程、葡萄

    • もう覚えていない、祖母の話。

      小さい頃、よく祖父母の家に預けられた。小学生くらいまでは毎年お泊りに行っていた。いつも一緒にいるわけではないけれど、私にとって祖母は身近な存在だった。 そんな祖母からよく、戦争の話を聞いた。 それなのに、私はその話をあまりよく覚えていない。唯一覚えているのは、「平成になった今でも、救急車のサイレンで跳び起きて逃げようとしてしまう」というエピソード。あとは、妹を背負って逃げたとか、疎開先での暮らしが大変だったとか、そういう曖昧な、暗くて、ひもじくて、不安なイメージしか覚えて

      • やまなしぐらし #3

        台風から1週間、少しずつ復旧してきて、道路も電車もなんとか繋がり始めている。正常復旧までにはまだまだ時間が掛かるけど、みんななんだかんだ生活できている。 # 1,# 2と、山梨で暮らしていることへの不満を書いてしまったから、今回は、良かったと感じたことを書いておこうと思う。 ・山梨に来て、よかったと思うこと まずは、車が運転できるようになったこと(笑) 電車だけで生きてきた人間にとって、車を日常で使うことはハードルが高かった。配属当初は絶対買わないと心に決めていた私だが

        • やまなしぐらし #2

          「山梨は山に守られているから、災害には強いんだよ。」 山梨に来てから、幾度も聞いた、”山に守られている”って言葉。地元ならではの感覚が表れてて好きだなって思う。 ただ、今回の台風にはそうもいかなかったよう。 県内各地で土砂崩れや道路の崩壊、倒木など、生活路が被害を受けている。中央本線は高尾-大月で復旧の見通しが立たず、高速中央道・国道20号も土砂の影響で通行止めが続いている。甲府盆地から東京方面へ出る手段は、実質、御殿場IC経由という大幅な迂回しかない。(長野経由の新幹

        お酒の、美味しい、を知る

          やまなしぐらし #1

          新卒、初配属で暮らし始めた山梨。必死だった1年目はあっという間に過ぎて、2年目も半分を終えた。ここまで約1年半、山梨という田舎で暮らしてきて、良いところも悪いところ知れたと思っている。そこで、気持ちの整理という意味でも書き出してみたいと思った。 ・遊びに来るにはいいとこだけど、住むにはね……の理由 「山梨っていいところだよね」って、遊びに来てくれる友人はみんな言う。たしかに、自然豊かだし、食べ物は美味しいし、空気がのんびり流れている気がして、とても良いところだと思う。

          やまなしぐらし #1

          『ラッカは静かに虐殺されている』を見て

          ドキュメンタリー史上、最も緊迫した90分 というコピーがよく分かる映画だった。 映画、といっていいのかどうかも疑問。 リアルな映像。 渦中にいる人にしか伝えられないことがある。 どこにいてもいつ誰が殺されるか分からない、という極限状態の中でRBSSの活動を止めなかった人達が本当にすごいと思う。 本や講義やニュースで、シリアで起きてることを知ろうとしても、断片的でリアリティがなく、消化不良に陥って、もやもやしたままだった。じゃあ実際に自分の目で見に行くかといったらそれほど

          『ラッカは静かに虐殺されている』を見て