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お酒の、美味しい、を知る


人が美味しいと感じるのには、3つの要素があるそうだ。
1つは、そのものの美味しさ。
2つ目は、ストーリーを知ること。
最後の3つ目は、雰囲気、だそう。 
そして、お酒のような嗜好品は、"味の経験"も必要とのこと。

まさしくそんな経験を経て美味しさを知り、好きになったのがワインだった。

私がワインを好きになったきっかけは、山梨だ。転勤先で、何か楽しみを見つけたいと、ワイナリー巡りをしたのが始まりだった。

初めて参加したワイナリーツアーで、ワインが出来上がるまでの工程、葡萄や樽、コルクへのこだわり、さまざな発酵方法、などなど、今まで知らなかったワインの奥深さを学んだ。
それまで、ワインはどちらかというと苦手だった。アルコールが強くて、いかにもお酒、という感じが、好きになれなかった。
でも、ストーリーを知ってから飲むワインは、違った。美味しかった。もちろん、そのワイナリーのワインが美味しいというのもあるけれど。でも、それだけじゃなかったと思う。
このときから、それまで色の違いしか分からなかったのが、葡萄の種類の違いや発酵方法の違いにも興味を持つようになった。

ワインに興味を持ったものの、ひとりでボトルを開けられるほどは飲めないので、買うのはいつも友人か彼氏が遊びに来たときだった。みんなで好きなものを選んでみんなでわいわい楽しんだ。その時々でたしかに味は違ったけれど、どれも美味しかった。

そんなこんなでワインを飲む機会が増え、気づいたら好きになっていた。山梨を離れた今でも私は山梨のワインが好きだ。


ところで、いまだに苦手なお酒がある。
ビールだ。
苦いし、すぐお腹いっぱいになるし、あまり好き好んで飲めないのである。

そんななか、林伸次さんの『HOP TRAVEL』をみかけた。ビールについての知識を詰め込んだ物語、とのことで、早速読んでしまった。

ストーリーは、美味しいビールを求めて消えてしまった人を追いかける、というもの。その過程でビールについての蘊蓄がたくさん出てくる。

・ビールは麦と酵母とホップでできている。
・ハラタウは世界有数のホップの産地。
・ジンジャエールのエールとペールエールのエールは同じ 

、、、

やっぱり、ストーリーを知ると飲みたくなってくる。
ビール工場を見学したときは何も思わなかったのに、不思議。 


週末の晩酌は、いつものジンジャエールじゃなくて、ビールを飲んでみようかしら。

いつか、ビールも好きと言えるようになるといいな

#ヱビスの小説読書感想文