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中国の子ども音楽教室、なぜかドラムが主流な件について

先週末、家の近くで子ども向けの音楽教室の発表会のようなことをやっているのを見たんですが、そこでの光景にちょっとびっくりしました。

というのも、ステージの上に5台ものドラムセットが並べられていて、曲が始まるとそこに座った子どもたちが一斉にそれに合わせてドラムを叩き始めるのです。子どもの演奏とはいえ、5台のドラムセットが同時に放つ音圧には異様な迫力がありました(写真とか動画を撮ればよかった……)。

曲目は教室側が課題として選んだものらしく、過去の中国で流行したものが中心でした。スラムダンクの主題歌としてお馴染みの「君が好きだと叫びたい」や、PSYの「江南スタイル」リンキン・パークの「Faint」など、時代も国もさまざまです。大音量で流れるリンキン・パークやら江南スタイルに合わせて中国の子どもが5人、一生懸命ドラムを叩く様子を見るのは、なんだか不思議な気持ちでした。

ちなみにしばらくその発表会を見ていましたが、曲によってステージに上がる人数に差はあれど、ドラム以外でステージに上がる子は(少なくとも僕の見ていた時間帯には)いませんでした。

どうやらこの教室で楽器を学んでいる子どもは、ほとんどがドラムを履修しているようです。

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日本では楽器の習い事といえばピアノが相場ですし、バンドに興味を持った子がいても最初に手を出すのはたぶんギターだと思うのですが、なぜか中国では習い事として真っ先に選ばれるのがドラムになっているという現状があります(ひょっとしたら地域差があるかもしれませんが、僕の観測範囲では明らかにドラムが主流です)。

街を歩いていると、音楽教室の前に試奏用のドラムセットが置かれているのをよく見ます。自由に叩けるようになっていて、興味を持った子が叩きにきたらその子(と親)を勧誘するわけです。

ちなみに僕、学生時代にそれなりにドラムを叩いていた経験があり、以前そうした試奏用のドラムセットを勝手に叩いて遊んでいると、教室の中から出てきた運営のおっちゃんに「講師として働いてくれないか」と言われたことがありました。

勝手にアルバイトをするとビザ的にグレーなことになってしまうので丁重にお断りしましたが、ボランティアでやってみてもよかったかもしれません。今度誘われたらやってみようかと思います。

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しかし、なぜ子どもが学ぶ楽器としてドラムが選ばれているのでしょうか。

実際に子どもをドラム教室に通わせている親御さんや、楽器業界で働いている人に聞いたり、ネットで拾った情報では、以下のような理由が挙げられていました。

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