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中国人、外に出なくても平気っぽい説

突然ですが、外出ができなくてフラストレーションが溜まっています。

ベビーカーも買ったし、生まれてもう3ヶ月だし、普通に子どもを外に連れ出したっていいはずですが、嫁&義母が「今日は風が強いから」「いまはお盆で外に霊(中国語では「gui」という)がいる」などといろいろな理由をつけて、めったに子どもを外に連れ出そうとしません。どこまでも過保護な中国式育児ここに極まれりです。Web記事なんかだと、「子どもは生まれてから6ヶ月は外に出さないほうがいい」なんて書いてるのがあって戦慄します。

また、買い物などの用事で外に出ることもなかなか叶いません。というのも、炊事がいま義母の仕切りになっていて、日常の買い物はすべて任せきりになってしまっているからです。お義母さん疲れたでしょう今日は僕が買い物に行きますよといっても、私はいいから子どもを見ておいてあげて、ときます。いや、そうじゃなくて僕は外に出たいんですよお義母さん(心の中で歯軋りをしながら)。

その他、なかなか子どもから離れるタイミングもなく(せっかくのツーオペ育児なのに……)、散歩にすら気軽に出れない日々が続いています。子どもと嫁が同時に寝ている時にちょっとコンビニにジュースを飲みに行ったり、ネットで買ったものをわざと集配所止めにして(本当は家まで届けに来てくれるんですが)、取りに行くふりをしてちょっとブラつくという涙ぐましいことをやっています。

対して、僕と同じように家から出ていない嫁は、それにあまりストレスを溜めている様子はありません。いや、「同じように」ではなく、嫁は僕と比べてもほとんど外に出ていません。

中国では「産後の女性は動くべからず」という観念が強く、特に子どもを産んでから1ヶ月間は徹底して安静にしなければならない(「坐月子zuo yue zi」という)とされており、嫁は律儀にそれを守っていました。もちろんその間は一歩も外に出ませんでした。

しかしその期間が過ぎてからも、嫁は何かと理由をつけて家にいようとします。というか、子どもの検診以外で少しでも外に出たことがあったっけ……? 一ヶ月を過ぎてもまだまだ休むべきということなのかもしれませんが、それにしても外に出ずに精神は大丈夫なのでしょうか。聞いてみても、特におかしなことであるという意識はないようです。

また思い出すのは、産後すぐに嫁についてくれたお手伝いさんのことです。お手伝いさんも1ヶ月間ずっと、一歩も外に出ることはありませんでした。仕事だからといえばそれまでなのですが、それにしたってまったくの他人の家に丸ごと1ヶ月いて、少しくらい外の空気を吸いたいとは思わなかったのでしょうか。

ひょっとして中国の人々は、ほとんど外に出なくても平気な精神構造をしているのではないか、と思うのです。

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これだけだとただ単に僕の周囲の人がそうなだけかもしれないし、周囲の友人に聞いてみても特に外出に関して必要も不必要もないという感じなのですが、この「かなりの間、外に出なくても大丈夫」という視点で中国を見直すと、どうも辻褄があうことが多いような気がするのです。

たとえば、コロナ禍を通して行われたゼロコロナ政策です。

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