中国の「愛国の子どもたち」を見ていて、愛国よりも心配になること
SNSで中国について見ていると、たまに「溢れる愛国を発揮する子どもたち」のような動画が流れてくることがあります。
たとえばこちらは、「中国は一番すごいんだ!」と大声で叫び、「ねえ、中国はすごいって5回言ってよ!」と周りの大人に促す子どもの映像。
そのほか最近流れてきたものとしては、日本とウルトラマンが好きだと言う弟に胸ぐらをつかみながらブチギレて、中国がいかに優れた国なのかを涙ながらに「教育」するという、いろいろな意味で涙なしには見られない映像があります。最後には弟が「改心」するというオマケつきです。
こうした映像の多くは、まず中国国内のショートムービーアプリなどに流され、「感心な子どもがいたものだ」という文脈で拡散されます。中国において、愛国はもっともバズりやすく、また当局に咎められることのない娯楽コンテンツです。
そして中国国内で一定の注目を集めると、おもに反体制の中国人などの紹介によって中国の外のネット世界に引っぱり出され、「中国の愛国教育はここまで歪んでいる!」などといって糾弾されたり、不気味がられたりするというパターンで広がります。
たしかに中国における「国を愛せ」という圧は、そのほかの国では考えられないような熱を帯びていて、場合によってはドン引きしてしまうようなものではあります。世界2位の経済大国になった後もその圧を出し続けているというのも、日本ならびに他の国から見れば考えにくいことです。
とりわけ日本人からすれば、国家の強制による「愛国」とは過去に犯した愚行そのものであり、それを再現しているようにも見える中国の現状がより異常性をともなうものに見えるというのはあるでしょう。
ただ、僕はそうした中国における愛国教育の異常性よりも、ちょっと違うところに目が行きます。
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