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大衆向けゴジラの帰還。「ゴジラ-1.0」感想

さあゴジラフェスから一夜明け翌日。
夜勤明けだったので初日に観に行けなかったゴジラ-1.0を鑑賞。
やっぱイベントと新作を被せるのはちょっとな…と思わなくも無い


飛ばしても良い長ったるい前置きを経てから感想


※例の如くあくまで自分個人が抱いた感想
気に食わなかったら黙ってブラウザバックするなりブロックするなり賢く自衛してください。



恒例の予備知識…きっかけはハム太郎でした

見出しで察するように自分が初めて映画館で観たゴジラはよりによってGMK

ハム太郎と初めて同時上映になったゴジラかつ、当時歴代最悪でトラウマを植え付けるにはこれ以上ないゴジラだった。


当時はぴっかぴかの一年生。
同級生の女の子の家に行ってハム太郎の玩具で遊んでいた覚えがあるし、夕方ぐらいのアニメは欠かさず見てた気がする。

そんな中ハム太郎の劇場版。ミニモニがゲスト出演するとかで話題になってたような…



ハム太郎を鑑賞した後に一気に空気が変わる場内。
当時はまだ4DXだとかないはずなのに隙間風が吹いたような、冷房が強くなったような寒気が来たのを明確に覚えている。


ほんわかするハム太郎が終わったと思ったらあまりのギャップの違いに場内に溢れる泣き声、泣き声、泣き声。いや本当に。
途中退場も多かった。


勿論自分も怖かった覚えはあるが、ウルトラマンが大好きだったのでGMKの「護国聖獣」という存在がどうやってゴジラを倒すのか?の方に夢中だったと思う。
とりわけ千年竜王は演出もさながらウルトラマンのようなヒーローに思えた。


意外にもGMKをはっきり観たのは映画館で観たそれ以来な気がする。

当時観た証拠に有名なゴジハムくんもこの通り。

父親と弟と観に行った覚えがあるので入場者特典の3体、それと前売り券の特典?で金銀の2体。
…親父もしかして謀ったな…?

恐らくGMKを観た直後から過去のゴジラ作品をTSUTAYAに行っては観てたような気がする…

が、実はGMKが人生初ゴジラではなく地上波で放送されたVSメカゴジラVSデストロイアだと思われる。あくまで初めて映画館で観たゴジラがGMK。

気づいたら水性マッキーか何かでタイトルが下手くそな字で書かれ録画されたVHSがあった。物心つく前の自分の筆跡だったのは間違いない。

いつだか久々に観ようと引っ張り出したら上書き録画されていてえらく落ち込んだ覚えがある。

閉幕…2004

確かにGMKは怖かったもののその怖さが妙に癖になったのか、ある意味ホラー映画みたいな楽しみ方をしていたのかもしれない。

翌年の機龍2作も足を運んで映画館で観た。…が、これが意外と覚えていない。むしろ弟が機龍を好きだったような気がする。


そしてお祭り作品のゴジラFW
怪獣達がこれでもかと登場する、一貫して強い無双するゴジラと子ども心に楽しかった。

とはいえ人間パートの格闘戦に謎の超サイヤ人は当時から「?」だった


最後にミニラに諭され海へと帰っていくゴジラ。
確か当時公開された段階で最終作と銘打っていた気がする。

作中の数多の戦いを経てなのは勿論、長年続いたシリーズの終焉。
沈む夕日に向かって去っていく姿を見てもう映画館で会えないんだな…と泣いた覚えがある。子どもながらに50年の重みを体感した。


