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『三つ子の魂、百まで』vol.7

汝、自身を知る

都会で生活していた頃は人の目や評価、どう思われているか?をとても氣にしていた様に思う。小さな事に固執していたちっぽけな自分を根底から変えたい氣持ちで田舎暮らしを始めた。

最初に借りた古民家での暮らしでは、集落の人々が当たり前に衣・食・住すべてに自分達の手を入れて生きている事に驚いた。だから僕たちもなるべく人に頼らず自分で自分の問題を解決するよう様々な術を模索した。そうやって自分の体と頭を使って工夫する暮らしは心にゆとりと安らぎをもたらしてくれた。出来なかった事が出来るようになる歓びは大人になっても心地好いもの。

ある程度、生活に必要な術を持つと要らぬ心配をしなくて済み自信にも繋がる。外に向かっていた意識は自然と自分の内面へ向き始め、それまで問題だと思い込んでいたものがどうでもよい悩みだったと気付いて物事を前向きに受け入れられるようになった。

何処に住んでるかは関係ないけど自分の全く知らない文化の中に身を置く体験は想像を遥かに超える刺激を与えてくれる。そして、自分自身を救う唯一の方法は自分の総て、強さも弱さもひっくるめて自分なんだと認めてあげる事だと氣がついた。

子供達を見ていると柵(しがらみ)とか関係なく自由に自分を表現しさらけ出してくれる。生まれたてであればある程に自由。歳を重ねて段段と人間社会に染まり、感情が芽生え欲望が生まれてくる。それに氣付き夲物の自由って何なのか?と探し始め、不自由な荷物を一つずつ下ろしている真っ最中な今です。

子供たちから教わる事はとても多く、自分がどれほどちっぽけで未熟かを思い知らせてくれる。僕にとっては子供たちが居てくれるのと居ないとでは全く異なる人生を送っていただろう。

勿論、愉しい亊ばかりではなく苦しい時だって結構あるけど。その苦しさが今の自分を育ててくれた亊は云うまでもない。家族は自分にとって一番の写し鏡、その時の自分の状態をそのまんま写してくれる。僕にとっては自分を知り、自他を受け入れていく為には家族なくして始まらない、唯一の拠り所で無二の存在なのです。

もちろん、それら全ては自分あってのものですから、先ずは自分を整える亊が家族和合の秘訣です

つづく

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