日本語能力試験に三度目挑戦のイタリア人
コロナにより2020、2021年と中止となった日本語能力試験が、今年は実施されることが決まり、もうすぐ申込みが始まります。
私が日本語を教えているイタリア人の中からも、今年は4人がこの試験を受ける予定です。
日本語能力試験は世界中で実施されており、イタリアでは毎年12月、年に1回だけ。
レベルは5段階に分かれており、最も初歩のレベルがN5(5級)。
漢字圏の日本語学習者にとっては、このN5(5級)は簡単にパスできるので受ける人が少ない、という話も聞いたことがあります。
が、イタリア人にとっては全くそんなことはなく、ゼロから日本語学習を始めた人がレッスンを1年ぐらい続けてようやく挑戦できるレベルに達するのが、このN5(5級)です。
国内で勉強し続けているだけだと4級も難しい
私が教えている方たちの中から、毎年2〜4人この日本語能力試験を受けますが、その半分は最も初歩レベルに当たるN5(5級)。
これはだいたい合格することができています。
次にN4(4級)。これは合格率がぐっと下がり、半分ぐらいしか受かりません。
短期間でも日本に行って「実戦」を経験すると、ぐんと伸びたり、刺激を受けてモチベーションが高まったりして、試験にも受かりやすくなる傾向があります。
が、ずっとイタリアにいるまま勉強を続け、N4(4級)に合格するのは、特に時間がない社会人にとっては、なかなか難しいことです。
今年も4人が受験予定
今年受験する4人のうちの1人、フランチェスコは、N4(4級)に三度目の挑戦。日本への渡航経験はなし。
私なんかは一度でも不合格だったら挫けてしまいそうですが、このフランチェスコにとっては「受からなかったとしても、試験があることで勉強に力が入るから意味がある」。
この人は自分の仕事の話をするときも「こんなトラブルがあって大変だった」みたいな愚痴もこぼすのですが、「でも、いつでもそこから学ぶべきことはある(C'è sempre da imparare)」とよく言います。
2019年に初めてN5を受けたロベルタは、その時も準備不足と分かっていたのですが「とりあえずトライしてみたい」と受験。
残念ながら不合格でしたが、それからコロナ禍の2年間を経て、今年12月に再挑戦。
1年に1回しかない試験が2年連続で中止になったら熱が冷めてもおかしくありませんが、モチベーションを落とさずにえらいなぁと思います。
こういう人たちの姿勢には頭が下がります。見習いたい。
(おわり)
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