虚構の来襲…2014〜2016

FWから10年経ち2014年、まさかのハリウッド産のゴジラが公開。通称ギャレゴジ。


ほぼ10年ぶりに映画館でゴジラを観れたことに感動したり、新怪獣ムートーには関心したもののとにかくゴジラの出番が少ない。おまけに画面が暗すぎる。AvPか。

挙句にはラストの「怪獣王は救世主か?」


なんのこっちゃ。
結局はアメ公から見たゴジラはでかい!強い!しかないんだなHAHAHA!と馬鹿にしてた。ゲロビオエエエエ


とはいえ「スクリーンにゴジラが帰ってきた」事実はとんでもないことだったし、既に続編が企画中だけでなくラドン・モスラ・ギドラの三大怪獣 地球最大の決戦を連想させる豪華な面子の発表にはこれでもかと喜んだ。

そんな中ギャレゴジの成功を受けて国産ゴジラが復活。
過去作のゴジラほとんどを観た自分やそれ以上にゴジラを愛している人、詳しくは知らないけど漠然とゴジラを知っている人。

それらほとんどの人を驚愕させたであろうおぞましいデザインと共に発表されたのがシン・ゴジラだった。


原点の真髄?「シン・ゴジラ」をざっくり振り返る


マイナスワンの感想を早く触れたいけどその前にやはり国産ゴジラとしてだけでなく、作品として多方面に爪痕を残したシン・ゴジラについてざっくり感想を語らねばなるまいて。…大変だけど。


黒くてでかい・熱戦を吐く・海を泳ぐ

といった作品を観たことがない人でも漠然と知っているゴジラの既成概念。
それらの要素を残しつつパッと見誰が見ても怖いと思える見た目は衝撃的だった。

見た目だけにとどまらず進化する生態熱線を放射するまでの流れと何もかもが新しい。
それでありながら歴としたゴジラなのだから面白いし興味深い。

「どうせゴジラと言えば〇〇でしょ」
と植え付けられた先入観を見事にぶち壊すやり方はここ数年の任天堂の「当たり前の見直し」に近いものがある。

そこが自分の大好きな部分で、1954年の当時ゴジラを初めて見た人らが抱いたであろう感情を、半世紀以上経った現代に再び呼び起こしたことがとんでもないことだと感服した。

半世紀を経ての追体験
当たり前に作品を観賞してはいるがこれってものすごいことではないのか?

これまでゴジラ全作観た人でもほぼ全員が体感できたのではないか?という部分を今でも絶賛している。

直近でこれを体感したのが放送中の最新作:ウルトラマンブレーザー
ゴジラ同様長期続いたシリーズであり、正直ニュージェネに飽き始めて卒業する所だった自分を食い止めた田口監督渾身の作品。



現実対虚構」のキャッチコピーも飾りではなく、国産では初のCGによるゴジラ。

中にはCGが雑で現実味がない、という批判も見かけたがそりゃそうでしょ。だって虚構なんだから。
本来ならそこにいるはずがない未知の生物、浮世離れした存在なのだから現実に溶け込ませてしまってはそれはおかしい。

そもそも生物なのかも疑わしい得体の知れないものを相手にしているので全く気にならなかった。一生物としてはあまりにも強大で理解不能で。まるで台風だとか自然現象そのものを相手にしているかのような。


そんなゴジラを相手にする大人たち。
実はエヴァンゲリオンだとか庵野監督の作品を恐らく1つも観てないので最初は言葉の渦に面食らった。
次第に読ませる気のない憲法の文面の辺りから台詞の一句一句全てを把握しなくても良い、流れと雰囲気に浸るものだと悟りつつも、俳優さんが必死に覚えたであろう長台詞をそう組み込む大胆な見せ方に驚いた。


日本人らしい対ゴジラの姿勢や作中の仕草、まずは君が落ち着け。なんて散々作品外でも擦られたり、本作後にキャスト陣のCMやドラマ起用が顕著だったりとゴジラだけでなく登場人物らにも魅力があったのはすごいことだと思う。

