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【アニメ】『呪術廻戦』二期 夏のクセ強イケメン祭り

※ゆっるいネタバレを含みます。

「強くなってよ、僕に置いていかれないくらい。」

あまりにも美しい、鳥肌がたつような全5話だった。
アニメ『呪術廻戦』一期にドはまりして以来、2年以上も待った。「こんなに待たせやがってよう…」とぼやきながら7月を迎えたが、待った甲斐はあり過ぎるくらいにあった。
作画・ストーリー・音楽…どれをとっても、3年待ってもお釣りがくるような、素晴らしい「懐玉・玉折」全5話だった。
 

時系列振り返り

ここに至るまでのステップ(放送順)を振り返ると、
①  アニメ一期:全24話
②  劇場版『呪術廻戦0(ゼロ)』
③  アニメ二期:「懐玉・玉折」全5話
④  アニメ二期:「渋谷事変」スタート←今ココ
 
私は①の続きを待ち望んでいたわけだが、②も③も過去のストーリーであり、視聴前はいつも少しガッカリしていた。
失礼だな―純愛だよ」の名言で知られる劇場版も素晴らしい出来で、「真希ちゃん…棘くん…2年生ズ可愛い、さいこうかよ…」と呟きながら号泣したが、③についてはやっぱり今ひとつテンションが上がらない。
理由はわかっているのだ。キャラが推せない。
五条先生も夏油くんも、そんなに好きではなかったのだ。

しかしそんな思い込みや偏見は、たったの25分で覆された。

クセ強イケメン祭り

物語は呪術高等専門学校時代の五条悟(名門家系のサラブレッドで天才呪術師。お顔が世界遺産)、その親友・夏油傑(呪術師としての使命に思い悩む塩顔男子)、彼ら2人の前に立ちはだかる伏黒甚爾(呪力を持たないフィジカルゴリラ。飲み屋で爆モテしそうな悪イケメン。)の3人を中心に展開していく。
各々が非凡な才能を持ち、複雑な運命を辿っていく。わずかに順序や事情が異なれば、力を合わせ心を通わすことも出来たであろう3人が、「どうしようもなく、こうなるしかない運命だった」と言うほかなく、道を分かたれていく様に、胸が締め付けられるような思いがした。
 

自分しか自分を救うことができない、という非情なリアル

誰かが思い悩んでいるとき、本質的な意味で「助けられる」と思うのは些か傲慢だと思う。
これが身体的・金銭的に困っているというなら話は別で、他者が物理的・経済的な援助をするのは大いに有効だろう。
しかし精神的な意味で困窮しているとなると、本当に自分を救うことができるのは自分しかいない。私たちは自分の心にあるフィルタを通して世界を見ているから。自身の心のフィルタを磨いたり、色を変えたり、目の粗さを変えてみたりできるのは自分だけなのだ。

夏油くんの落ちた穴は、まさにそういう類のものだった。
優しすぎるがゆえに、唯一無二の天才と呼ばれる親友、素直な後輩、突飛な発想をもつ先輩、大胆でアナーキーな敵、腐敗した組織や体制、すべてのものの影響を受け、彼のフィルタは濁りに濁った。
ネットでは「闇落ち」と評されることの多い夏油くんの選択は、自分なりの「救済」だったのだと思う。誰かに助けてもらうことではなく、彼は自分と世界を救うための道を選んだ。
それで、大切な人たちとの絆を永遠に失うことになったとしても。
 
誰の人生にも「自分でしか自分を助けられない」という瞬間は、絶対にある。
 
けしてハッピーエンドではなかったけれど、物語のこれまでとこれからに色彩と奥行きを加える素晴らしい5話だった。『呪術廻戦』を未視聴の方からすると、「一期で既に24話もあるなんて、今更見られないわよ…」と思われるだろうが、ご安心(?)ください。
注意一秒、ケガ一生。(たぶん使い方間違ってる。)
沼に落ちるのは一瞬です。にこにこ。
 
年内はリアルタイムで『呪術廻戦』沼に浸れるなんて、前途洋々。
後はただ、MAPPAのスタッフさん達の心身の健康を祈るのみ。
この作画、このスピード…
皆さんお身体たいせつにィ…。

【作品情報】
原作:『呪術廻戦』芥見下々 既刊23巻
掲載誌:集英社 週刊少年ジャンプ
アニメーション制作:MAPPA

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