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価格戦略を知る者が「利益」を制す #1|プライシング

『価格戦略を知る者が「利益」を制す』
DIAMOND ハーバード・ビジネスレビュー編集部 【編・訳】

ダイヤモンド社(2005/03発売)

「第1章 プライシングと消費者心理」を、主観的にまとめています。価格戦略上、重要なポイントをさくっと理解したい人におすすめです。

第1章 プライシングと消費者心理

要約| 本章は商品の利用を促す価格戦略、商品の購入を促す価格戦略について論じる。商品の利用を促すことが再購買を促す。したがって、価格戦略では、単に購買を促すにとどまらず、商品の利用を促すことを併せて考える必要がある。価格が消費者心理に及ぼす影響を注視することで商品の利用を促すことができる事例とともに論じられる。

『価格戦略を知る者が「利益」を制す』ダイヤモンド社(2005/03発売)

ポイント
・ 実際の商品価格と「消費者の認識する価格」は異なる。
・ 顧客と長期的な関係性を築くには、商品を利用してもらうことが肝要。
・ 消費者は、支払いを意識すると、サンクコストであっても、対価を得ようと行動する。

消費を促す価格設定

  • 「消費者の認識する価格」を見えにくくするために以下を調整できる。

    • 支払いタイミング 直前>直後>事前>事後

    • 支払い手段 現金>カード>自動引き落とし(月賦払い)

    • 一括払い シーズン入場券、年会費・月会費、定期購読など「単価」をわかりづらくする

    • 試用価格 無料等で利用を開始できる量や期間を設け、障壁を下げる

    • 会員価格 会員登録等によりポイントや特別価格を提供し、「単価」をわかりづらくする

商品の利用を促す価格設定

  • 「消費者の認識する価格」を意識させることで利用を促す。

    • 消費を促す価格設定の逆に調整する

    • 価格の内訳を提示する
       事後の自動引き落としでも、決済タイミング等に、金額内訳を顧客に通知することで支払い価格を認識させる。
       例)ジム|月会費の引き落としを、前月末に翌月の何回分の利用に対していくらが払われるのか、当月に何回の利用があったかなどを通知する。
       ボリュウムディスカウントする場合も、内訳と単価を明示する。
       例)レストラン|コースメニューを構成する料理をアラカルトでも提供し、顧客がコースに含まれる料理の単価がわかるようにする。

消費を促す x 利用を促す

製品を使わなかった消費者の再購買は望めない。つまり、顧客に購入した商品を実際に使わせることが重要である。顧客が購入した商品を、一定期間に使用する頻度、「使用率」を向上させることは、スイッチングコストの構築、2次販売機会の増加、良いクチコミの増加にも通じる。
 通常、すでに支払い済の費用であるサンクコストは、論理上、将来の行動になんら影響はないはずなのに、いかに将来の活動がサンクコストに惑わされるかは見落としがちである。サブスクリプション契約のような、継続課金商品であっても、対価を意識したとたんに使用頻度が増えるのである。使用率が上がれば、継続課金を止める理由も生じず、再購入に繋がる。消費を促す価格設定で需要を増加させるだけでは片手落ちで、いかに価格を認識させ、商品の利用を促し、便益を感じさせるかを設計することで、再購入顧客維持への好循環を築くことができる。

考察メモ
サブスクリプションモデルを取り込みたい
 本章で強く連想されたのが昨今のサブスクリプションモデル商品である。無料期間や極めて少額での試用を促し、利用頻度を保つためのキャンペーンや、価格通知、ポイント、DMなどが張り巡らされ、消費者を惹きつける。少し前までは、お店で対面で購入することしか考えられなかった、野菜や肉など生鮮食品や花、休暇の前に同行者と検討して予約する商品であった旅行や宿泊施設など、従来型の商品もどんどんサブスク購入ができるようになってきている。サブスク購入では、無料期間などで一旦サービスに取り込まれると、サンクコストを意識して、商品を使い倒して、サービスの便益を享受し、継続課金を喜んで継続する。また、参入障壁が低いために、従来は顧客として取り込めていなかったセグメントまで購買を促すことができ、顧客の幅が広がる。もちろん、従来型の商品において、全ての顧客をサブスクに移行するには無理がある。ただ、顧客構成を、従来型の購買層、サブスク層のコンビネーションにするための価格設定をすることで、より強い需要を維持することができると考えられる。

注|本章を読んだ個人の主観による考察です

ISBN-10 ‏ : ‎ 4478502528
価格戦略を心理学で分析する。適正価格を科学的に導く。過当競争から抜け出す。「プライシング」は利益戦略である。
第1章 プライシングと消費者心理
第2章 新贅沢財のポテンシャル
第3章 価格シグナル戦略
第4章 価格戦争の正しい闘い方
第5章 eプライシング:「コストの透明性」に打ち勝つ
第6章 スマート・プライシングの技術
第7章 ポケット・プライス:真実の取引価格
第8章 プライシングの創造知

https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784478502525



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