迎撃作戦だとか綿密に取材をした上でのリアリティ、日本だからこその回りくどい段階を踏むやりとりも堅実だからこそ、フィクションとはいえおかげで余計に現実の議会だお偉いさんだのしょうもない保身ばかりの応酬に皮肉ったのを覚えている。
現実でもこういうかっこいい志を持った大人たちであればいいのにな…と作中の人物らが羨ましく思えた。

今作は他に怪獣が出ないのでがっつり人間ドラマに比重を置いたゴジラだろう。


ゴジラに対しては「初代のメッセージ性、人間ドラマの作品群」と「娯楽真っ盛りの怪獣プロレスの作品群」どちらも好きなのでシン・ゴジラは許容できたしとても感動した。

なので今でも自分の好きなゴジラじゃない!という「ただ自分の直撃世代以外を認めないだけの知見が浅い人」を見かけるともんのすっっっごい馬鹿にしたいマウントとりたい激情に駆られて大変よろしくない



ただし今でも思うのがゴジラを知らない人にまずはこれ!と勧めるにはハードルが高いということ。

今のマイナスワンが上映されるまでは比較的視聴しやすい環境にあるゴジラだったが、人間ドラマ群にしたってあまりにも濃い。
大好きな自分ですら終盤の会議シーンは正直流れすらぼんやりとしか捉えきれず雰囲気だけで楽しんでる部分もある。あの折鶴から閃いて行き着く所。

ゴジラを初めて観る人への選択肢として挙げられるのは大方

・初代ゴジラ
・VSビオランテ並びにVSシリーズ
・機龍2作

だろうが正直どれも100%自信満々にこれだ!とは勧め難い。
特に原点である初代ゴジラを推すのもわかるが古の白黒映画。人によっては抵抗がありそうで決め手がなかった。


その後のゴジラ

シン・ゴジラ後も何かしらの新作が供給されたのは幸福だったと思う。

2017〜2018年
怪獣惑星三部作、通称アニゴジ

2019年
ゴジラKoM

2021年
ゴジラS.P
ゴジラvsコング


そして気づいたら毎年開催のゴジラフェス。


ファイナルウォーズからギャレゴジまでの空白期間を過去作を観て凌ぐしかなかったので、やはり今現在学生だったり若い頃に新作を浴びれるのは羨ましい。自分?30手前はもうおじさんやろ。


とはいえそれらも布教するには厳しかった。
特にS.P。最終話が公開された辺りでネトフリ?だかに加入して観たものの正直疲れる。面白かった気はするのだがもうあまり覚えていない。

シン・ゴジラをきっかけにSJHUだとか、良くも悪くも難解な作品が受け入れられるといった国内の風潮が歯痒かったし、それを渡日してくるモンスターバースで中和するしかないのもまた腑に落ちなかった。


そんな中2022年のゴジラフェスにて突如発表されたゴジラ新作。以下当時の反応。

それから紛らわしい特報だとかを経て現在に至る。


それと山崎監督を知るためゴジラ・ザ・ライドを一度は経験しておこうと西武園ゆうえんちへ行った話、山崎監督についての印象は以下の通り。


ゴジラ-1.0感想…ネタバレなし


回りくどいゴジラ歴等を踏まえようやく感想へ。ここまでくるのに鑑賞から5日…な、長い…

ちなみに観る直前に思った予想がこちら。

ゴジラ-1.0、何となくGMKみたいなラストなんかなーと思い始めてきた。身体死すとも魂死なずみたいな…


さてまずはネタバレ無しの感想。
ユアストーリーだのムラがある監督だからそこまで期待してなかったけど面白かった。

予告以外はネタバレになるので詳細は書けないが、先に述べたゴジラを全く知らない人に布教するための一作。
恐らく暫定で今作が最も相応しいのではないか?とすら思った。


反面庵野監督が発言したように割とツッコミ所があり、脳裏でチラつくがそこをゴジラの迫力や新たな描写でねじ伏せた感じ。


初めて予告で姿を見た時からずーっと目が怖い、と思っていたがやっぱり怖い。
何を考えているか分からないシン・ゴジラとは違って明確な怒りや敵意があるので別ベクトルの怖さがある。
正統派デザインのゴジラで怖いと思ったのはそれこそGMK以来だし、何なら夢に出てきそう…


ちなみに現状リピートする予定はないのだが、その理由の一つに怖いから、も実はある。
あくまでも一要因で他の理由が大部分ではあるが…


そしてネタバレ込みの感想!


