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「ふつう」の幸せが伝わってくる絵本

父が昔、「ふつうが一番なんだぞ」と言うので、うちの親はなんてつまらないんだ…とがっかりしていましたが、今、父の気持ちがよくわかります。


【日常のかがやき】

『パンやのくまさん』

『パンやのくまさん』福音館書店


小さい時に読んだ方も多いのではないでしょうか。
この絵本には、働くこと、生活することのすべてが描かれています。

なんていうことのない、くまさんのふつうの日常。


朝起きて、
朝ごはんを食べて、
パンとケーキを作り、
お客さんに売って歩き、
家に帰って、
夕食とマフィンを食べて、
ベッドで寝る。


ただこれだけ。特別なことは何も起こりません。


それなのに、この絵本をよむと、とても幸せな気持ちになります。


このくまさんは、仕事と生活が一体になっていて流れるように生きています。

くまさんがしていることは、日々、パンを作り、それを求めてやって来るお客さんに売ること。このくまさん、まじめで礼儀正しいので、お客さんから人気があります。
寝る前に、売り上げ管理をしている姿も愛おしくなります。
自分ですべて采配できるのもうらやましい。


生きるって、実はこんなにシンプル極まりないもの。
地に足をつけて、淡々とやるべきことをやる。
それだけでもう十分幸せなんだっていうことを思い出させてくれる本です。


パン屋を営むくまさんに、ぜひ会いに行ってみてください。


     **🐻**
パンやのほかに、郵便や、植木や、消防士などのくまさんがいて、全6冊シリーズになっています。
イギリスの絵本なので、外国の朝食や街の様子が楽しいですよ。


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