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「中国のことを一番わかっているのは中国人」なのか?

少し前ですが、こんなツイートを見ました。

この「中国のことは中国人が一番わかっている」ということについては僕にも思うところがあるので、今日はこれについて書いてみたいと思います。

個人的にはこの「中国のことは中国人が一番わかっている」という命題は、正しくもあり、またある意味では正しくないと思っています。以下に説明します。

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まず、どういう意味において正しいのかについて。

中国に暮らしてきて思うことですが、中国における「最適なふるまい」というのは、確かに中国人にしかわからないように思います。

コロナがらみでも経験しましたし、それ以前にもずっと感じてきたことですが、たとえば中国に住んでいて何か問題が起こった時、その解決法を外国人が自力で見出すのは、かなり難しいものがあります。ほぼ確実に、中国人自身による助けが必要です。

それは言葉の問題というより、中国における複雑怪奇な不文律、そしてルールとの付き合い方に起因するものです。明文化されていない「コード」のようなものを敏感に読みながら、目の前にあるルールをどう解釈するか、そしてどうやって適度にルールを逸脱するかという駆け引きを、不断に考えなければいけません。

中国に生まれ、中国の空気のもとで育ってきた人はそれをいとも簡単にやってのけますが、外国人である僕にはたぶん、どれだけ長い年月をかけてもそれを理解し、体得できるようになる気がしません。

こういった不文律はどこの国にもあるものでしょうが、おそらく中国のそれは他の国よりもいささか強烈です。中国で成功する外国人や外資企業の少なさが、それを物語っています。

「中国でのふるまい方」を知り、中国においてつつがなく暮らせるという意味で、「中国のことは中国人は一番わかっている」という命題は、正しいといえる思います。

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次に、どういう意味で正しくないのかについて以下に述べていきます。

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