ゴジラ-1.0感想…ネタバレ有、良かった点



それまでの杞憂を払拭するかのような盤石な下地に安心して観れた。


ゴジラフェスでも言及があったようにライドゴジラを経てのマイゴジのデザイン。
予告で匂わせがあった熱線発射のギミックも面白かったし、直後の余波を原爆投下の瞬間に見せる絵がエグくて最高だった。


ゴジラとの戦いが陸上ではなく海上戦が多めなのも盲点で、熱線共々70年経っても新しい見せ方を披露できることに感服した。
シン・ゴジラとはまた違うやり方でありながら、平成のVSシリーズみたいなトンデモ兵器がでない戦後間もない時代だからこその人間の底力で尽力する過程が別解みたいで面白かった。



自分は観たことがないが三丁目の夕日を手掛けたこともあり、所謂人情に訴えかけるような良くも悪くもコテコテな人間パートが観てて心地よかった。
今作がゴジラ初心者に一番お勧めできる理由がそこ。少なくとも大部分の人が無難に観れると思った。

しばらく邦画は観てないもののどことなく邦画の延長線?を見ているかのような…
観たことないのにどことなく三丁目の夕日の世界線みたいに思えた。

ゴジラがさあくるぞ!ないかにもな前振りも邦画らしさや観やすさ、「僕の戦争はまだ終わってない」といった台詞など一般ウケに拍車を掛けているような。



悪かった点


海上戦を多めにした分必然的に陸戦が少ない。もう少しじっくりゴジラの全体像を見たかったし、正直予告で見たことある部分ばかりだったので余計物足りなく感じた。
結局大きくなって上陸したのが一度だけ。
銀座で暴れたのでもう一度違う場所へ再上陸して暴れて壊して欲しかった。鬼か。


人間パートが観やすく心地よいのが逆に違和感。単純に監督の特徴や作風なのかもしれないが、戦後の復興の段階で希望に満ちている人が多すぎてご都合的というか。

序盤こそ近所の如何にもなヘイト役なおばさんの存在が心臓ギュッとされて、それが良かったのに割と早い段階で良い人分類されてしまったり、戦争から帰った主人公に八つ当たりする近隣住民がそれっきりなのが不思議。

中盤命懸けの仕事で乗り物や立派な家が建った主人公に対して「私はまだボロ屋なのに贅沢しやがって…!」と逆恨みして何かしらの危害を加える人がいても不思議じゃないし、むしろいなかったのが違和感。鬼か。

あまりにも人間パートがベタすぎて一度観てしまえばまた観たい!と思える部分がほぼなかった。

ボロ舟に追いつけないゴジラもフィクションとはいえ結局ご都合的だし、最後熱線を放つ直前の特攻。再発射に時間かかるとはいえあれどう見ても間に合わず途中で撃ち落とされるような気が…


何となくな感触でしかないけど俳優さんの演技がどう見ても現代的。
台詞回しなのか口調、ニュアンスなのか古っぽさが無くて仕方ないとはいえ現代の人が演じてる。タイムスリップしたかのような。


オマージュとパロディの難しさ

個人的に一番引っかかった所がここ。
ゴジラが上陸した時の恒例と化した電車がじがじに如何にも初代ゴジラを意識してる実況アナウンサーなど寛大に捉えれば過去作へのリスペクト。

…なんだけども正直オマージュか?と言われるとどうにも首を縦に触れずモヤモヤしてしまった。

あくまでも個人的な感想としてシリーズ内でやられるとものすんごい陳腐に思てしまう。


例えばウルトラマンティガに対する自分が大嫌いで度々否定しているウルトラマントリガー
ティガに寄り添いつつ都合良い時だけオリジナルを醸し出してくるピンポンダッシュみたいな構成が気持ち悪い。単純に企画の練り込み不足で周年にかこつけた作品だったと未だに思っている。
最終回は本当に頭痛がしたし長年見続けたウルトラマンの卒業を真剣に考えた。
あれをオマージュだ!と咽び泣いて喜ぶ人とは生涯関わりたくない。脈絡もなく突拍子で陳腐なパロディ。スマイル教信者極まれり。


次に平成ゴジラに対するウルトラマンZ。言うまでもなくセブンガーとバコさんがまんまVSスペースゴジラだけど不思議と嫌悪感はなく、むしろ嬉しかった。
トリガーやMCUでありがちな「安易に小ネタで喜ぶオタクの足元を見る行為」ではなくて、どちらかといえば田口監督自身が視聴者に近いオタク視点だからこそ、まず自分が観たい!が伝わってくるのが好印象だった。

やっぱりシリーズ外だといやらしさを感じないしだからこそリスペクトを感じてしまう。他にも戦隊でウルトラシリーズのまんまパロディネタでも嬉しかったりする。

なので電車とアナウンサーもリスペクトよりかはノルマじみたものに感じてしまい特に嬉しさもなんともなかった。アナウンサーきた!うおおお!となる人っているんだろうか?

ついでに言うとゴジラフェスお馴染みの新作アニメやニコニコ動画?だかで見かけたCGアニメ。あれも過去作リスペクトではなくノルマに見えてただの二番煎じに思ってしまう



で。例のラストシーンについて。
鑑賞前に予想したラストが的中してしまってあーやっぱり…と思ってしまった。

散々書いたようにシリーズ内でのリスペクトは二番煎じの安直なパロディに感じるものの、最後にゴジラを崩壊させてしまうとあれしかないように思える。

初代ゴジラの山根博士の台詞で有名な
「あのゴジラが最後の一匹だとは思えない」
単なる続編の匂わせとかではなく、すぐ次の台詞にも続くように核への警鐘であり、過ちを犯した人の業だからこそ忘れることなく未来永劫向き合わなければならない戒め。

明確にゴジラを完全に排除した!もう生まれないし安泰だな!という作品は確か無かったはずだし、VSデストロイアで衝撃的だったメルトダウンするゴジラの直後に新たなゴジラが生まれる、シン・ゴジラのようにいつ再始動するか分からない凍結状態で時を共にする、など。

ゴジラが今尚続くのは時代によって扱いはガラッと変わりながらも、排除するハッピーエンドは無いからだと思うし、もし実行してしまったらその辺の怪獣映画としてとっくに終わってたと思う。

だからこそ今作でもまだ完全に消滅していない締めは、むしろそれが無ければゴジラではなかったと思ってる。

とはいえ二番煎じなのは変わりなく、少なくともオリジナル性が欲しかったところ…その点はシン・ゴジラのような真新しさがなく肩透かしだったのも否めない。というよりシン・ゴジラが異常なのだけども。





総括:これからのゴジラ

比較的観やすい流れかつ複雑ではない、肝心のゴジラも恐怖そのものでやはり今作は大衆向け。全く知らない人にも一番最初に何を観せるか?布教にようやく模範回答が来たように思える。それぐらい今作は盤石だった。

シン・ゴジラの後というプレッシャーがありながらも臆することなく完成させたのは見事だった。
面白いのがシン・ゴジラとマイナスワン。方向性は真逆でありながら、どちらにも初代ゴジラの真髄・意志を継承しつつ肉付けしているのが伝わって面白かった。

とはいえ今後のゴジラを創る人で危惧しているのが、今作の山崎監督みたいに一ファンとして好きな作品の要素を掻い摘んだ作品が増えるのかな…ということ。

まんまGMKのラストに初代連想の描写、それと小説によるとやはりG細胞で確定らしい典子の痣と見たことあるのオンパレード。

今作はまだ自分の大嫌いな足元見る小ネタ撒き散らし程ではないもののあくまで無難な作品に思えてしまったし、今後も自分の「好き」を見せたい意思が露骨に汲み取れるというか、世代的にも仕方ないにしろゴジラフェスのように独創性のない寄せ集めのゴジラが主流になってしまうのかな…と思ってしまった。

実はどのゴジラも肯定的と言いつつ、平成のVSシリーズを経たミレニアムシリーズは妙に現実離れしてて受け入れがたいとこがあった。都合よく阿部寛だけ崩れるビルとか、

S A Y O N A R A
Y O S H I T O

はちょっと漫画的すぎて今でも感動以前に笑ってしまう。

だけども今作を観た後だとどの作品も独自の世界観、設定を徹底してたんだなと気づかされた。


気が早いけどシン・ゴジラにマイナスワンと続いたのでそろそろ頭空っぽにしてポップコーン食いながら楽しめる怪獣プロレスを観たい気持ちもある…ゴジラフェスやモンスターバースではなく長尺の国産ゴジラとして。
なんならいかにも娯楽真っ盛りな昭和の怪獣島設定もあれはあれで大好きなので…

何気にアンギラスがFW以来一度も復活してないのも気掛かり。ドラゴンボールでいうクリリンみたいな…


シン・ゴジラは確か公開初日と翌日、地上波にサブスクと少なくとも今まで5回以上は観たけど今作はまだリピートする気がしないし上映中に足を運ぶことがなさそう。

また人間パートを観たいか?と言われるとやはりそうでもなく、そこが良くも悪くも無難で一般大衆ウケ。もう一度見たい!と思えるやりとりやクセのある部分が個人的にはない。


結局ゴジラだけ観れればいいや…でも海上戦多めだし予告で見たことある部分が多いし、地上での暴れっぷりを観るなら西武園ゆうえんちのライドゴジラをリピートするか円盤待ちでいいや。とすら思ってしまった。

と言っても久々に大スクリーンで観れる貴重な国内産のゴジラ。布教するにはこれ以上ない機会なので是非片っ端から誘って布教して欲しい所。





おまけ


今回観に行ったのは日比谷
東宝の本社があるし先日のゴジラフェスの直後だし…と謎にこだわりを持ってしまった。

入場してシアターに入ろうとしたら特別仕様?らしく、シアター入口には歴代ゴジラのポスターがずらっと。イベント等で散々見た光景ではあるけど壮観。

日比谷以外にも特別装飾された映画館はあるのか気になってしまった。



観賞前にグッズ売り場を覗くというネタバレ浴びる危険性が高い望ましくないムーブもして唯一買ったグッズがこちら。

マイナスワン関係ないな?

特に欲しい劇場グッズがない中鎮座してたコレクタブルグラスフィギュア?なるもの。

2014年表記なのでギャレゴジの頃に作られた物の蔵出しらしい。地元の地方にいた頃には確か一度も見かけたことがなかったので買ってしまった。

他にゲゾラとかいうマイナーのやつもいて思わず二度見した。



以上モチベが死につつ観賞から一週間、ようやく書き終えた感想。
なかなか進まなかったことからも自分の今作に対する入れ込みがなんとなく汲み取れてしまった。

ゴジラフェスから続いたゴジラ熱もこの感想を書き終えて一旦冷却期間かな…コラボカフェで身体ぶっ壊したりゴジラフェスのアーカイブ消し飛んだり妙な不完全燃焼が否めない


今後もし何かしら気になるコラボがあればぼちぼち行くぐらい。銭湯コラボのグッズ欲しかったなー…

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